1993/11/15

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参院・予算委員会

○笠原潤一君 それから、代替エネルギーですが、先般、ソーラーカーによるレースがオーストラリアで開かれました。本田が一位になったわけです。四位に早稲田大学が入っていますが、このソーラー開発の問題はどの程度進んでおるのか。

 さらに、これに関連して、原子力エネルギーも最も大事でありますけれども、同時に水力の見直しとか地熱とかいろんな代替エネルギーがあるんですが、その点について、今、科学技術庁としてはこの代替エネルギーの問題にどのように取り組んでおられるか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

○国務大臣(江田五月君) エネルギーの研究開発は、これはもう大変重要でございまして、平成三年だと思いますが、内閣総理大臣が定めたエネルギー研究開発基本計画、この計画に従って関係省庁連携しながら積極的に推進をしているということでございます。

 原子力、これの開発利用を安全性を大前提に着実に進めるとともに、太陽エネルギー等いろいろあります。進めておるということなんですが、どの程度ということになりますと、なかなかそれぞれにいろいろ難点がありまして、これほどすばらしくなったぞと、なかなかそこまでいかないのが現実でございます。

 しかし、とにかくどの程度のものになるかというのは別として、やはり多様なエネルギー体制というものができていかなきゃいけないので、今後とも着実に進めていこうと思っているところでございます。

○笠原潤一君 どうもありがとうございました。
 時間が参りましたので、これをもって質問を終わります。

○守住有信君 いろいろ科学技術の評論家や経済学者等々の話を聞いておりますと、この科学技術、私も日本は科学技術立国だと思っておりますけれども、新規開発も一巡して、汎用品になって世界に輸出され、だんだん新製品も峠を越えた。また新しい科学技術に挑戦しないと日本の経済は、短期の今の景気低迷だけでなくて、もっとロングランで非常にこれは問題があるんじゃないか。その中で、このスプリング8といいますか、フランス、ヨーロッパは共同だが、その次はアメリカ、さらに八ギガのやつを実験で近く完成する。

 こういうことに対しまして私は、例えばLSI、超LSI、超超LSIもそこに描けるということを日電の関本君以下もこれは非常に期待を持っているわけですよ。今も何か航空協定の話で戦略というふうなことが出ましたけれども、まさしく日本人の頭脳、もちろんそこには外国の研究マンにもオープンにして、各会社の研究マンにも大学にもそういうオープンなシステムでこれが利用されていくんだと。

 そしてまた、行政管理庁の行政監察にも特にこの利用の仕方、活用の仕方を十分より積極的に配慮するように、会計検査院じゃございません、行管の方の指摘もその中に入っておったな、こういうふうに思いまして余計、科学技術庁を中心に文部省系の研究所とかいろいろありますけれども、これは一つの最高シンボルだと思っております。これに向かってSSCも消えてなくなったといって私はほっとしている。海部さん以来の実は膨大なあの量、もう協力協力でやったらどうなるんだろう、国際貢献どころじゃないと思っておりますけれども、湾岸戦争だけじゃないと思っております。そういう気持ちを込めておりますので、大いに長官以下それぞれの科学技術行政の方と研究マンの諸君方、あるいは実業界の研究と連携して大いに力を尽くしていただくことを期待を申し上げまして、科学技術庁どうぞ、終わりますので結構でございます。

○国務大臣(江田五月君) 大変力強い応援をいただきましてありがとうございます。

 先ほどは政府委員の方から専門的な説明をさせたわけですが、私は全く技術屋じゃありませんのでなかなか頭が痛くなるような話なんですが、素人風に言いますと、何か蛍の光とか窓の雲とかで物を見ていたのが突然太陽のもとで物を見るくらい、そのくらい全く質的に違ったそういう分析能力、解析能力が得られるという話でございます。

 一千百億円という大変な規模の開発でございますが、おかげさまで平成四年度、平成五年度、いずれも補正予算でもさらに増額をいただいてどんどん前へ進んでおりまして、ただいま平成九年には何とか一部供用開始をしたいと思っておりますが、さらに早く行うことができればこれにこしたことはないので、全力を挙げていきたい。

 先生お話しのとおり、この利用の方法も、ひとり科学技術庁というだけでなくて、国全体あるいは国際的にも利用ができるという、そういう形でやっていきたいと思っておりますので、全力を尽くしてまいります。

