民主党FaxNews No.340 2000年10月18日(水) 戻るホームNews目次


[CONTENTS]
(1)あっせん不調で、参院議長が辞表提出〜全く耳を貸さない与党の姿勢が原因
(2)一票の格差是正に1議席の基礎配分廃止=衆院小選挙区区割り見直し法案
(3)鳥取県西部地震対策で官邸に申し入れ〜党中国地方地震対策本部


<参議院選挙制度> 全く耳を貸さない与党の姿勢が原因
あっせん不調で、参院議長が辞表提出

 参議院比例区への非拘束名簿方式導入などを盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐる与野党の激しい対立が続く国会では18日、斎藤十郎参院議長の呼びかけによる各会派代表者懇談会が午前11時から、与野党各党の参議院代表、幹事長、国対委員長らが出席して開かれた。

 この席で与野党双方が議長あっせん案への態度を表明。民主党の久保亘参院議員会長は、あっせん案の前文に示された今国会の不正常な原因についての見解や、「議会制民主主義の基本に関わる選挙制度を片肺で(=与野党一方だけで)審議採決すべきではない」との議長の認識には、「同意できる」と評価した上で、「具体的に示されたあっせん案には問題点が多い」として、受け入れられない旨を表明した。質疑応答があった後、斎藤議長は「今までの話を聞くと、私のあっせんは不調に終わったと判断する。議長としてのあっせんはこれで終了する」と宣言、懇談会は終わった。
 この後、斎藤議長は菅野久光参院副議長に辞表を提出した。

 これを受けて、午後2時から民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会、自由党の野党5会派の代表者がそろって記者会見し、斎藤議長の辞意表明に伴う5会派の声明を発表。議長の努力に敬意を表しながら、「自らの行為が参議院議長がその地位を辞さなければならない無法なものであることを深く自覚すべきである」と、委員会採決の結果は一切変えないとした与党の姿勢を強く非難した。

 また5会派の声明では、議長あっせん案への見解として、次の3点をあげている。
(1)国会を異常な状況に陥れた原因は与党の行動にある。議長はまず、与野党協議の時点に話を戻し議長の下での合意の重要性を再確認した上で、与野党の話し合いをさらに深めるようあっせん・指導すべきであった。(2)今回の議長あっせんは新たな法律案の提案であって極めて異例、議長の役割を大きく逸脱したものと言わざるを得ない。
与野党の円満かつ正常な審議によって結論が得られるべきとの議長の強い信念にたったあっせんをすべきであった。(3)あっせんの拘束・非拘束混合方式は、いわゆる票の横流しが全く解消されていない。また拘束・非行早々方の制度上の問題点を内包し、疑義の多い選挙制度といわざるを得ない。

 議長が辞任するため、参議院議院運営委員会では19日午前10時から参議院本会議を開き、新議長を選出することを決めた。この本会議へは、「院の構成に関わることであり、この本会議にまで欠席することは院の存在そのものを否定することになる」として、野党側も出席する予定。ただ、与党側が新議長選出直後に、公選法改正案の採決を求める動きを見せていることから、野党側は対応を慎重に検討している。



一票の格差是正に1議席の基礎配分廃止
衆院小選挙区区割り見直しに法案

 民主党は衆院小選挙区の定数300議席について、現行の47都道府県に1議席ずつ基礎配分して残りを各都道府県の人口に比例して割り振る「一人別枠制」を廃止し、完全な人口比で各都道府県に割り振るよう改める「衆議院議員選挙区画定審議会設置法改正案」をまとめた。17日のネクストキャビネット会議で了承され、鳩山由紀夫代表と堀込征雄政治改革部会長が18日、記者会見で発表した。

 住民基本台帳人口(今年3月31日)から試算した衆院小選挙区の一票の格差は、最大2.487倍。人口最小の島根3区を基準とすれば、格差が2倍を超える選挙区は89選挙区ある。民主党では、一票の格差が広がっている最大の原因は、各都道府県に最低1議席を割り振る現行の仕組みにあると指摘。国民の意思を頼的確に国政に反映させるためには、各都道府県の選挙区数を人口に単純比例して定める必要があるとしている。

 民主党の試算では、昨年3月末の住民基本台帳人口数を元に計算すると、現行制度では北海道(現行13)、東京(同25)、大阪(同19)では減員になるが、改正案による計算では、北海道が14、東京28、大阪20にそれぞれ増加。逆に鳥取が1議席になるなど計15県で減員となる。

 衆議院選挙選挙区確定審議会は今年12月の国勢調査速報値(今年10月1日実施)をふまえて、衆院小選挙区の区割り見直しに着手し、1年以内に首相に勧告することとなっており、それに間に合わせるためには、今国会での改正が必要。民主党では野党各党に提示し、協力を呼びかけていく。



鳥取県西部地震対策で官邸に申し入れ
党中国地方地震対策本部

10月6日発生した鳥取県西部地震により、中国地方の各県、特に震源地の鳥取県では大きな被害を被った。地震発生後直ちに設置された民主党中国地方地震対策本部(本部長=菅直人幹事長)では、発生翌日の7日に、前原誠司社会資本整備担当NC大臣、江田五月参院議員、山内功衆院議員らが震源地の日野町を含む鳥取、岡山両県の被災地を視察。また、これを受けて12日には山内議員が衆院災害対策特別委員会で質問にたち、政府の対応をただした。

 同対策本部では17日午前、首相官邸に中川官房長官を訪ね、国による最大限の支援策を迅速に行うよう緊急の申し入れを行った。メンバーは江田五月、石田美栄、菅川健二各参院議員と渡辺周、山内功、松原仁、平岡秀夫各衆院議員。

 申し入れの内容は、今回の自身を激甚災害に早期に指定することや、被災者の生活支援に向けた「住宅金融公庫の融資制度等の特例措置」や「災害援護資金の融資条件の緩和」「生活福祉資金の融資条件の緩和・小口資金貸し付け制度の創設」などや、埋め立て造成地の液状化対策に関わる助成制度の創設、被災地内の雇用安定対策、観光関係事業者に対する支援、関係自治体への財政支援など多岐にわたっている。


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