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 なぜ参院選なのか…との問いに答えます。その2
 [1998年2月1日]

 新しい年になって、わが国の行きづまりはますます深刻さを増してきました。

 金融不安、景気、財政、国民生活…。すべてにわたって難問山積。ついに大蔵省に極めてたちの悪い汚職事件が発生。この国は、骨の髄まで腐っていることを痛感します。ゼニ勘定にばかり活力があっても、品位も感性も欠けていれば、後は崩れていくばかりです。

 大蔵大臣は辞めましたが、トカゲのしっぽ切りでなく、橋本内閣が退陣すべきです。ところがこれを迎えうつべき野党は、まだ混迷から抜け出せません。 国民は、どこにも支持する政党を見いだせず、政党ボイコットというべき不信任をつきつけています。

 わが国の民主主義は、戦後最大の危機を迎えていると思います。主役である有権者が、政治を見限りつつあるというのは、民主主義が根本のところで崩壊しつつあるということです。

 そんな中で、夏の参議院選挙が行われるのです。この選挙が重要だというのは、従来どおりの取り組みをしていたのでは、民主主義がとり返しのつかない崩壊を迎えるかもしれないということです。どうしますか。私は、こんな状況を見て見ぬふりはできません。

 年末に、新進党が解党しました。手続き的には無茶ですが、暴君の独走を誰も止める気がなかったというのが本当のところ。つまり解党こそ、みんなが期待するこの党のあり方だったのです。小沢一郎氏は、少なくとも壊し屋としては超一流です。

 壊しただけではいけません。橋本内閣に代わりうるチームを作らなければいけません。 やっと「民友連」をはじめとする野党の腕組みの再構築が始まりました。昨年秋以来の最大の政治状況の変化です。しかし、まだまだこれもよちよち歩きです。

 この数年の政治の混乱を見せつけられた国民にしてみれば、このくらいのことでは政治不信は消えません。

 統一会派を新党に…。比例選は統一名簿で…。 私は、ぜひやってほしいと思います。しかし、他力本願ではいけません。

 この動きをしっかり育て、そこに広く国民各層の知恵と良識を総結集することが、これからの私の使命だと確信します。

 今こそ原点にもどって、真に国民が信頼できる政党を作る努力をもう一度始めます。そのため、数ある政党のどこかだけと特別の関係を持って、その政党だけの代弁者となるのでなく、どの政党にも自由にものの言える立場を、もう一度有権者のみなさんに与えてもらいたいのです。

 これは急を要します。いつまでも待っているゆとりはありません。矢も盾もたまらず、政治生命をかけて、夏の参院選に立候補を決意しました。

 一昨年の総選挙以来初めてくる、全有権者が一票を行使しうる機会が、この参院選です。

 ここで「一票一揆」をめざさなければなりません。もとより、結果次第で政治生命が断たれるのは覚悟のうえです。しかし、政治を志すものが、命がけにならなければ、この難局を乗り切ることはできません。

 参院選がきっかけとなって、次の総選挙で政治が大変革を迎えることは、これまでにも経験しています。

 今、未曾有の政治不信の時だからこそ、逆に有権者の胸に火をともすことができれば、その火は燎原に広がります。

 何としてもこの正念場を乗り越えて、二十世紀最後の参院選と総選挙で、すばらしい二十一世紀の扉を一気に開きたいと思います。

 私は、とりあえずはただひとりの一歩を踏みだしただけです。しかし、誰かが始めないと、危機をチャンスに変えることはできません。自分自身の欲にこだわって、どの選挙がいいかなどとぜいたくを言っていられる時ではないのです。

 自分ひとりの当落でなく、状況を変えるために、命をかけ身を挺することができるかどうかが、政治家一人ひとりに問われている時だと信じます。

 ぜひご支援ください

江田五月

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