民主党FaxNews No.347 2000年11月1日(水) 戻るホームNews目次

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[CONTENTS]
(1)<党首討論>中川前官房長官の捜査情報漏えい、調査せよ〜鳩山代表が迫る
(2)「森首相の無責任ぶり明らか」党首討論後に鳩山代表が会見
(3)少年法改正案が衆院で可決=問題点多いが「一歩前進」として賛成に
(4)またも強行採決!〜審議不十分の健康保険法、医療法改正案
(5)人権教育・啓発基本法案を提出〜不当な差別・人権侵害の解消が目的


<今国会2回目の党首討論>
中川前官房長官の捜査情報漏えい、調査せよ
〜鳩山代表が森首相に迫る

 民主党の鳩山由紀夫代表は1日、先週に続いて行われた今国会2回目の党首討論で、中川前官房長官に対する首相の任命責任と、北朝鮮とのコメ支援密約問題に焦点を絞って森首相に論戦を挑んだ。

 鳩山代表は「中川前長官は衆院内閣委員会で知人の女性に捜査情報について電話したことはないと答弁したが、その夜録音テープが公開されると突然辞任し、記者会見で事実を認めた。国会での虚偽答弁は犯罪行為だ」と述べ、捜査情報漏えい疑惑や右翼団体幹部との交際問題をめぐる中川前官房長官の国会答弁の矛盾点をあげて、森首相の認識をただした。

これに対し首相は、「結果として、答弁も正確さを欠いていたことは否めない」と遠回しな表現で中川氏の非は認めたものの、あとは「うそか真実か、本人が調べて名誉回復することをのぞむ」「私自身はテープを聴いていないので、断定したことを申し上げることは適当でない」との逃げ口上に終始した。

 鳩山代表が「中川前長官が首相補佐を務めていた当時に、知人に警察が覚醒剤の捜査で動いているから気を付けろと電話している。これは事実として認めている。警察情報を収集して漏らしている。官邸にいたからこそ知り得たこととしか思えない」とさらに追及すると、森首相は「私はそう聴いていない。中川議員が調査して釈明すると思う」などと繰り返すばかり。

「総理の任命責任は重い。総理自らの手で真相解明をすべきだ」と鳩山代表が攻め立てると、森首相はいらつきを隠せず「どうして断定できるのか。政治家にも人権がある」などと述べ、さらに、「警察に操作を指示することは首相として絶対できない」などと論点を取り違えたような、筋違いの強弁をした。

 また、鳩山代表は97年の与党訪朝団が北朝鮮との間にコメ50万トン支援の密約を交わしたとの話に触れ、「総理の個人プレーが結果としていかに国益を損なっているか、あなたは全然おわかりになっていない」として、「密約があった」と認めている自民党の野中幹事長(訪朝団のメンバー)との発言の違いをただした。

森首相はこれについて「密約は全くない。3党の人たちからそれぞれ歴史認識、コメ、拉致疑惑などいろいろな議論をされたので、ここの議論の中でコメの問題が出たことは充分にある。野中さんも拉致問題を中心になって話していた中で、そのような希望が相手側から出たと言うことだ」と弁明。

鳩山代表はこれに対し、「コメ支援の話が今回の日朝国交正常化交渉で国益を損じた。交渉の中で何ら見返りがとれなかった。ブレア首相への軽はずみな発言、親書を送ったという話など、あなたの稚拙な外交で国益を損なったことを改めて指摘する」
と述べて、討論を終えた。



「森首相の無責任ぶり明らか」
党首討論後に鳩山代表が会見

 民主党の鳩山代表は1日、党首討論を終えた後、国会内で記者会見し、「森首相の無責任ぶりが明らかになった。官邸疑惑が深まった。官房長官が辞任したのに原因となったテープも聴いていない、詳しく事情も調べていない。本当なら無責任きわまりない」と討論を振り返り、改めて首相の対応を批判した。また、森首相が討論の中で、「総理として警察に捜査指示はできない」などと反論したことについては、「警察の不祥事を官邸として調べることは十分可能な話。総理は何か誤解をされているのではないか」と首を傾げた。



