民主党FaxNews No.360 2001年1月31日(水) |
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[CONTENTS]
(1)第151通常国会開会〜「我々が日本の未来の受け皿になろう」鳩山代表
(2)4野党が通常国会に臨む基本方針を確認
(3)常任・特別委員長を選任
(4)「反省なき空虚な作文」鳩山代表が森総理の施政方針演説を批判
(5)真相徹底糾明へ一致協力〜野党共同KSD等疑惑追及集会開く
(6)党調査団:有明海ノリ養殖現場を視察〜漁民から切実な訴えきく
(7)世界のリーダーと交流〜鳩山代表がダボス会議から帰国 |
第151通常国会開幕
「我々が日本の未来の受け皿になろう」鳩山代表
第151回通常国会が31日、開会した。会期は150日間。31日は、衆参両院の本会議で、それぞれ議席指定、常任委員長選挙、特別委員会の設置などを行った後、森首相の施政方針演説、河野外相の外交演説、宮沢財務大臣の財政演説、麻生経済財政相の経済演説が行われた。
開会を翌日に控えた30日、民主党は両院議員総会を開き、今夏の参議院選挙に向けてKSD事件、外交機密費流用疑惑など政府与党の不祥事の追及と、政権交代可能な能力をアピールする政策論争への決意を新たにした。
会の冒頭、鳩山由紀夫代表が挨拶にたち、開口一番「日本の未来の大きな受け皿に私たちがなろうじゃないか」と強調。そして、スイスのダボス会議への出席を報告する中で、「日本の政治は口先ばかりで現実感を伴わないと思われている。森首相の演説は日本への不信感を払拭するばかりか、かえって助長する結果になった」として、「これは日本の政治全体への不信感だ。これからの通常国会で国民から世界に通ずる民主党の姿を喧伝していただけるよう努めなければならない」と決意を示した。
また、野党4党が結束してKSD事件、外交機密費流用疑惑の追及を行うと同時に、「民主党ならどういう日本を、世界を、未来に示すのか、その答えをこの半年の間に用意しなければならない」として、「民主党の姿に期待感をもっていただけるよう、積極的に誠心誠意努力しようじゃないか」と呼びかけた。
続いて、久保亘参議院議員会長が「森首相のダボスでの演説を聴いて私は大変驚いた。この人は今の日本の危機をどう感じているのか、日本経済の現状をどう認識しているのか。日本の危機を克服するためにこの通常国会の持つ意味は非常に大きい。そして、この夏の参議院選挙を勝利して、次の総選挙に向けて政権交代への道を大きく開くように努力しなければならない。これまで主権者に対して政権交代の選択肢を明確に政策を伴って示し得なかった野党の責任を重く感じながら、この国会を通じて克服していきたい」とあいさつした。
次に、菅幹事長は、「この国会は参議院選挙そのものだ。前哨戦ではなく、この国会での勝負がそのまま参院選挙につながっていく。そしてその後に来る政権交代への闘いにつながっていく」との認識を持つよう求めた。
その上で、この国会での目標として、(1)民主党が政権を担うに足りる、信頼される政党である姿を、国会内外のあらゆる活動を通じて国民の皆さんに伝える(2)自民党を中心にした与党のKSD事件、外務省機密費、有明海の問題など、今の与党の政治を白日の下にさらけ出して、その問題を徹底的に国民の前に示す――の2つを示し、「これらを完璧に推し進めることが、この国会を次の選挙の勝利に結びつける」と強調した。最後に菅幹事長は「ねばり強く、衆参が一体となり、野党4党の連携をしっかりと強めながら闘いたい」と締めくくった。
4野党が通常国会に臨む基本方針を確認
民主、自由、共産、社民の野党4党は30日夕、国会内で国会対策委員長会談を開き、通常国会に臨む基本姿勢として次の4項目を確認した。
1.4党は第151国会にあたり、本会議、予算委員会をはじめとする各委員会、党首討論など審議の充実を図り、衆参ともに立法府としての機能を十二分に果たすことをめざして一致結束して臨む。
1.4党は、KSD疑惑、内閣官房・外務省機密費疑惑など、関係者の衆参における証人喚問等を行い、政官癒着・腐敗政治の徹底的解明を図る。
1.4党は、森・自公保政権と対決し、国民の期待に応える予算組み替え要求の実現をめざす。
1.4党は、政官業の癒着選挙を厳しく監視し、国民にその実態を暴露し、政界と官界・業界の健全性回復と官・業の選挙不介入をめざす。
1.