―― (一部省略) ――

○高崎裕子君 まず、科学技術庁に伺いますが、北海道幌延町に高レベル放射性廃棄物貯蔵工学センターを設置するという計画は、これは全国でただ一つのケースなわけです。地元では、北海道初め反対をしているということですが、既に十一年前の八三年から予算が計上されておりますが、八三年から九三年までの間に三十八億五千万円、そして来年度が五億二千万円で、合計四十三億七千万円になることに間違いありませんね。

○国務大臣(江田五月君) 間違いありません。

○高崎裕子君 来年度の要求を入れて四十五億一千万円ということで、この予算の内訳なんですが、まず施設設計関係が平成五年度で二・二億、四年で二・一、三年で二・四億。それから、関連調査研究が平成五年で二・一億、四年が二億、三年が二億。それから、広報対策が五年で〇・九、四年で〇・九、三年で〇・二ということで間違いありませんね。

○国務大臣(江田五月君) 間違いありません。

○高崎裕子君 そこで、具体的にお尋ねいたしますけれども、広報対策関係費の中で幌延や誘致に賛成の人が茨城県の東海村など他の原子力廃棄処理関係の場所に参加するに当たって、旅費などを出しているというふうに伺っております。

 この中身ですけれども、どの程度の規模で予算が支出されているのかということについてお答えいただきたいと思います。

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 動燃事業団におきましては、関係の方々に既に原子力開発を進めておる地域、茨城県東海村等でございますが、ごらんになっていただきまして、原子力開発の実態を御認識いただくという、そういう活動をやらせていただいておるところでございます。

 動燃事業団が平成四年度におきましてそういう活動をやりました経費でございますけれども、合計約百三十万円ということでございます。

○高崎裕子君 これは、平成四年度だけでしょうか。年間百人以下の方に旅費の一部を負担しているということですが。

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 平成三年度あるいはそれ以前につきましても同様のことは若干の規模でやったかと思いますけれども、今手元に詳しい数字は持ち合わせておりません。
 以上でございます。

○高崎裕子君 それでは、その中身について後で詳細に御報告していただけますね。

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 動燃事業団から実態を聴取いたしまして、取りまとめてお答え申し上げます。

○高崎裕子君 それではよろしくお願いいたします。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、貯蔵工学センターの設置をめぐっては、私は北海道が地元ですが、関係町村七町村あるうち、幌延町だけが誘致、あとは白紙が二町村、四町村が反対。そして北海道自体も反対、知事も反対。そして道議会は反対決議を上げている。とりわけ、北海道並びに同知事は一貫して白紙撤回を求めており、横路知事は撤回を求めて十年になるということで、そればかりではなくて予算計上もやめてほしいという要望さえ出されてきている。それにもかかわらず、十一年間四十億円の予算が計上されているということは、私は本当に問題だと思うのです。施設設計にしても、それから広報対策もすべてこれは幌延を前提に支出、予算が組まれ、決算もされてきているということで、北海道の意向からしてもこれはむだ遣いになる。地元が反対しているのに進めて、予算もつけてきているという点では浪費としか言えないと思うんです。

 ですから、私は幌延の予算については大臣として一体どう考えておられるのか。むしろ、こういう状況の中で凍結すべきだというふうに考えるわけですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(江田五月君) お話のとおり、反対の皆さんの声も大変強いということは認識をしております。

 ただ、政権交代に伴いまして、連立与党の合意でこれまでの国の基本重要政策は継承するということになっておりまして、その中のエネルギー、電力、そして原子力発電、その原子力発電も核燃料リサイクルという考え方、こういうことを前提にいたしますと、どうしてもこの高レベル廃棄物の最終の処分の仕方、これを研究をしていかなきゃならぬということは、これは言うまでもないわけでございます。したがって、そういう貯蔵工学センター的計画というものをやめるというわけにいかないと考えておるところです。

 これまで、ずっと予算が確かに相当の額になっております。全国でこの幌延だけだということでございますが、確かにそうではあるんですけれども、しかしこれまでの予算というものは施設設計関係、関連調査研究関係、それから広報対策関係大きく三つによって構成されているわけで、幌延という特定の地点で使われている予算というのはそのうちの広報対策関係でありまして、施設の設計関係、関連調査研究関係というものは、これは幌延ということが前提にはなっているといいましても、より広く、むしろ動燃のこの茨城県東海村でのいろんな研究に使われているものと私は理解をしておりまして、そういうこれまでの予算によって得られたさまざまな研究の成果というものは今後の高レベル放射性廃棄物の最終処理処分の方法の中に生かされていくものだと思っております。

