2004年6月23日

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売買春問題ととりくむ会 参院選候補者アンケート


T.日本軍「慰安婦」問題について

 来年は戦後六十周年の節目の年になります。まだ解決されてない戦後処理問題の一つに日本軍「慰安婦」問題があると私たちは考えます。
 政府は女性のためのアジア平和国民基金をもって、「慰安婦」問題は解決済みとの態度をとっていますが、これには内外の反対があります。「政府による公式謝罪・賠償が必要」は国連人権委員会はじめ国際的な流れです。私たちは戦後責任を果たすために立法措置を望んでいますが、当選されましたら、国会議員としてどのようにお考えになりますか?

イ、すでに参議院に提出された「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」の成立に協力する。
ロ、協力しない。
ハ、新たな法案作成に努力し、発議者になる。
ニ、賛同者になる。

回答  イ
私は、上記法案の提出者のひとりです。この法案に確信を持っており、この実現に努力します。

U.女性への暴力、特に性暴力について

1.現行の売春防止法第5条は事実上女性のみを処罰の対象としています。今やスウェーデンでは売買春関係においては買春男性のみが処罰の対象になっています。日本の法制では男女平等の考えからみて不公平とお考えになりませんか

回答 不公平だと思います。まず、双方を処罰対象とすべきです。

2.私たちは売春防止法を抜本的に改正し、新たに女性の人権を確立する法律をつくりたいと願うものです。すでに請願運動を始めています。法改正にご協力いただけますか。

イ、新たな法律作成に努力し、発議者になる。
ロ、賛同者になる
ハ、協力しない


回答  イ

3.政府・法制審議会は刑法改正を検討中です。私たちは性に関する項目の改正を求めるものです。
 保護事業との関係でどうあるべきとお考えになりますか。

イ、“強姦”が二年以上の刑(強盗は5年以上)は軽すぎます。何年以上がいいとお考えになりますか?

回答
強盗も強姦も、手段としての「暴行・脅迫」は同じであるのに、保護法益が財産権の場合は5年、性的自由権の場合は2年というのは、保護法益の軽重の判断が妥当とはいえないと思います。少なくとも、両者を同じと考え、5年以上とすべきです。

ロ、現行法は“近親姦”の規定がありませんが、児童施設や婦人保護施設の利用者には被害者がかなり存在します。処罰規定が必要とお考えになりませんか?

回答
処罰が必要だと思います。近親姦は、現実には、抵抗できない人間関係の中で、女性の性的自由が侵害されるケースが多いと思います。従って、準強姦に近い考え方を根拠とすべきだと思います。近親者間の性交の反倫理性を根拠とするのは、適切でないと思います。

ハ、性的合意の年齢が13歳未満とは低すぎるとお考えになりませんか?

回答
刑法は、性的合意無能力の年齢を13歳未満として、14歳以上の女性の性的自由を認めています。しかし、児童買春等処罰法では、女性の性的判断力の健全な成熟を重視し、自由を認めません。この間に法的整合性があるかどうかは、疑問です。児童の健全育成を考えると、合意無能力年齢を引き上げ、強姦罪での処罰も可能にすることを検討すべきだと思います。

ニ、“強姦”は親告罪になっています。“輪姦”の親告罪は売春防止法施行後にはずされました。
 “強姦”は殺人に次ぐ人権侵害ととらえ、告訴を待たず犯罪摘発がなされる必要があるとお考えになりませんか?

回答
親告罪とした趣旨は、被害女性の保護なのですが、現実には、告訴することが大変な重圧となり、保護が全うされていません。行為に対する社会的非難の強さを考えると、親告罪から外すべきだと思います。

ホ、刑法226条国外移送目的略取は明治期のからゆきさん移送を念頭に置いた規定です。現在は日本国内へのトラフィッキングする業者の犯罪摘発が必要とお考えになりませんか?

回答
先日の米国務省の「人身売買に関する報告」では、日本の組織犯罪集団による国際的人身売買が指摘され、日本政府の対策は不十分で監視対象国とされました。早急に業者の摘発や必要な法整備などの対策を取る必要があると思います。

ヘ、日本国民が海外で犯罪を犯すことも多く生じます。新規立法には国家の方針として、国外犯規定を設けることが必要とお考えになりませんか 

回答
日本人による中国珠海での集団観光買春事件では、日本の売春防止法に国外犯処罰規定がないため、捜査が開始されませんでした。国外犯規定のある児童買春等処罰法違反の可能性が極めて強いと思われますが、踏み込めていません。国際協調を国是とする日本ですから、国外犯処罰規定は、もっと大胆に導入すべきです。さらに、ICPOの手配についても、最大限協力するための法整備も進めるべきです。


売買春問題ととりくむ会事務局 
東京都新宿区百人町2−23−25 矯風会第2会館内


2004年6月23日

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