さまざまな分野で社会に貢献した人の功績をたたえる秋の叙勲で、県内では元参院議長の江田五月さん(75)=中区=が桐花大綬章を受章し、旭日章の8人、瑞宝章の54人を合わせ計63人が選ばれた。受章者は次の皆さん。(敬称略。年齢は3日時点。江田さん以外の上位受章者は特集面に掲載)
■桐花大綬章■
家族、天国の父へ感謝 元参院議長・江田五月さん(75)=中区
「大変な栄誉をいただき、光栄」と受章の重みをかみしめる。
旧社会党書記長を務めた父、三郎氏の死去を受け、裁判官から政治家に転身。1977年の参院選で初当選し今夏に引退するまで参院議長や法相、環境相を歴任するなど40年近く政界をけん引した。
民主主義の成熟の大元は政権交代にある、との持論の下、2009年に参院議長の立場でその瞬間を見届けたことは強く印象に残る。感情は表に出さないよう意識したが、心では「ついに実現した」と感慨深かった。
とはいえ、「民主主義の成熟はまだ道半ば」とも。投票率の低さを指摘し、「市民が自分たちの意思決定に『参加』できるシステム作りが大切だ」と語気を強める。
「妻や子どもには迷惑をかけた」と家族への感謝を忘れない。天国の父には、「おやじがいろいろやったお陰で俺も苦労したけど、ここまでやったぞ」と報告したいという。「褒めてくれるかな」と笑った。【竹田迅岐】
▽桐花大綬章
江田五月 75 元参院議長 岡山
▽旭日小綬章(4人)
梶川政文 76 県タクシー協会長 岡山
岸本俊男 72 県青色申告会連合会長 岡山
末長範彦 70 元日本自動車販売協会連合会県支部長 岡山
多胡幸郎 70 元県公安委員長 津山
▽瑞宝小綬章(12人)
板野忠司 70 元県公営企業管理者 総社
市岡誠 71 元児島簡裁判事 岡山
市本和義 77 元岡山東警察署長 岡山
国富英次 79 元京都少年鑑別所長 倉敷
窪田功 77 元高岡郵便局長 美作
柴岡元 70 元公立高校長 岡山
福原克朗 74 元県大阪事務所長 総社
福森芳郎 72 元海自徳島教育航空群司令部首席幕僚 岡山
三木秋夫 70 元倉敷市消防正監 倉敷
山下滋 70 元公立高校長 岡山
山田篤 70 元公立高校長 浅口
渡辺繁 75 元県警本部刑事部長 倉敷
▽旭日双光章(4人)
井上英男 76 元高梁市議 高梁
片岡紀久子 75 元備前市議 備前
藤井慶祐 81 元吉備医師会長 総社
藤波雄次郎 70 元県薬剤師会副会長 岡山
▽瑞宝双光章(13人)
浅野彰彦 70 元公立中校長 浅口
石村雅彦 74 元県土木部理事 岡山
岡頌敏 71 元公立小校長 倉敷
河田啓子 71 元公立小校長 岡山
寺田春実 71 元中国運輸局自動車技術安全部長 岡山
中塚弘章 70 元岡山市消防正監 岡山
新田力 71 元中国船員地労委事務局長 玉野
二宮伸夫 73 元県立総合社会福祉センター所長 岡山
菱川成雄 70 元公立小校長 岡山
藤原久典 76 保護司 岡山
山下邦明 70 元笠岡市議 笠岡
山下富久 76 元岡山地検首席捜査官 倉敷
吉田守 70 元羽島保育園長 岡山
▽瑞宝単光章(25人)
粟井太郎 65 元奈義町消防団長 奈義
生口秀樹 65 元浅口市消防団副団長 浅口
池上和見 86 元警察庁技官 岡山
畝本森茂 64 元勝北町消防団副団長 津山
岡本耕一 65 元赤坂町消防団副団長 赤磐
加地博 68 元日本郵政公社職員 倉敷
神浦義勝 68 元岡山市消防団分団長 岡山
木村憲次 74 備前焼製造業従事者 備前
小林剛一 64 元美作市消防団副団長 美作
近田悟 67 元岡山市消防団分団長 岡山
斎藤黎子 72 工業統計調査員 浅口
下尾義昭 67 元真庭市久世消防団分団長 真庭
武田光弘 69 武田芳翠園代表取締役 岡山
丹波正広 66 元玉野市消防団分団長 玉野
富田悦雄 68 元日本郵政公社職員 岡山
成清勝己 66 元成羽町消防団副団長 高梁
南條昇五 65 元備中町消防団長 高梁
信定育生 70 元建部町消防団長 岡山
波田恒宏 74 元津山市消防団分団長 津山
馬場健太 69 元国立印刷局職員 瀬戸内
藤森教育 69 元日本郵政公社職員 備前
松井たみこ 66 元岡山大病院看護部看護師長 岡山
松下隆祐 85 元国鉄職員 岡山
三船貢 91 元国勢調査員 真庭
三好明 63 元法務教官 岡山
※名前の右は、年齢、経歴、住所の順
※毎日新聞地方版 2016年11月3日 記事