民主党FaxNews No.370 2001年2月27日(火) 戻る2月目次

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[CONTENTS]
(1)<KSD疑惑> 額賀議員、政倫審で弁明
   〜一層深まった疑惑 「説得力なし、喚問を」
(2)えひめ丸衝突・沈没事故訪米調査団が帰国=真相解明に大きな成果あげる
(3)民主党がNPO税制法案提出〜共産・社民と共同で

<先週の衆院予算委の質疑から>
(4)財源なき児童手当拡充はもってのほか=金子善次郎議員が追及 2/22
(5)外交機密費の官邸への上納示す文書作成したのは?=木下厚議員 2/22
(6)ODAのずさんな実態を追及=山田敏雅議員 2/23
(7)危機管理の最高責任者の心理知りたい=岩國哲人議員 2/23
(8)「まったく会話が成立しない!」外務省答弁に怒って退席=中田宏議員 2/23

(9)<参院選>兵庫県選挙区で辻泰弘さんを公認


<KSD疑惑> 額賀議員、政倫審で弁明
一層深まった疑惑 「説得力なし、喚問を」 佐々木、荒井両議員が質疑

 衆議院政治倫理審査会(奥野誠亮会長)は26午後、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)からの資金提供問題に関し、自民党の額賀福志郎前経済財政担当相の審査を約2時間にわたって行った。審査会は衆院議員25人の傍聴を認めただけで、非公開で開催された。

 審査会では、まず額賀議員が「あたかも贈収賄事件の疑惑の対象のようにマスコミや世間の非難の的にさらされ、国会でも追及を受けたが。これらは全く事実無根で誤解に基づくもの」との弁明書を読み上げ、疑惑を全面否定した。
 続いて、与野党から7人の議員が額賀議員に対して質疑。民主党からは佐々木秀典、荒井聰両議員が質問した。質疑応答の主な内容は次の通り。(敬称略)

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「役に立ててくれ」の趣旨が不明とは?
●佐々木秀典議員
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佐々木「“役に立ててくれ”とか“協力したい”と言われて預かった金だと記者会見で言っているが、常識で考えればこれは“献金したい”ととるのが普通だ」

額賀「秘書は一応預かり、大金なので代議士の判断を仰いでから処理しようと考えていたということだ。その後報告を受け、趣旨のわからない金なので、即座に返却の指示をした」

佐々木「官房副長官だからといっても、会館に行かなくても電話くらいできたはず。(半年もの間)会っていないということはないだろう」

額賀「代議士の判断を仰いでから処理すべきと考えたが、1日延び、2日延び、こういうことになった。いずれにしても国民が納得できる説明になっているとは思わない」

佐々木「500万円、1000万円はどうやって受け取ったのか」

額賀「500万円は平成11年11月、(KSDの)古関理事長から直接(KSD)本部で受け取った。1000万円は、小林(照夫)秘書が本部に呼ばれたが、古関氏は来客中であり、代わりに総務部長から“古関から”と言われ受け取った。その際、“まもなく古関が帰宅するので、ロビーで会釈でもして挨拶してから帰ってくれ”と言われ、そうしたということだ」

佐々木「返却したときになぜ領収書をもらわなかったのか」

額賀「今考えればそれが適切。(返却に行った)小林秘書から古関氏に電話を替わってもらって、それで安心してしまった。正直そこまで頭が回らなかった」

佐々木「平成12年4月に1000万円を預かったのは、(現)橋本派のパーティーの前か後か。金がパーティー券の代金に流用された事実は?」

額賀「平成12年4月上旬に預かり、その後返却した。流用はしていない」

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「虚偽が発覚したら議員を辞めるのか」
●荒井聰議員
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荒井「進んで証人喚問を申し出るべきでは」

額賀「あくまで国会の審議に従う」

荒井「政治倫理審査会は虚偽の答弁をしてもとがめられない。虚偽が発覚したら、議員の職を辞する気持ちはないか」

額賀「自分で関知していることについて率直な思いを述べている」

荒井「弁明では古関氏と親しくないとしているが、なぜそんな人が1500万円も“お役に立ててください”と持ってくるのか」

額賀「趣旨、目的については承知していない。だからこそ返却させた」

荒井「古関氏はむだなお金は使わない人。93年にはKSDの不明金で、1500万円が政界に流れ、翌年彼は藍綬褒章を受けている。96年には、4500万とも5000万円とも言われる不明金が政治献金に回され、参議院での中小企業特別委員会の設置時期にも重なる。99年から2000年の疑惑ではものつくり大学の議論が与野党でされるようになった。すると1500万円の趣旨は明らかでは」

