民主党FaxNews No.341 2000年10月19日(木) | 戻る/ホーム/News目次 |
[CONTENTS] (1)<参議院選挙制度>法案が参院を通過、野党は抗議の退席 |
参議院比例区への非拘束名簿方式導入などを盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐる与野党の激しい対立が続いていた国会では19日、民主党・新緑風会など野党側が法案の採決に抗議して退席するなか、参議院本会議で採決が行われ、与党の賛成多数で可決されて衆議院に送られた。
参議院では19日午前10時から、野党側も出席して本会議が開かれ、昨日辞表を提出した斎藤十郎前議長に代わる新しい議長に、自民党の井上裕参議院議員を選任した。その後、休憩に入り、議院運営委員会で法案の取り扱いを協議した。
しかし、19日中に本会議で採決したい与党側と、採決は認められないとする野党側との間で話し合いはつかず、井上議長は、職権で法案の採決を行うための参議院本会議を再開した。
これに対して、野党側はすかさず、4時間前に選任されたばかりの井上議長に対する不信任決議案を提出。再び本会議は約1時間の休憩に入った。
再開された本会議で、まず民主党・新緑風会の久保亘議員会長が決議案の趣旨説明。「議長就任と同時に党利党略に加担し、与野党間で十分な協議を行う努力を全くせず、本会議での採決に持ち込もうとするなど、公平中立な議長として許される行為ではない。議長として不適格だ」と厳しく非難した。
与党の反対討論に続いて、賛成討論でまず江田五月参院議員が登壇。江田議員は簡単なメモだけを手に、35分間にわたってアドリブで演説し、「井上議長は就任あいさつで何と言ったか。議員の正常かつ円満な運営に全力を尽くすと言ったはず。その舌の根も乾かぬうちに、何と言うことか。何一つ努力していない。自民党の国対筋の言いなりになり、それで議長といえるのか」と声を張り上げた。さらに、自身の参院全国区選挙の経験をふまえ、法案の内容にも言及し、「顔が見える人で票を取っておいて、それで顔の見えない人を当選させるとはちゃんちゃらおかしい」「官僚出身候補を立候補させ、役所ぐるみ・企業ぐるみ・業界ぐるみ選挙をもう一度やりたいのか。どう見ても、改悪以外の何物でもない」と批判。最後に「自民党の幹部は何をそんなに焦っているのか。その裏に何があるか国民は知っている。次の選挙で国民は与党に鉄槌を下すだろう」と断言し、賛成討論を終えた。
続いて立った共産党の山下議員、社民党・護憲連合の日下部議員もそれぞれ30分以上にわたって賛成の討論を行ったが、採決の結果、不信任決議案は与党の反対多数で否決された。
このあと野党側の議員は、法案の採決は認められないとして、採決の前に本会議場を退席した。
直後に開かれた参議院議員総会では、久保会長が「私たちのこの戦いは日本の民主主義のための戦いだ」、北澤俊美参議院幹事長は「一番の勝利は国民の共感を得て、次の参議院選で勝つことだ」、直嶋正行参院国対委員長は「ここまでよくまとまって戦っていただいた」と、それぞれ議員たちの約1ヶ月間にわたる参議院での戦いの労をねぎらった。
参議院での法案通過を受けて、民主、共産、社民、自由の野党4党は幹事長・書記局長会談で対応を協議し、衆院本会議で公選法改正案の趣旨説明を四党共同で求める声明を発表した。
会談後の記者会見で民主党の菅直人幹事長は「衆院は正常になったと思ってもらっていい」と明言。野党が衆院での審議に応じる姿勢を示した。
この後、午後10時からのNHKのニュース番組に中継出演した菅幹事長は、自民党の野中幹事長に対し、衆議院本会議での趣旨説明を行い、委員会でも十分な審議を尽くすよう求めた。
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