民主党FaxNews No.350 2000年11月17日(金) 戻るホームNews目次

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[CONTENTS]
(1)森内閣不信任決議案提出を決定
(2)元秘書逮捕で吉田議員が会見
(3)非加熱血液製剤から肝炎感染〜対策を厚生省に要請=今井NC大臣ら
(4)ずさんな輸入検査が明らかに〜遺伝子組み替えコーン輸入問題を追及
(5)<衆参本会議で財政演説へ代表質問>
  「循環分権国家」づくりへ取り組め=<衆院>筒井信隆議員が主張
  経済の活力を奪ったのは自民党政権=<参院>平田健二議員が厳しく批判
(6)思いやり予算の削減と地位協定の改定を〜参院本会議で齋藤勁議員が質問
(7)遺跡発掘ねつ造事件で質疑=大石尚子衆院議員が衆院文教委で
 <来週の国会予定>
 <週末のテレビ出演>


森内閣不信任決議案提出を決定
両院議員総会で対応を代表・幹事長に一任


 民主、自由、共産、社民の野党4党は17日午後、幹事長・書記局長会談を国会内で開き、内閣不信任決議案を20日の衆院予算委員会での補正予算案質疑終了後、採決前に提出する方針を決定した。

 民主党は同日正午から国会内で両院議員総会を開き、今後の対応を鳩山代表、菅幹事長に一任することを決めた。

 赤松広隆国対委員長は国会情勢が極めて緊迫しているため、両院議員総会後から衆参両院議員に20分以内に国会に集合できるよう待機する「禁足」を要請。

 羽田孜特別代表は「かつて不信任案に賛成して自民党を飛び出したことを思い起こしている。鳩山代表を中心に結束してこれに臨もう」と訴えた。久保亘参議院議員会長は、「この不信任案を可決するさせるかどうかは、21世紀のわが国の進路に関わる重大なこと。ぜひ可決してほしい」と激励した。

 菅直人幹事長は「まず森首相を辞めさせるために、野党が1人も欠けないで不信任案に賛成することを方針の第一とする」と報告。また、森首相が今夕APECから帰国した直後に辞任の動きが出た場合は、不信任案を直ちに出すこともありうるとし、提出時期については代表と幹事長に一任するよう求め、万雷の拍手で了承された。また菅幹事長は「過去には不信任案が可決すれば必ず解散総選挙が行われている。森首相が少なくとも自信を持った総理なら、当然解散に打って出て、国民に本当に信任されているか問うべきだ。民主党はそこで政権獲得を実現する」と強調した。

 最後に鳩山由紀夫代表が「いよいよ国会議員のいくさだ。いくさに臨むときの要諦は国民の声を背に受けてしっかりと闘うことだ。単に森首相を辞めさせるのではなく、自民党政権に終止符を打つための闘いを行っていくことを確認しよう」と檄を飛ばし、「不信任案が可決したら解散を求め、国民の皆さんの審判を求める。皆さんの覚悟を求めたい」「民主党は一致団結し、さらなる強い結束力を持ち、常に国民の声を大事にしながら歩んできたことに自信を持って、新たなステップに対応していこう」と力強く決意を表明した。

元秘書逮捕で吉田議員が会見
党は引き続き真相究明へ取り組む


 中小企業向け制度融資の悪用をめぐり、東京信用保証協会への口利きの見返りに法外な仲介手数料の一部を受け取っていたとして、東京地検特捜部は16日、出資法(仲介手数料の制限)違反の疑いで、民主党の吉田公一衆院議員の元秘書を逮捕した。

 これを受けて、吉田議員は同日午後、国会内で記者会見を開き、「いたってまじめで、生活ぶりも派手なところは全くなかった。何であの男が、と驚いている。前秘書とはいえ、監督不十分だったといわれても仕方がない」と陳謝した。この元秘書は「執筆活動に専念したい」として今年10月はじめに吉田議員の秘書を辞めている。その後、今回の事件で保守党の西川太一郎議員の私設秘書布川和彦容疑者が逮捕された際に、この元秘書から「実はこの事件と関わりがある。逮捕された経営コンサルタントとは面識はないが、布川氏を通じて手助けをしたことがある」と打ち明けられたことを吉田議員は明らかにした。

