湯川憲比古 江田事務所から 1月 | 戻る/ホーム/湯川目次/前へ|次へ |
江田五月参議院議員の政策秘書で、江田五月事務所の事務局長の湯川憲比古(ゆかわのりひこ)です。今日から2000年の新しい国会がスタートしました。この機会に、江田五月HPの掲示板への書き込みをはじめたいと思います。
まず今日の報告。江田議員は、新たに発足した参議院の憲法調査会の委員(民主党・新緑風会は45人中10人)で、幹事(民主党・新緑風会は10人中2人)に正式に決まりました。
早期解散総選挙の火種もまだ残っています。2000年の政治は、非常にダイナミックな展開になりそうですが、江田五月および江田五月事務所は積極的に打って出ていきたいと思います。
江田五月が代表幹事をつとめる“菅グループ”の「国のかたち研究会」の朝の勉強会が今日ありました。講師は慶応大学の中条潮教授で、タイトルは「公営制度の幻想」。菅直人(衆)、江田五月(参)、岩田順介(衆)、河村たかし(衆)、など議員本人8名を含む18名が出席しました。
話の内容は、鉄道、バス、教育、医療の一部、郵便、高速道路、港湾、空港、航空管制、水道事業から、国防、警察、消防までも含む公営制度の民営化論で、非常に刺激的なものでした。 使途限定納税とバウチャー制度の議論もありました。
新旧何でもありの小渕政権に対して、民主党は思いきった構造改革の処方箋を出さなければなりません。キーワードは「創造的破壊」あるいは「破壊的創造」だと思います。
民主党の「菅グループ」はいわゆる「市民派」で、民主党を名実ともに「市民が主役」の政党にしていきたいと考えています。ところで「市民」には三つの要素があると思います。自立した個人としての市民、生活者・地域社会の構成員としての市民、そして地球市民です。もちろん、日本国の一員としての国民でもあって、いずれは地域社会に一票、国に一票、国際社会に一票をもって意志決定をしていくようになると思います。
ところで、地域社会の構成員としての市民について、町民や村民の人たちが含まれていないのではないか、という指摘があります。岡山県でも10市56町12村の78市町村があって、68町村にも「市民派」の人はたくさんいます。従って地域社会の構成員としての市民とは、より正確には市区町村民のことで、このことを十分にふまえて、近々「政権交代全国市区町村民委員会」(Network for Civil Democracy)の構想を提案したいと思います。
江田五月流の「民主主義の五原則」というものがあります。(1)情報公開 判断の材料となる情報の公開が大前提。(2)公開討論 対立する意見の代表選手が公開の場で討論し、どこが違うのかを明らかにする。(3)相互浸透(あるいは合意形成) 違う意見の内容を理解し、自らの意見を修正したり、合意形成の可能性を探る。(4)多数決 決めるときが来たら多数決で決める。(5)少数意見の尊重 多数派は少数意見を尊重する。
小沢一郎氏には(4)しかありません。1995年末の結論です。
江田議員は、参議院の行政監視委員会の委員で、野党筆頭理事でもあります。この委員会は、国会改革の一環として、1998年から参議院に設置された「オンブズマン的機能を備えた行政監視のための第二種常任委員会」です。具体的な所掌事項は(1)行政監視のための調査(委員会自らが積極的に国政調査権を活用することにより、行政監視に必要な調査を恒常的に行う) (2)「行政監察計画」等についての調査(行政監察計画、行政監察の結果報告書・勧告、及び各省庁の内部監査に関し調査を行う) (3)苦情請願の審査(不適正行政に対する苦情を内容とする請願《苦情請願》を審査する。その際、委員会の意向を多様に反映させるために意見書を活用することにより、オンブズマン的な苦情救済の機能を発揮する) (4)提案、勧告書(調査の結果、必要と認める事項について、決議の方式による提案、勧告を行うとともに、政策への反映を図る)です。
昨年の秋以来、長期的テーマとして「財政投融資対象機関の点検」(11月は年金福祉事業団)、短期的テーマとしては、東海臨界事故、神奈川県警不祥事などを取り上げました。
今日夕方6時から麹町で開かれた民主党の衆議院議員石毛えい子さん(東京第23区/町田市・多摩市)のパーティーに参加しました。いいパーティーでした。会場で、まったく久しぶりに菅源太郎君(菅直人氏の長男 27才?)に会いました。相変わらずユニークで魅力的なキャラクターでした。
実は、東京の小選挙区では25ある選挙区のうち、第4区(大田区の2/3)と第17区(葛飾区と江戸川区の一部)だけが民主党の候補者が決まっていません。そこで、菅源太郎君に東京第17区からの立候補を強くすすめました。自民党の候補者と公明党の候補者がハブとマングースのたたかいをしている選挙区ですが、市民派の候補も必要なところだと思います。
今日午前10時20分にセットされていた参議院の憲法調査会のはじめての幹事懇談会に、江田議員は他の野党幹事とともに出席しませんでした。昨日の衆議院の政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会(定数20削減法案)の開会強行による国会不正常状態のためです。
