2013年11月6日 |
2013年9月20日 日中友好会館 30 年記念感謝会 会長挨拶
日中友好会館 30 年記念感謝会 会長挨拶 (2013年9月20日)
今日は大勢の皆さん、こうしてお集まりくださり、ありがとうございます。初代の古井喜実先生、次いで後藤田正晴先生、林義郎先生という偉大な前任者の後を引き継いで、微力ながら日中友好会館会長を務めている江田五月です。
私は今月前半、 1 週間ほど中国を訪問しました。西安にいるとき、大きな広告塔にあと 16 日とか翌日はあと 15 日とか、表示がありました。それは、中国の皆さんが楽しみにしている伝統的祝日である中秋節までの日数だったのですね。そして昨日は、遂に待ちに待ったその日。中国では 19 日から 21 日まで三連休と聞いております。本日は、本来休日にも拘らず、在日本中国大使館より程永華大使をはじめとする多くの幹部の皆さんにご出席賜り、心よりお礼申し上げます。
又、岸田外務大臣をはじめ、日ごろから日中友好会館の事業に対してご指導、ご支援を頂いている多くの方々のご出席を頂き、光栄に存じます。約 260 名の招待者リストを見ておりますと、日中友好会館が各方面の多くの方々のお蔭で 30 年間活動を続けることが出来たことが改めて良く分かります。いつも変わらぬご支援に、心から感謝申し上げます。どのような方々がご出席頂いているかをご紹介致します。
まず、中国との関係が深い国会議員の皆さん、在日華僑・華人の皆さん、日中両国の友好活動にご尽力されている団体の皆さん、外務省その他日本政府や地方自治体の関係者、更に関係企業、大学、文化団体、報道機関の皆さん、ホームスティや交流活動を通じて後楽寮生に温かい支援を頂いている皆さん、そして中国をこよなく愛する日中友好後楽会の会員の皆さんなどでございます。
日中友好会館の公益事業は、 4 本の柱から成り立っています。すなわち、日中両国政府の共同事業として建設された後楽寮の運営、 2007 年以来年間往復 4,000 人以上の規模で実施している青少年交流事業、 60 年以上の歴史を持つ日中学院の中国語教育、そして文化交流事業です。昨年 4 月には公益財団法人に移行し、役職員一同気持ちを新たにして事業に取り組んでおります。
私どもの事業は、「民間」と「草の根」の二つをキーワードとする地道な活動です。その一つ一つは小さくても、ちょうど小さな小川が集まって大河になるように、日中双方の若い世代が相互に相手に対する正しい理解を深め、友情の輪を広げていけば、必ず両国国民の民衆レベルでの信頼関係を大きく築き上げ、安定した両国関係の構築に寄与するものと確信しています。
さて、今年は日中平和友好条約締結 35 周年に当たります。そこで私も改めて条約を読み直してみました。条約第一条で、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させることを謳い、全ての紛争を平和的手段によって解決することが確認されています。昨年来の厳しい両国関係の状況を、条約締結にご尽力された福田赳夫元首相や、園田直元外務大臣、そしてケ小平元副総理、黄華元外交部長らが眼にされたら、何と言われるでしょう。「自分たちを悲しませることはやめろ」と叱責の言葉を発せられるかも知れません。後ほど、日中平和友好条約締結調印式の模様と、批准書交換のためにケ小平副総理が来日された際の記録ビデオを放映いたします。両国指導者が懇談する和やかな情景をぜひ思い起こしていただきたいと思います。そして、先人の叡智と努力に敬意を払い、双方が全世界の平和と安定に向けて誠心誠意話し合い、今解決できない問題はお互いの子孫に委ねることなどを通じて、両国間の戦略的互恵関係を再構築すべきであると思っています。
冒頭にお話した訪中の旅は、マスコミ OB の皆さんのグループで、政治家は私一人でした。それもあって到る所で申し上げたのですが、両国国民は皆、友好関係の増進を望んでいます。そして、経済でも文化でも青少年でもすべての場面で友好関係を前に引っ張って行こうとしているのに、ただ一つの例外が政治で、政治だけがこれを後ろに引っ張っているようです。私も政治の場に身を置く者の一人として、慙愧に堪えません。今日は、後楽寮の寮生たちの歌や踊りもあります。大いに飲んで食べて、パフォーマンスも楽しみながら、交流を深めていただければ幸いです。
最後に、両国の厳しい局面を一日も早く打開するために、 皆さんとともに引き続き微力を尽くすことをお誓いし、皆さんのご健康とご多幸をお祈りして、私の挨拶といたします。
有難うございました。
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