4党は、KSD疑惑、機密費疑惑解明に対する国民の期待に応えるための衆参の労働委員会、衆議院外務委員会の閉会中審査の開催に努力したが、与党が応じず、「疑惑かくし」に終始していることについて厳重に抗議する。
常任・特別委員長を選任
国会開会日の31日、衆参の各本会議で常任委員長の選任が行われた。また本会議後の特別委員会で、特別委員長が互選された。民主党会派からの委員長は次のとおり。
●衆議院
内閣委員長:横路孝弘
安全保障委員長:川端達夫
外務委員長:土肥隆一
農林水産委員長:堀込征雄
環境委員長:五島正規
国会等の移転に関する特別委員会:永井英慈
●参議院
内閣委員長:江本孟紀
財政金融委員長:伊藤基隆
国土交通委員長:今泉 昭
国家基本政策委員長:本岡昭次
国会等の移転に関する特別委員会:角田義一
国民生活調査会:久保 亘
「反省なき空虚な作文」
鳩山代表が森総理の施政方針演説を批判
通常国会が開幕した31日、民主党の鳩山由紀夫代表が会見し、同日行われた森喜朗首相の施政方針演説について「過去の反省を欠いた空虚な言葉の羅列だ」と強く批判した。
会見の冒頭、鳩山代表は、「総理は演説の中で、いみじくも“すべての源は『人』だ”と述べたが、その総理自身が『人』として問われていることに気付いていないところに問題がある」と指摘。そして、「言葉だけが一人で走っており、とても空虚な気持ちになった」と全体の感想を語った。
その理由について鳩山代表は、日本の新生を唱えながらも過去に対する厳しい反省や責任意識がまったくないことを挙げ、経済政策についても、景気に軸足をおいてを進めるとしているだけで、現状についての厳しい認識や、財政構造改革をいかに実現するかについては一切示していないことを指摘した。
また、総理がKSD問題の真相究明に触れなかったことについても批判。機密費流用問題も含め、このような浅い反省では国民は決して許さない、と力を込めて語った。
最後に代表は、「演説の結びで“もう、先送りは許されない”と述べていたが、実際にはすべての問題を先送りする内容で、新しい日本のイメージも何も伝わらない」と述べ、自らは代表質問において、競争と協力の両立による21世紀の日本の姿を訴えていきたいと抱負を語った。
真相徹底糾明へ一致協力
野党共同KSD等疑惑追及集会開く
第151通常国会の開会を翌日に控えた30日、「野党共同KSD等疑惑追及集会」が、野党4党共同KSD等疑惑追及プロジェクトチーム(PT)の主催で、国会内で開催された。集会には、各党の国会議員などおよそ400名が詰めかけ、会場は真相究明を闘いとる決意と熱気に包まれた。
集会は、民主党の手塚仁雄衆院議員の司会で始まった。まず、PT座長を務める民主党の鍵田節哉衆院議員から、取り組みの経過報告が行われた。
PTでは、今月17日の第1回会合で、「政府・与党による問題の幕引きを許さず、あくまで政官業癒着の全貌を明らかにする」という基本方向を確認。19日には、関係5省庁を呼んで公開ヒアリングを開いたが、省庁側は最後まで頑なに出席を拒否した。PTは、事実解明に背を向ける政府・与党に姿勢を強く批判しながら、23日にはKSDと「中小企業国際人材育成事業団」(アイム・ジャパン)の視察、29日には4野党揃っての新宿における街頭宣伝を行い、この問題に対する世論を喚起してきた。
続いて、ゲストとして招かれたジャーナリストの須田慎一郎氏が発言。須田氏は、国民の多くが、KSDをめぐる問題点はどこか、今後どう解明していくのかという点を知りたがっているとし、「古関前理事長のタニマチ的体質からして、ものつくり大学やKSDに関連した活動を行った政治家は、必ず何かもらっている。その観点から徹底解明してほしい」と呼びかけた。
各党からの挨拶のトップで登壇した民主党の鳩山由紀夫代表は、前日帰国したばかりのダボス会議でもKSD問題は知れ渡っており、日本の政治がこうしたスキャンダルによって語られることに恥ずかしい思いをしたと紹介。「日本の未来を救うために、この政府全体がからんだ巨大な疑惑を、結束して徹底糾明しよう」と訴えた。
このほか、共産党の志位和夫委員長、社民党の土井たか子党首、自由党の藤井裕久幹事長が挨拶。最後に、「国民に対する国会の責務として真相の徹底究明をめざしていこう」とする4党共同決議を採択し、団結ガンバロウを三唱して集会を締めくくった。