額賀「ものつくり大学については議連に入っていないし、経緯についても関与・働きかけはしていない。官房副長官の時期であり、平成11年の暮れは予算を作っており、整備新幹線、児童手当、歯科医師会の診療報酬等が主要テーマだった。ものつくり大学については全く認識がない」

荒井「平成10、11年にKSDは労働省から会計処理について指摘をうけ、健全化を指導されている。1500万円を返した月に、労働省はKSDに立ち入り検査を行っているが、官房副長官なら知りうる立場にいたはずだが」

額賀「知らない。平成10年当時は防衛庁長官で、テポドンが政治的関心事だった」

荒井「平成12年5月、週刊朝日がKSDの特集を組んでいる。官房副長官であれば、まったく関心がないはずはない」

額賀「当時は4月小渕前首相は倒れ、森政権発足、竹下氏の引退など激動の時期だったので、関心を持っていなかった」

荒井「職責からすれば不自然だ」

 審査会終了後、傍聴していた菅直人幹事長が佐々木、荒井両議員とともに記者会見を開き、「額賀氏の弁明は全く説得力がないというのが全体の感想だ。労働省の立ち入り検査や週刊朝日の報道があって、1500万円を急遽返却させたと言うのがわかりやすい筋道だ。受け渡しに関わった秘書の話を聞く必要もあるし、本人の責任もあいまいだ。やはり証人喚問が必要だ」と感想を述べた。

民主、自由、共産、社民の野党4党は同日夕、国会対策委員長会談を開き、衆院予算委員会での証人喚問要求に、額賀議員の私設秘書で、KSDからの金銭を授受したとされる小林照夫氏を加えることを決めた。



えひめ丸衝突・沈没事故訪米調査団が帰国
真相解明に大きな成果あげる

 水産実習船「えひめ丸」と米原潜「グリーンビル」の衝突・沈没事故の調査のために2月16日からアメリカを訪れていた民主党の「宇和島水産高校実習船衝突沈没事故対策本部」訪米調査団が23日、8日間の日程を終え帰国した。メンバーは、伊藤英成団長(外交安保ネクスト大臣)、首藤信彦衆議院議員、浅尾慶一郎参議院議員と政調スタッフ。

 調査団はハワイでは、16日に、ハマーシュミット米国国家運輸安全委員会(NTSB)委員、ケース米太平洋軍司令部副司令官、フィッシャー米太平洋艦隊副司令官、マクレラン米沿岸警備隊司令官等と会談。ワシントンでは、20日にパターソン国家安全保障会議(NSC)大統領特別補佐官、ハバード国務次官補代行、スミス国防次官補代行らと会談した。また、ホノルルでは被害者のご家族にお会いするとともに、ご家族の支援活動として募金を行なっている銀行家や地元テレビ局を表敬し、感謝の意を伝えた。

 アメリカの政府・軍関係者との会談はいずれも長時間にわたり、調査団側から事故原因や情報の有無についてさまざまな可能性を示しながらディスカッションを行った結果、米側から次のような新たな事実や見解を引き出すことができた。

(1) 今回の原子力潜水艦の運行は、訓練ではなく民間人へのデモンストレーションを目的としていたこと。
(2) 原潜はソナー等で「えひめ丸」の存在を探知していた可能性が高く、その記録がコンピューターに残っている可能性があること。
(3) 米側は捜索を徹底的に続けること。
(4) 引き揚げについての問題は費用でなく、技術上の可能性と数ヶ月かかる時間であること。
(5) 真相究明には公開で査問会議(Court of Inquiry)を行なうことなど。
 これらの事実は、連日の記者会見で、いち早く報道され、日本国内に知らせることができた。

 さらに、調査団はアメリカ側に対し、さらに徹底した行方不明者の捜索と「えひめ丸」の引き揚げを行なうこと、事故原因及び責任所在の徹底的究明、その結果及び事故に関する情報の迅速な提供と公開、当事者である艦長による家族への直接の謝罪などを求めるとともに、被害者に対する十分な支援と補償を行うことや、補償を十分行った上で、事故の教訓を生かし再発を防止するため祈念碑などの検討を要請。これらの申し入れに対して、米側は誠意をもって対応すると回答した。