 吉田議員は、「今回の件については1件たりとも関知していない」と自らの関わりは明確に否定した。民主党はこの事件の解明のために衆院予算委員会での西川議員らの参考人招致を求めているが、吉田議員は「要求されれば堂々と出ていって証言したい」と述べた。

 民主党の赤松広隆国会対策委員長は、これに先立ち、同日午前の記者会見で逮捕の報道に触れ「たいへん残念だ。だからといって、疑惑の解明、真相究明の姿勢には変わりはない。いささかもひるむことなく、今後とも問題解明に全力を傾ける」と述べた。

 民主党では同日午後、倫理委員会を開いて吉田議員から事情を聞き、菅幹事長の下で今後の対応を検討することにしている。

 また、民主党は同日夕、仙谷由人企画委員長名で談話を発表し、「政治資金の問題、特に私設秘書を含めたあっせん利得罪の創設を積極的に推進してきたわが党としては、極めて遺憾な事態だ」として、国民の皆様にお詫びし、党として徹底的に真相究明に取り組むことを明らかにした。


非加熱血液製剤から肝炎感染対策を
厚生省に要請=今井NC大臣ら


 民主党の今井澄雇用・社会保障ネクスト大臣ら5名の国会議員が15日、厚生省を訪れ、新生児治療時に投与された輸入非加熱血液製剤によるB型、C型肝炎ウィルス感染者が静岡県の総合病院で9名見つかった問題について、厚生省に徹底的な調査、広報、感染者対策を行うよう要請した。同行したのは、金田誠一厚生部会長、家西 悟血液・薬害対策ワーキングチーム座長、牧義夫同事務局長、渡辺周・党静岡県連代表。

 要請の主な内容は、非加熱製剤投与の実態調査とB型・C型肝炎検査の呼びかけ。感染者への医療提供体制の整備と発症者への救済措置。肝炎検査から生じる差別や偏見の防止対策など。

 要請後の記者会見で、今井ネクスト大臣は「4年前にHIVの検査をした時に、B型・C型肝炎ウィルスの検査をしなかった。厚生省は医学的に不確定なものを切って捨ててきた」と批判。「問題点をすべて洗い出して緊急性を要するものから対策を実施し、なぜあの時やらなかったのかということが2度とないようにしていただきたい、と要請した」と語った。

 この問題に関しては、17日の衆議院厚生委員会で、家西悟衆議院議員が質問した。

ずさんな輸入検査が明らかに
遺伝子組み替えコーン輸入問題を追及


 アメリカで回収、作付けが禁止された遺伝子組み換えコーン「スターリンク」(日本では未承認)が日本の市販食品から検出された問題について、15日午前、国会内で超党派の議員が集まり「スターリンク問題を考える議員と市民の会」が開催された。民主党からは石毛えい子、金田誠一、佐藤謙一郎、永田寿康各衆議院議員、岡崎トミ子参院議員らが呼びかけ人に名を連ねた。

 スターリンクは、欧州のバイオ技術の大手企業・アベンティス社が開発した殺虫性トウモロコシ。その遺伝子がつくり出す殺虫たんぱくは、耐熱性・酸・酵素にも強く、消化器系での分解能力が低く、アレルギーを引き起こす可能性が高いとされている。そのため、アメリカ環境保護局(EPA)では食品として認めておらず、日本では食品はもちろん、飼料としても認めていない。

 ところが、そのスターリンクが、今年9月にアメリカの消費者団体と環境保護団体が行った検査によって、ファストフード店のタコスの皮から検出された。さらに他社のものからも見つかり、事態を重く見たEPAは、スターリンクの栽培許可の自主的取下げをアベンティス社に求め、10月からは栽培ができなくなった。

 一方、日本でも、市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(以下キャンペーン)が今年4月に独自に行った飼料検査で、すでにスターリンクなど2種類の未承認作物混入が確認されていた。しかし、農水省は検出の事実を告げても全く対応せず、試料提供を申し出ても検査を行おうとすらしなかった。