本来懇談会は合意形成の場で、与党だけでは成り立たないはずですが、(たとえば午後1時にセットされていた行政監視委員会の理事懇談会は開かれませんでした)。参議院憲法調査会の村上正邦会長(自民党)は、断固として開会し、約30分間にわたって与党だけの懇談会を仕切ったそうです。参議院の憲法調査会はいきなり荒れ模様のスタートとなりました。
今夜8時30分に開かれた衆議院本会議で、衆議院の比例定数20削減法案の採決が強行されました。民主党はじめ野党は欠席。野党は明日の衆・参で予定されている施政方針演説にも出席しない方針で、国会は過去に例のない異常事態になりました。このままでいくと、予算審議も与党単独で行う展開になります。
ここまで来れば、解散総選挙で有権者の皆さんに審判をしてもらうしかありません。定数削減が20か50か、という問題ではなく、権力を握ることだけが目的の自自公政権を認めるのか、認めないのか。相変わらずムダな公共事業をたれ流して、子孫に赤字のツケを回すだけの予算でいいのか、の審判です。
江田事務所としても今朝から選挙モードに入りました。
午後1時に開かれた民主党の両院議員総会で今後の国会審議を拒否し、民主党として「もう一つの国会」「もう一つの予算委員会」「もう一つの中央・地方公聴会」を開いて、国民のみなさんとともに予算審議をしていく方針が打ち出されました。民主党にとって非常に厳しい試練となりますが、民主党が政策的にも、組織的にも前進する機会にもなると思います。
3月9日解散・3月21日公示・4月2日投票の解散総選挙を想定して選挙態勢をつくることになりますが、2月の最重要課題は自自公とははっきりと違う民主党の政策と300小選挙区すべての選挙区での候補者擁立です。これができれば活路は開けると思います。
昨夜遅く岡山事務所に到着しました。早速、今日の午前中に地元責任者の元田さんと相談して、岡山県第一区から第五区までの江田事務所サイドの担当者を決め、選挙区ごとの江田五月会緊急地区代表者会議の日程を決めました。江田五月は1996年の県知事選挙と1998年の参議院選挙の二つの全県選挙をたたかったので、岡山県下78市町村に(濃淡はありますが)江田五月会のネットワ−クがあります。そのために、岡山県連代表ということもあって、江田五月は五つの小選挙区の事実上の選対本部長をつとめなければなりません。
岡山は前回の総選挙では橋本龍太郎総理大臣のもとで自民党が全勝した保守王国。とにかく全力でぶつかっていくしかありません。
江田議員は民主党の衆議院比例代表選挙に対応した中国ブロックの代表でもあります。今日は岡山県連の常任幹事会の日だったのですが、本部の要請で民主党島根県連の結成大会に出席しました。島根は三つの選挙区のうち第三区の候補者がまだ決まっていないのですが、何と言っても第二区の錦織淳さんが竹下元首相に勝てる候補者として民主党中国ブロックの期待の星になっています。
中国ブロックは全部で21の小選挙区がありますが、まだ10人しか公認候補が決まっていません。ここでも江田代表の責任は重大です。ただ民主党の場合は比例単独の候補者は1人もいないので、小選挙区の候補者全員が名簿第一位にならんで公平に惜敗率で勝負できるので、非常にすっきりしています。ちなみに自民党の方は比例単独の候補者が宮沢喜一現蔵相や桜内元議長など7人もいて(比例定数は13、削減されれば11、前回自民は6人当選)、惜敗率で当選できる候補者は1人もいないと思います。
ということは、民主党の候補者が頑張って小選挙区で一票でも勝てば相手を落選させることができるわけで、中国ブロックの有権者は「革命的」な投票ができることになります。ぜひそうなるように頑張りたいと思います。
現在の国会の異常事態の直接の原因は定数20削減法案の「冒頭処理」ですが、その「冒頭処理」の中味が明らかになってきました。それは首相の施政方針演説が行われる1月28日の前日の1月27日に衆議院本会議で採決し、衆議院予算委員会の審議がはじまる2月3日の前日の2月2日の参議院本会議で可決成立させるということのようです。この「冒頭処理」が実現しない限り、連立政権から離脱すると、今回は影にまわった自由党の小沢党首は脅したようです。
今回はもう一つものすごい脅しがありました。衆議院の伊藤議長に対する与党の脅しです。1月27日、伊藤議長は苦悩のすえ「議長裁断」を提示しました。その内容は採決を延ばして2月2日に行うというもので、野党にとっては不満の内容でしたが、「あっせん」や「裁定」より重い議長の「裁断」ということで、野党はもちかえって協議することにしました。ところが与党は断固としてこれを拒否し、さらに本会議を開会しなければ議長を不信任すると脅したそうです。
今回の国会の異常事態はこの二つの脅しが国会の表舞台をまかり通ったもので、ワイマールドイツ時代のヒトラーのような国会ジャックで、民主主義の危機だと民主党は主張しているのです。
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