 また、調査団は今回の事故への今後の対応次第では日米関係に悪影響を及ぼしかねないという強い懸念を米側に伝えた。そして、原潜事故問題の真相と責任を明らかにするため、日本への特使の派遣を強く迫った。(これに対し、アメリカから27日に特使が派遣された)

 調査団は帰国後、国会内で記者会見し、伊藤英成団長は「政府も与党も国内政局にかまけている間に、日本の政治の空白を民主党がカバーした。一定の役割が果たせたと思う」と自己評価。首藤議員は「NTSBはパニックに陥っており、調査の方向が決まっていなかった。当初から、“緊急浮上”は絶対におかしいと思っていたが、問題点をわれわれが指摘したことで捜査の進展に寄与できた」と述べ、浅尾議員は「被害者の家族には同時進行で何が起きているかわかることが大事。査問会議を傍聴する家族に同時通訳をつけるよう要望し、実現の方向になっている」と報告した。



民主党がNPO税制法案提出
共産・社民と共同で優遇税制の要件を緩和

 民主党は26日、共産党、社民党と共同で、政府案よりも認定用件を緩和し、優遇税制を受けられる民間非営利団体(NPO)法人の拡大を目指す法人税法と地方税法の改正案を衆院に提出した。

 法案は優遇税制を受けられるNPO法人の認定要件について、総収入に占める寄付金総額・助成金の割合を「初回は5分の1以上」とし、「3分の1以上」とする政府案を緩和。また政府案にある「複数の市町村の者から寄付を受けている」「政治・宗教活動を一切行わない」との条件を撤廃した。

 NPOに寄付する側の優遇措置としては、個人の場合は所得税控除と税額控除の選択制とし、1万円未満も対象にした。また、無償ボランティアへの参加や、自宅への無償ホームステイの受け入れ費用の一定額を寄付金控除の対象とした。

 また政府案が国税庁を認定機関としているのに対し、「第三者機関で認定する」としている。

 民主党の江田五月NPO委員長は記者会見で「政府案では3500あるNPO法人のうち優遇税制を受けられるのは1%と言われている。認定基準が政省令に定められ、法律を見ても何もわからないようになっている。しかし、私たちの対案では法律の中にできるだけ書き込み、7、8割のNPOが活用できる制度設計にしている」と強調した。


<先週の衆院予算委の質疑から>

財源なき児童手当拡充はもってのほか
■金子善次郎議員が追及 2/22

 衆議院予算委員会の一般質疑で22日、民主党・無所属クラブから金子善次郎議員が質問に立った。

 金子議員は、まず、平成13年度政府予算案における児童手当の拡充をめぐる問題を取り上げ、「6月実施と言いながら、財源手当が示されていないのでは話にならない。こういうやり方は、予算編成の常道にもとる」と追及した。山名総務大臣政務官および坂口厚生労働相は、措置費や補助金を含めた地方歳出の見直しでまかなう考えを示したが、金子議員は、「それなら、なぜ提案時に盛り込まなかったのか。予算を組み替えるか、(児童手当の部分を)削除するかだ」とし、野党4党共同の予算組み替え要求の受け入れを迫った。

 また、金子議員は、外国人犯罪の増加に対する対策について質問。現在、外国からの不法滞在者が約28万人に上っている現状を踏まえ、密入国などをくい止める“水際作戦”や地域住民との協力による犯罪防止活動の重要性などを指摘した。外務省担当者は、査証発給業務のオンライン化による悪質申請の摘発強化を、来年度にかけて実施すると述べたが、金子議員は、「2年後では遅い」と苦言を呈した。

 さらに、「えひめ丸」衝突事故をめぐっては、米原潜「グリーンビル」が救命ボートを装備していたにもかかわらず、「えひめ丸」の乗員の救出に向かわなかったことについて、米国政府に強く抗議するよう外務省に要求した。


外交機密費の官邸への上納示す文書作成したのは古川官房副長官?
■木下厚議員 2/22

 衆議院予算委員会の一般質疑で22日、民主党・無所属クラブから木下厚議員が質問に立ち、外交機密費問題を中心に質した。

 木下議員はまず、「国民の怒りは、不景気のなか必死に払った血税が私的に流用され、競走馬・マンション・ゴルフ会員権購入費などに使われている点にある」と国民の思いを代弁。そして、「それに輪をかけて問題なのは政府答弁の不明確さにある」
とし、真実を隠そうとする政府の姿勢を批判した。