 この日の会合では、キャンペーンの代表である天笠啓祐さんからの状況報告を受け、厚生省、農水省それぞれの担当官との質疑応答が行われた。

 参加した市民団体のメンバーは「アメリカが提示するサンプルでなく輸入されたトウモロコシを水際でチェックする日本独自の検査システムを確立すべき」と迫ったが、農水省の担当官は「きちんとした検査方法がまだ確立していない」と逃げのコメントを繰り返すだけだった。「検査がきちんとできる職員は東京の検査場で一人だけ」といったコメントも飛び出し、遺伝子組み換え作物について十分な検査を行わないまま、輸入許可に踏み切った現実が浮き彫りになった。会場には「アメリカの食糧植民地ではないか!」といった厳しい声も飛び交った。

<衆参本会議で財政演説への代表質問行う>
「循環分権国家」づくりへ取り組め
<衆院>筒井信隆議員が主張


 衆議院本会議で14日、大蔵大臣の財政演説に対する各会派の代表質問が行われ、民主党・無所属クラブから筒井信隆衆院議員が登壇した。

 本題に入る前に筒井議員は、「内閣支持率が低下し、政権末期の様相を示している。不信任案が提出される前にみずから総辞職する意志はないか」と森首相に単刀直入に退陣を要求。森首相は「国民が求めている政策を着実に遂行することが私の責務。もとより内閣総辞職を行う意思はない」と突っぱねた。

 また、森内閣の不支持を表明している自民党の加藤紘一議員の行動について、筒井議員が同じ派閥の宮沢蔵相に尋ねたのに対し、蔵相は「消費、雇用が微妙な状況にあり、政治の空白を生むことは国民生活や経済活動に与える影響が大きいので、憂慮している、と申し上げた」と答えた。

 本論に入り、筒井議員は、「日本は歴史的大転換期に入っている。小規模分権、小規模分散の地上資源循環型社会に転換し、循環分権国家に変えなければならない」と前置き。政府のIT政策についてその具体像を質しながら、「政府が主導する国民運動のような普及は向いていない。大学等の研究機能強化、先端技術開発と民間への技術移転推進、プライバシー保護や知的所有権の確保、障害となる規制や独占の撤廃が政府の役割であって、あとは民間に任せるべき」と主張した。

 また、筒井議員は、バイオテクノロジーによって生命の可能性とバイオマス、生物資源の活用を飛躍的に高める「バイオ革命」が、IT革命とともに日本経済の新たな成長への「車の両輪」になると提言。

 さらに、「政治・経済・社会の小規模分散化」、「リサイクル化」が循環分権社会の4本柱となることを強調して、質問を終えた。

経済の活力を奪ったのは自民党政権
<参院>平田健二議員が厳しく批判


 衆院に引き続き参議院本会議でも14日、蔵相の財政演説に対する代表質問が行われ、民主党・新緑風会の平田健二議員が質疑に立った。

 冒頭、平田議員は「どの世論調査でも、内閣支持率は20%を切り、国民は森内閣に対しすでに不信任を突きつけている」と斬りつけ、中川前官房長官の官邸疑惑、首相の拉致疑惑にかかわる「第三国発見方式」発言とその後の官邸の対応、KSD疑惑などに厳しく迫ったが、森首相はこれまでと同様の答弁を繰り返すだけだった。

 平田議員は、政府が10月に決定した経済対策について「135兆円という途方もない額の国民の貴重な税金を投入しながら、経済の活力を奪ってきたのが、自民党政権だ」と批判。政府が提唱している「E-ジャパン構想」に対しても、「肝心な中身がさっぱりわからない」として、「IT革命の飛躍的推進とは具体的に何を指すのか、明確な国家戦略の中身は何か、具体的でないと経済対策の意味をなさない」と追及した。

 さらに政府の「IT普及国民運動」についても、「各省が似たような事業をバラバラに打ち上げ、受講予定人数ばかりが水膨れしている。実際の対象者が大幅に減少した一昨年の地域振興券の二の舞いにならないか」と、総理に問いただした。

