1984/07/04 |
101 衆議院・文教委員会
日本育英会法案反対討論
○江田委員
私は、社会民主連合を代表して、日本育英会法案に対し、一言反対の意見を申し上げます。
我が国の財政事情が極めて困難な事態にある中で、文部省の皆さんが育英事業の拡充のために努力されていることにまず感謝いたします。
また、臨時行政調査会による有利子制度への転換の提案に対し、文部省があくまで無利子制度を根幹として堅持される方針で臨まれていることに敬意を表します。
しかし、法案への賛否は、担当の皆さんへのねぎらいの言葉とはおのずから異なるのは当然です。
私は、本法案には、次の一点でどうしても賛成することができません。
それは、言うまでもなく、安易な有利子制度の導入であります。ある社会が未来を持っているかどうかは、その社会が教育をどれほど大切にし、これに愛情を持っているかによって決まると思います。奨学金に利子をつけるというやり方は、どう考えても教育を愛し、大切にした方法ではありません。しかも、その有利子制度が将来無利子制度にとってかわることがないようにするための工夫は本法案の中に何ら見当たりません。
本法案が施行されても、安易に無利子制度によりかかるのでなく、日本育英会を初めとして地方公共団体や民間によるものも含め、心の通った奨学制度を我が国に大きく育てていくことを文部省に要望し、我々もまたそのためにあらゆる努力を傾けることをお誓いし、さらに、本法案が審議中であることを理由に現行法に基づく奨学生の採用手続を遅延させたことは誤りであることを付言して、私の反対討論といたします。(拍手)
○愛野委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○愛野委員長 これより採決に入ります。
日本育英会法案及びこれに対する修正案について採決いたします。
まず、船田元君提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○愛野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○愛野委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
1984/07/04 |