党調査団:有明海ノリ養殖現場を視察
漁民から切実な訴えきく
民主党の「有明海漁業被害対策・諫早湾干拓事業見直し本部」(本部長=菅直人幹事長)の視察団は27日、佐賀県に入り有明海のノリ養殖現場を視察した。
参加したのは菅幹事長、佐藤謙一郎環境・農林水産ネクスト大臣、井上和雄、川内博史、古賀一成、楢崎欣弥、中津川博郷、原口一博、松野頼久、山田敏雅、山村
健各衆院議員と小宮山洋子参院議員。
一行はまず佐賀空港で、「原因究明と水資源回復のための対策実施を」との井本勇佐賀県知事の要請を受けたのち、佐賀県・戸ケ里港から漁船に乗り込み、被害を受けたノリの養殖漁場を訪れた。菅幹事長は船から身を乗り出して黄色く変色したノリを口に含み、被害の大きさを実感。「一刻も早く諫早湾の潮受堤防水門をあけて調査をすべきだ。この問題は次の国会で最大のテーマのひとつにする」と語った。
議員団はこの後、ノリの乾燥工場を視察。次々と乾燥され製品化されるノリについても、売れるかどうかのぎりぎりの質で、売れなかった場合には焼却処分するしかないとの話を聞き、今回の被害の大きさを実感した。
続いて、川副町中央公民館で、有明海を考える対話集会が開催された。「民主党主催の対話集会に出席するな」との圧力の中で、100名を超える漁民の方々が集まり、公共事業で死の海と化しつつある有明海の惨状を訴えた。特に諫早湾が締め切られて以降が最悪で、即座に締め切り堤防を解放して欲しいとの意見が多かった。
佐藤環境・農水ネクスト大臣からは、「農水省が調査しても影響がないとの結論になりかねず、第三者機関にきちんと調査すべき」と述べ、原口一博事務局長からは、諫早湾干拓事業の平成13年度予算である100億円を、有明海の自然環境を復元するために使うよう民主党として政府に要求することが報告された。
世界のリーダーと交流
鳩山代表がダボス会議から帰国
スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム第31回年次総会に出席して帰国した鳩山由紀夫代表が29日、党本部で報告会見を行った。
鳩山代表は冒頭、今回のダボス会議への出席の目的が、(1)日本から世界へ新しいメッセージを発すること、(2)世界のリーダーたちと信頼関係を築くこと、の2つだったことを紹介し、「大きな成果が得られ、行ってよかった」と全体の感想を述べた。
目的の(1)をめぐっては、堺屋太一元経済企画庁長官、小林陽太郎富士ゼロックス会長らとともに「日本の未来へのシナリオ」と題したパネル討論に参加したことを報告。英語で行ったスピーチの中で、「財政赤字や金融不安といったマクロ経済の問題を伏せて、ただ“日本経済は大丈夫”と触れ回る森首相の主張は現実から乖離している。こうした政府では、経済構造改革などなしえない。日本経済の不安定さは、実は政治の問題なのだ」と喝破し、「鳩山の言うことはよくわかった」と好評だったことを紹介した。
また、目的の(2)をめぐっては、2日間の滞在中に100人もの世界の要人と話をし、国境を越えた人間的なネットワークづくりに大きく役立った、と述べた。
中でも、昨年71年にわたる長期政権を倒したメキシコのフォックス大統領とは、政権交代戦略で意気投合。国を変えるためには「愛(Love)、情熱(Passion)、責任(
Committment)」の3つが重要だという大統領の主張に、友愛の政治理念の立場から強く共感したことを紹介した。
さらに、リークアンユー・シンガポール上級相とは、アジアの安定のために日米中関係の弱い環である日中関係を強化すべきことで一致。また、タカエフ・カザフスタン首相とは油田開発と両国関係の進展について、ダウナー・オーストラリア外相とは日本の構造改革や自由貿易協定について、それぞれ意見交換するなど、各国リーダーと精力的に議論を交わしたことを紹介した。
そして、やはり同会議に出席した森喜朗首相が、官僚の用意した作文を棒読みしただけで、わずか6時間でダボスを離れたことに対して、「日本外交にとっての大きなチャンスを逃した」と苦言を呈した。
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