2014年3月20日 |
2014年3月8日RSKイブニングニュース 国会報告
今週は江田さんです。
江田さんこんにちは。よろしくお願いします。
こんにちは。
今まさに参議院で予算の審議などを行っていますが、今の国会様々な法案の審議と別に、集団的自衛権の問題などいろいろとありますよね。 国会の表に出てくるいろんな論戦の一番底の所に流れているのが、安倍首相が行おうとしている集団的自衛権についての憲法解釈の変更なのですね。これはやっぱり非常に大きな歴史の転換点になる可能性があるので、ここをちょっと説明しておきたいのですね。
憲法とは何かというと、まずこれは国家権力を縛るものなのです。立憲主義というのですがね。政権が何をやってもいいってわけじゃなくて、憲法に従ってやらなければいけないのですよ。で、憲法とは、憲法典に書かれた言葉もあります。さらに、その基にある理念も憲法だし、論理的に確定した解釈もある。これがすべて憲法なのですね。
戦後、大変な戦争を乗り越えて、世界が一つの共通した理想に到達した。戦争は違法です。そして自分の国は自分で守る。これはしょうがないので自衛権は認めましょう。それでも現実にはいろんな紛争が起きるから、それは国際社会が共同で対処しましょう、国連がね。集団安全保障というのですが、それが国際社会の共通理念で、それに沿って国連憲章を作った、あるいは日本国憲法も作った。
国連憲章の場合は、個別的自衛権だけじゃなくて、お互い助け合おうという集団的自衛権も認めるということにしていますが、これはちょっと今の共通の理想からの現実的妥協なのですよね。
日本国憲法はその共通の理想を掲げて、しかし占領時代ですから、書かれた言葉は十分ではありませんが、国際協調主義を前文で書いて、9条で戦力の不保持ということを書いたわけですが、共通の理想というのは日本国憲法の理念ですから、これを守る。集団的自衛権の行使は認めない。これが自民党政権時代からずっと確定した憲法の解釈なのです。安倍首相は、それを変えようというのです。これは憲法を守って政権運営をしなければいけないという立憲主義に反するのじゃないか。安倍さんは何を考えているんだ。このへんが今の議論なのですね。国際社会から日本がどう見られるかということにも大きく関わってきますよね。 そうなのです。安倍さんは、このあいだも言っていましたが、戦後教育のマインドコントロールから脱却したい。それは何かというと、私たちはみな、あの戦争は日本が間違ったことをやったのだと思っています。で日本が負けて、それは負けるべくして負けたので、そうして戦後になって、世界の共通の理想のもとにスタートしたのだと。ところが安倍さんは、その戦後の認識を変えようという。日本は間違ったことをしたのじゃないんで、日本の誇りを取り戻そうと。そうやったら、国際社会はそれは大変です。来年は戦後70年で、日本という軍国主義に世界中が勝った70周年だ、これをもう一度確認しようと世界中が言い出したら、そして我々が、日本は間違ったことをやったのじゃないんだ、何を世界は言ってるのかと、こうなったら大変です。今の安倍さんのような考え方を歴史修正主義というのですが、これを認めてはいけない。これが今の国会の論戦の底に流れている大きなポイントなのです。ここの所を間違えないようにやっていきたいと思っています。 どうもありがとうございました。
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