民主党FaxNews No.344 2000年10月25日(水) | 戻る/ホーム/News目次 |
[CONTENTS] (1)非拘束名簿導入の公選法改正案=衆院委員会でも質疑打ち切り、採決強行 (2)改正案は2つの動機不純が根底に=参考人聴取で江田参議院議員 (3)票の横流しは国民感情が納得しない〜手塚、加藤両議員が追及 |
参議院比例区への非拘束名簿方式導入などを盛り込んだ公職選挙法改正案を審議していた衆議院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会では、25日午後6時35分過ぎ、社民党議員の質問途中に突然質疑打ち切りの動議が出され、野党議員が抗議する中、法案の採決が強行された。
野党4党の国会対策委員長はその直後、綿貫衆院議長を訪ね、「委員会採決は不正常に行われた。必要かつ十分な審議は行われていない」として、明日(26日)の本会議採決は行わず、委員会に差し戻すよう要請した。ところが、午後7時40分から開かれた衆院議院運営委員会は、野党側の反対にもかかわらず、与党側が26日午後1時からの本会議開催を一方的に決めた。
また、民主党が対案として23日に提出していた公選法改正案は、ただちに委員会で審議するよう求めていたが、議運委でたなざらしにされたまま、委員会に付託されないという異例の扱いになっている。
この日午後1時から行われた参考人からの意見聴取では、民主党の江田五月参議院議員が発言した。
江田議員は、「与党案は、与野党が今年2月に参院選挙制度改革協議会が出した『当面は現行制度を維持する』という報告に反する」と参院の経過を説明。さらに与党案の背景には、久世問題のすり替えと、来年の参院選での得票増をねらう「2つの動機不純」が根底にあると指摘。また、「顔の見える人の得票が顔の見えない人の当選に使われる、国民の意思を無視した制度。(自民党の旧来の支持基盤である)役所ぐるみ、業界ぐるみ、企業ぐるみ、首長を巻き込んだ選挙をもくろんだもので、行政改革、規制改革の方向に逆行する制度だ」と批判した。
山花郁夫議員が質疑で、参院で野党が審議に応じなかったことへの説明を求めたのに対し、江田議員は「各会派・政党間の信義を捨て去って与党案が出てきた。そういうやりかたを受け入れるわけにはいかなかった」と述べた。
党首討論をはさんで再開された質疑で、民主党の手塚仁雄、加藤公一両議員が質問に立った。
手塚議員は、「得票ゼロの人でも当選できるのは問題だ。記号式で政党名をチェックして、その中で名前を選べば、横流し批判は防げるはず」と提案したが、与党提案者は「我が国には自署式が定着している。投票用紙が非常に大きくなる。投票用紙上の順番がたいへん問題になる」などと譲らなかった。これに対し手塚議員は、「簡素でわかりやすい制度もいいが、結果が分かりにくい方がよほど問題だ」と迫ったが、議論は平行線のままだった。
加藤議員は、票の横流し問題について、「有名人が立候補して一人で何100万票とり、その後連座制の適用をうけて失格しても、その票が生かされてしまうのは、国民感情からは理解できない」と追及したが、与党側は「これはあくまでも比例代表だが、個人の選挙もあるからその部分に連座制を認める。政党には関係ない」と手前勝手な理屈を繰り返すばかりだった。「二重投票はわかりにくい」とする与党側の答弁に、加藤議員は「政党と個人名と両方書く制度と、どちらがわかりやすいかアンケートでもとったのか、みなさんのお考えだけで決められるのか」と迫ったが、最後には「私たちの法案は権威ある答申に基づくもの」と説明抜きで開き直る始末だった。
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