 また平田議員は「これ以上安易に旧来型公共事業などの追加的な財政出動に頼って景気対策を行うことは、わが国の経済構造改革を遅らせ、長期金利上昇など、かえって悪い結果を招きかねない」と主張。さらに、政府が補正予算に関連して政府が提出した「平成11年度剰余金処理に関する特例法案」について、「前年度剰余金の最低2分の1を国債の償還に充てなければならないという財政法の原則をねじ曲げるもの」として、モラルハザードを起こしている政府の姿勢を厳しく批判した。

思いやり予算の削減と地位協定の改定を
参議院本会議で齋藤勁議員が質問

 9月に河野外務大臣が署名した日米特別協定について、民主党・新緑風会の齋藤勁参議院議員が10日の参議院本会議で代表質問に立ち、「思いやり予算」の思い切った見直しと、日米地位協定の改定を主張し、質問した。

 冒頭、齋藤議員は、内閣支持率が10%台におちこんだのに、森首相とその周辺が政権維持のみを目的に「民の声」が聞こえていない「裸の王様」になっていると指摘。また河野外相に対して、アーミテージ氏らアメリカの対日研究家グループの在日米軍についての提言への感想を求めたが、外相は答えなかった。河野外相は北朝鮮へのコメ50万トン支援決定の根拠や、最近の日朝交渉の内容についても具体的回答を避けた。

 続けて齋藤議員は、日米地位協定24条で米軍維持のための経費はそもそも米側負担が原則となっていることを指摘し、「78年の思いやり予算スタート以後、今日2750億円にふくれあがった。今回の交渉で33億円減ったと言うが、在日米軍駐留費総額の0,5パーセントにすぎず、これでは不十分」と批判したが、河野外相は「米側に節約努力を明記させた」と答弁。また、齋藤議員が民主党の地位協定改定案を紹介し、施設・区域使用への日本法令の適用や環境保全、返還時の原状回復義務などをあげ、「なぜ地位協定改定に政府は後ろ向きなのか」と迫ったが、河野外相は「必要な運用の改善をする」と答えるだけだった。

 齋藤議員はまた、今年になって米軍厚木基地周辺での夜間離着陸訓練が異常に増え、住民の騒音被害が深刻化していることを上げ、他にもデモフライト問題などがあり、周辺自治体からの要望を尊重せよと主張。河野外相も「努力していく」と応じた。また、米海軍横須賀基地の従業員がじん肺被害にあい地位協定にもとづく損害賠償請求をしていることについて、早期補償を求めたのに対し、虎島防衛庁長官は「米側と協議していく」と答弁した。(記事提供・齋藤事務所)

遺跡発掘ねつ造事件で質疑
大石尚子衆院議員が衆院文教委で

 民主党の大石尚子衆院議員は10日の衆院文教委員会で、東北旧石器文化研究所の藤村前副理事長による遺跡発掘ねつ造事件について取り上げた。大石議員が文化庁に対し、問題の背景をどう分析しているのか尋ねたのに対し、文化庁の伊勢呂次長は「さまざまな事情があると考えられるが、現在調査中」と答えるにとどまった。

 大石議員はまた、文化財保護法で「発掘」は届け出だけで報告の義務がないことを指摘したのに対し、大島文相は「学術の問題だけだと言って過ごすわけにはいかないが、文化財保存行政として冷静な分析、判断をして、何らかのことを考えていかなければならない」と答弁した。

 さらに大石議員は、藤村前副理事長が81年に発掘し、文化庁が遺跡指定をしている宮城県の座散乱木遺跡について、「都道府県に任せるのではなく、文化庁や文部省の仕事として再検証する必要があるのでは」と主張。しかし文化庁は「今のところ学術上の評価は定まっていると考えている」と否定的に答弁した。

<来週の国会予定>
20日(月)衆院予算委員会で補正予算質疑。
民主党からは仙谷由人(13:00〜14:00)、日野市朗(14:00〜15:10)、原口一博(15:10〜16:10)の3議員が質問。( )内は質問予定時間。NHKテレビで生中継。

<テレビ出演>
●鳩山由紀夫代表19日(日)午前9時〜NHK「日曜討論」、午前10時テレビ朝日系「サンデー・プロジェクト」に出演。

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