○高崎裕子君 先ほどお示しいただいた数字でも施設設計関係費が約半分ということで、幌延で言いますと、ボーリング調査などをやって事業費が一千億円のうちもう二%にも食い込んでいるということでは、これはもう既に概念設計ではなく、基本設計にも入っているという問題も私は指摘しなければならないと思うのですが、大臣が今政権交代に伴う政策の継承の問題をお話されましたので、私はその点に触れて大臣に重ねてお尋ねしたいんです。

 原子力政策についても今言われたとおり、自民党の政策を継承していくということにはなっていきますけれども、何が何でもすべて継承する必要は私はないと思いますし、現に、ロシアの問題などを契機に、低レベルの放射性廃棄物の海上投棄ということについては、これは自民党の政権の基本政策については変更したばかりではありませんか。

 むしろこの幌延の問題というのは、こういう全体的な政策の転換の問題を私は言っているのではなくて、具体的な個々の問題にすぎないんです。幌延に工学センターを持ってくることまで継承するという必要はないんで、幾らでもこういう個々的なものについて変更できると思うのです。これだけ北海道、地元も含めて知事も含めて反対をしているというものになぜ固執する必要があるのかということで、地元の理解も得られていないわけですから、私はこの点については大臣のこれまでの御見解もあると思いますし、今言った基本的な立場に立って凍結ということでぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(江田五月君) 正確に申し上げますと、自民党の政策を継承したのではないのでありまして、これは、国のこれまでの政策、この国会というところでいろいろ議論をして、その結果でき上がっている国の政策を継承したということでございますので、ぜひその点は御理解をいただきたいと思うのです。

 国の政策として、今の高レベル放射性廃棄物の処分の方法として、ガラス固化体にした上で一時貯蔵で冷却をし、さらに深地層処分をするという方法を、これは原子力開発利用長期計画の中で策定をしているわけでございます。ちなみに、幌延にお願いをしております貯蔵工学センターは、その調査であって、あくまでも幌延町貯蔵工学センターというものを高レベル放射性廃棄物の最終処分の場所として考えておるということではありませんので、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。

 そういう意味で、国の重要な政策として引き継いできておりまして、さらに鋭意地元及び北海道の理解を得てやっていくにはどういうやり方があるのか研究をしていきたい、検討をしていきたいと思っております。ただ、今お話しのとおり非常に厳しい環境にあるというのは認識をしておりまして、どういうふうにやるか、これは正直言って頭が痛いところでございます。

○高崎裕子君 そこで、長官になられて以降、原子力の政策を継承するというふうに言われていますが、一方で大臣は可能な限り情報公開が不可欠だということも述べられているんです。

 幌延は、何度も繰り返しになりますが、反対を押し切ってボーリング調査を含め現場の調査が進められているということにもかかわらず、反対をしている住民に対してわずか十八ページのものしか資料として公開されていない。これはアメリカのケースでいいますと、廃棄物処分場予定地に関しては数百ページに及ぶ地質学的資料が公表されているという実態に比べて、わずか十八ページというものは大変不十分だ。ボーリング等の詳細データなど、住民が求める資料については全面的に公開すべきだというふうに私は思いますし、大臣もそこは述べられておるわけですから、この点についてはぜひ公開ということでよろしくお願いいたします。

○国務大臣(江田五月君) ボーリング調査の経緯というものがいろいろありまして、議論が沸騰するところかと思いますが情報公開ということについては、私は基本的にやはり情報公開をしていくべきものと考えております。ただ、原子力開発利用という事の性格上、なかなか微妙なところがあるという部分がありまして、核不拡散の関係あるいは核物質防護の関係、さらにノウハウなど財産権、そうしたものの関係がありまして公開できない部分がある、その点は御理解をいただきたいと思います。

 御指摘の、ボーリング調査の結果というものは一体どうなるのか。これは、動力炉・核燃料開発事業団がボーリング調査をし、その結果を持っているわけでありまして、恐らくボーリング調査といういろんな技術的なノウハウなどがあるんだろうと思います。なかなか動燃の方はこれを公開しにくいという事情があるようですが、その辺はまた動燃としっかり協議をしてみたいと思っております。

 いずれにしても、十八ページということでありますが、相当詳細な取りまとめというものが公表されているというふうに私としては理解をしております。

○高崎裕子君 時間がありませんのでやりとりはしませんけれども、監督官庁として、住民がこれだけ不安を持ち、反対をしているということで、今動燃と相談して公開という方向で検討もしたいというお話でしたので、そこは検討していただきたいというふうに思います。

1993/11/15

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