 まず、外交機密費から内閣官房機密費に上納されている証明として内閣の専用便箋に書かれた文書が見つかっている点に言及。テレビ朝日が筆跡鑑定を行った結果、82〜95%の確率で当時の内閣官房主席参事官だった古川貞二郎現官房副長官の筆跡であることが明らかになったとして、福田官房長官に質した。

 官房長官は「本人に確認したが、自分の筆跡ではないと断言していた」と回答。なぜテレビに対して反論しないで逃げているのかと木下議員が重ねて質したのに対しては「出所も明らかでない文書である上、そう決めつけるのは失礼ではないか」と開き直った。政府参考人として呼ぶべきではないか、疑惑を持たれたからには政府としても筆跡鑑定を行うべきといった指摘にも、前向きの答弁は一切聞かれなかった。

 「本人が自分が書いたものでないと断言しているのだから信じたい」とする福田官房長官に議論は平行線のまま。木下議員は自らが鑑定を進めていく構えがあるとして、古川官房副長官を政府参考人として委員会に招くことを求めた。


ODAのずさんな実態を追及
■山田敏雅議員 2/23

 衆議院予算委員会で23日、民主党・無所属クラブの山田敏雅議員がODA予算をテーマに政府を追及した。

 山田議員は、ODA供与の実態について言及。1994年から97年にかけて無償供与を行った20の対象国のうち、14か国が年度ごとの使途報告書を一度も提出していない状況を明らかにし、政府の対応を問い質した。河野外相は、「提出は求めているが、提出してこない国々はきわめて貧しい国や内乱・内戦の渦中にある国などだ。それを切ってしまうというのがいいのか、知恵を絞っているところだ」と答弁。
山田議員は、「とにかく供与は続けるというのでは、国民は納得できない。供与は中止すべきではないか」と要求した。

 さらに、山田議員は、ODAの一環として行われているタイの下水処理プラント建設プロジェクトの問題について、政府を追及した。このプロジェクトは、ムール貝の養殖場などになっている海の真ん中に、180万トンの処理能力を持つ100万坪の処理場を700億円かけて建設するもので、財務省、アジア開発銀行(ADB )、国際協力銀行(JBIC)の3者が進めている。これをめぐって、タイ国内では 、地上げにまつわる政府関係者の汚職事件や環境への深刻な悪影響などが取り沙汰されている。

 山田議員は、現地視察を踏まえて、政府の認識を質した。財務省の溝口国際局長は、プロジェクトが閣議決定され、ADBが融資を決めた1995年当時は汚職問題について認識していなかった、環境への影響については初期環境調査を行った上で工事に着手している、などと答弁。これに対して、山田議員は、行われた環境調査は他の候補地についての簡単な調査だけで、現在の着工地については行われていないこと、また汚職事件については、すでにタイ紙の調査でタイ内務省土地局の政治家が60億円もの不正な利益を得たことが明らかにされていることなどを指摘し、政府の認識を批判した。溝口局長は、環境調査については「不十分だった」と認めるとともに、汚職問題も含めて、ADBが調査・検討中だと述べるにとどまった。

 山田議員は、さらに、「一番の問題は、住民や漁民に何も知らせることなく工事を
進めていることだ。“調査する、確認する”と言いながら工事自体はどんどん進めて
、もう50%まで済んでいる。まず工事を中止すべきではないか」と追及したが、宮
沢財相は、「ADBには、プロジェクトの実施にあたって慎重にしてもらう」などと
答弁するにとどまった。

 最後に山田議員は、選挙区の広島で政府が建設を進めている国立広島原爆死没者追悼平和祈念館について触れ、全国都道府県で保存運動が広がっている「原爆の火」をこの祈念館に灯して欲しいと要望した。坂口厚生労働相は、「被爆者団体や関係者との合意が必要なので、話し合ってほしい」と述べた。