少年法改正案が衆院で可決
党対応=問題点多いが「一歩前進」として賛成に

 自民・公明・保守の与党三党が提案していた少年法改正案が31日午後、衆院法務委員会で採決され、民主党などの賛成多数で可決した。法案はただちにこの後の衆院本会議に緊急上程されて可決され、参議院に送られた。

 与党案は、16才以上の一定の重罪事件について裁判官の裁量の範囲に制限を加えたり、裁判官の予断排除原則や適正証拠の原則に配慮しないまま、現行の審判制度において検察官の関与を認めるなど、運用によっては少年法の「保護主義」の理念を台無しにする重大な内容を含むものがある。

 そのため、民主党は、(1)16才未満の少年に刑事処分を課す場合については、重罪で少年の更生の可能性が著しく乏しい場合に限り、かつ付添人を付することを条件とする(2)16才以上の少年の重大事件における原則検察官逆送致については、その範囲を限定するとともに、裁判官の裁量を確保すること(3)少年が、非行事実を争うなどその認定に必要なときは、別の裁判官による、適正証拠の原則を採用した方式による手続を新たに設けて行うこと----などを内容とした修正案を提出し、与党側と協議を続けてきたが、不調に終わった。

 しかし、民主党ネクストキャビネットでは、世論の大勢が少年犯罪への厳しい対処を求めていることや、与党案には問題点が多いものの、一方で、被害者に対する配慮の制度や非行事実がないことが後に判明した少年に対する救済措置の新設など、早急に積極的に採用すべき点が盛り込まれていることを考慮し、「一歩前進」として最終的に与党案に賛成する方針を決めた。

 一方、法案について検討を続け修正案づくりを担った党法務部会では、「家裁の少年審判に検察官の立ち会いを認めると、少年審判の場が少年を矯正する場から少年を糾弾する場へと変質する」などの懸念から、与党案への反対論が強く、本会議の起立採決では着席・退席・欠席して反対の立場を示す民主党議員が10数人出た。

 このことについて、岡田克也政調会長は同日夕の記者会見で、「NCでの議論と法務部会での議論に温度差があった。お互いの意見のくい違いがないように、注意して運んでいかなければいけなかった」と意見の集約に不手際があったことを率直に認めた。



またも強行採決!
審議不十分の健康保険法、医療法改正案

 強引な国会運営が続くこの国会で、またしても与党の一方的な採決強行が健康保険法改正案と医療法改正案を一括審議していた1日の衆院厚生委員会で行われた。

 委員会では、野党の質問が終わった時点で、与党側が審議打ち切りを求める動議を提出。野党側は、「審議が不十分」として委員長席に詰め寄り抗議した。騒然として委員長の議事が全く聞き取れないまま、与党側は一方的に採決が終了したとして退席した。

 衆院厚生委の野党理事はこの後国会内で記者会見。民主党の金田誠一議員は「修正や譲歩ができるかと話し合ったが歩み寄りできる状況でなかったのが残念だ」と強調した。

 この改正案は、高齢者(70歳以上)の医療費負担を現行の定額制から定率制に変更することなどを柱とした内容。現行の通院一回530円、入院一日1200円の定額制を、一律1割負担の定率制に変えようというもの。その結果、高齢者の平均的なケースを見ると、通院の場合1537円から2340円に、入院の場合2万5200円から3万7200円に約1.5倍の負担増になる。

 民主党は、改正案は(1)「改革なき負担増」である(2)薬剤費別途負担の高齢者のみの廃止には合理的根拠がない(3)高額療養費の上限額のあり方に矛盾がある――などを理由に改正案に強く反対している。



人権教育・啓発基本法案を提出
不当な差別・人権侵害の解消が目的

 民主党は10月30日、国や自治体に人権政策の推進を義務づける「人権教育・啓発基本法案」を議員立法で衆院に提出した。

 この法案は、「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域に係る差別をはじめとする社会的身分、門地、人種、信条、性別又は障害による不当な差別その他の人権侵害を解消すること」を目的に、人権に関する教育及び啓発に関し、政府が基本理念や基本計画を定めることを求めている。さらに、内閣府に内閣総理大臣を議長とした人権教育・啓発推進会議を設けて、人権政策担当を一元化することや、人権教育の指導員を養成・派遣、研修などの施策を盛り込んでいる。


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