危機管理の最高責任者の心理知りたい!
首相のゴルフスコア提示を要求
■岩國哲人議員 2/23

衆議院予算委員会の23日の一般質疑で、民主党・無所属クラブから岩國哲人副代表が質問に立ち、国際感覚・国際経済にたけた議員ならではの質問を展開した。

 えひめ丸の事故の連絡を受けながら森首相がゴルフを続けたことについて、岩國議員は「事件の第一報を受けてから、相当心を動揺させ、気にされながらゴルフを続けられたと思う」と分析。危機管理における最高責任者がゴルフを続けた点のよしあしはさておき、ゴルフのスコアにどれだけ影響を与えたのかに大変関心があると皮肉を込めて語り、スコアカードの提出を求めた。

 岩國議員は次に、4月から3月までとなっている国の会計年度を、1月から12月というサイクルに改革することはできないかと橋本龍太郎行政改革担当相に質した。また、国際社会に対応していく上では西暦の一本化が必要ではないかとした。

 橋本大臣は「元号は国民の中に長年続いた慣習として定着し、一方、西暦も広く使用されている」として、西暦の使用にシフトしなければならない状況ではないと述べ、暦年と予算年度との一致も行革担当大臣として考えたことはないと答えた。岩國議員は役所のなかでは西暦を一切使わない形をとっているにもかかわらず2000年の記念として2000円札を発行した矛盾を指摘。「20世紀だ21世紀だと西暦を意識するのならば、紙幣を発行することではなく、年号を西暦に切り替えることこそ政府としてはるかに意味があった」とし、グローバル社会で欠かせない、身近な改革ではないかと指摘した。

 最後に、岩國議員は「この10年間でアメリカの株価は5倍、日本のそれは半分になり、差し引き10倍の差が出てしまっている」と分析。その原因は政府の金融・金利政策にあると批判した。「日本円はアメリカ株価上昇を手伝い、それどころかアメリカの金といっしょになって日本へ戻り、日本の代表的な企業を次々に買い取る現象が起きている」と平たい言葉で説明。「金融鎖国時代の発想や考え方で金利政策を動かしていると、結果的に日本の株式市場が泣かされることになる」とした。

 さらに、アメリカは個人が大多数の株式を所有しているのに対し、日本は法人が大多数を所有する形になっている現状を指摘。「不景気のときはもろに法人の動向に大きな影響を受け、景気対策も自ずと法人対象にしたものになっていく。株式市場の所有構造の体質改善をしない限り、構造改革にはつながらない」と提案した。


「まったく会話が成立しない!」外務省答弁に怒って退席
■中田宏議員 2/23

 「政府は『仮定の話には答えられない』、事実を言えば『なぜ決めつけるのか』と言う。いいかげんにしろと言いたいっ」―。  

 23日午後の衆院予算委員会で民主党・無所属クラブの3番手として質問に立った中田宏議員は政府答弁に激怒。審議時間40分を残したまま席を立ち、委員会室を退出した。

 この日中田議員が予定していたのは、外務省の機密費問題と整備新幹線、捕鯨問題の3項目。  

 外交機密費の使途に関して、まず中田議員は最初に「飲食費のランク分けをする外務省の内規は存在するのか」と確認の意味で質問。ところが、河野洋平外相や外務省の官房長は「報償費の使途は申し上げないことになっている」「具体的な使用については答弁を差し控える」と繰り返すだけの逃げの答弁。中田議員のボルテージは次第に上がっていった。

 報道された内規の存在にさえ口をつむぐ外務省に対し、野呂田予算委員長も「事実かどうかは返事できますか」と促すほど。

 与党側の委員席から「言えることと言えないことがある」「そんなことを聞くとは失礼だ」などとヤジが飛ぶ中、中田議員は最後に「国会は議論がかみ合わない以前に、全く会話が成立しない。まともな答弁をしないでも許されることがおかしい。これでは何も解明できない」と怒り、「もう質疑やめます。ばかばかしい」と捨てぜりふを残し、引き揚げた。与野党の理事たちが対応を協議したが、結局中田議員の残り40分の質問時間は休憩となった。



<参院選>
兵庫県選挙区で辻泰弘さんを公認


 民主党は26日、持ち回りの常任幹事会で夏の参議院議員選挙の兵庫県選挙区で辻泰弘さんを公認することを決めた。これまでに決まった候補予定者は選挙区で公認26名・推薦5名の計31名、比例で計16名となった。

○兵庫選挙区(定数2)
辻 泰弘(つじ やすひろ)/男/1955年12月27日生まれ・45歳/新人
民主党兵庫県連特別常任幹事


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