1988/03/09 |
112 衆議院・予算委員会第六分科会
○江田分科員 ドクターストップでもないのでしょうが、通産大臣ちょっとぐあいが悪いようなので、大臣なしで質問させていただきますが、お戻りになったら大臣に質問いたしますので、ひとつよろしくお取り計らいを願いたいと思います。
きょう二つ問題を聞いてみたいのですが、第一点は、これはちょっと地方の問題ではありますが、しかしこういう情報化といった時代あるいは無体財産権が非常に重要になってくるといった時代に、全国的にも影響がある問題だと思うので聞くのです。瀬戸大橋の商標権との関係のことです。第二点は、もう少し大きな話題で、情報通信機器に対する障害者の利用可能性という問題でございます。
そこで、第一点なんですが、今岡山県はことしの春はちょっとしたフィーバーぶりでして、既に山陽自動車道が一部供用が開始されまして、先日は開通式があったわけです。国道のバイパスも二カ所ほど開通式をしたりこれから迎えたり、あるいは明後十一日には今度は新岡山空港が開港になる、県立美術館も間もなく開くとか、労働団体などが努力をされて中国の三大珍獣展という展覧会がある、あるいはもちろん瀬戸大橋博覧会、そして四月十日には待望の瀬戸大橋の開通、こういうことになりまして、このフィーバーは岡山だけでありませんで、香川の方も同じだと思いますが、すべてこの瀬戸大橋に起因をしているわけで、世紀の大事業。しかし、瀬戸大橋ができたらすぐに地域住民の生活がよくなるとか福祉が増すのだとか、そうはなかなかならないわけで、これには瀬戸大橋ができたという状況を踏まえた行政が要るし、あるいはまた地域の住民も、瀬戸大橋というものをみんなの財産として大切にし、これを愛し、努力をしていかなければならぬと思うのです。そういう状況のもとで、瀬戸大橋という名前をめぐっていろいろな紛争が今起きておりまして、瀬戸大橋をみんなで大切にしていこうというのに、その名前自体が何かふらふらしておるということで、けしからぬという気がするのです。
まず、瀬戸大橋関連でいろいろな商標登録が行われておりまして、これはもう皆さん御存じのとおりなんですが、瀬戸大橋という商標登録がなされているからといって、あの瀬戸大橋の道路あるいは鉄道に瀬戸大橋という名前をつけることができないということにはならないでしょう。その点を確認しておきたいと思います。
○小川政府委員 今の御指摘の瀬戸大橋という名称での商標権は、いろいろな商品分野につきまして現在商標として登録されているわけでございます。これは商品の分野分野で違いますので、個別に商標登録されておる商品とは違った商品で、商品という言い方を商標法上使わせていただきますが、使われている限りでは問題はないということでございます。
今具体的な橋そのものについてどうかという御指摘の点につきましての事実関係を私は承知しませんが、担当の審査第一部長が参っておりますので、そちらから申し上げることにいたします。
○竹澤政府委員 お答えをいたします。瀬戸大橋という登録商標がございますのが既に十五件ございます……
○江田分科員 そういうことはいいです。結論だけ言ってください。商標上瀬戸大橋といういろいろな登録があるが、それがあっても道路とか橋とかに瀬戸大橋という名前をつけることの妨げにはならないでしょう、その点を確認しますという質問ですから、その質問に端的に答えてください。
○竹澤政府委員 妨げにはなりません。
○江田分科員 建設省の方お見えだと思いますが、この道路は瀬戸大橋という名前ではありませんね。正式には中国四国連絡橋児島・坂出ルートというのですか。これは今なぜ瀬戸大橋という名前にならないのか、あるいは名前がどういう経緯をたどっているのか、その辺を簡単に説明してください。
○小松原説明員 瀬戸大橋の正式な名前は、児島―坂出ルートの路線名といたしましては一般国道三十号ということになっておりまして、一般国道三十号の一部でございます。その自動車専用道路の一部を本四公団の中で正式に決めまして、瀬戸中央自動車道と命名いたしております。それが名前でございます。
○江田分科員 瀬戸大橋という名前になぜしないのですか。
○小松原説明員 大橋という名前は、あそこの本州の道路は大橋だけではなくて、陸上部もずっと含んだ区域が本四の道路になっておりまして、それを全体として瀬戸中央自動車道と命名いたしておるわけでございます。
○江田分科員 橋の部分は、例えば建設省の国土地理院とかあるいは国道のいろいろな道路標示とかで瀬戸大橋という名前を使うということになっておって、これは国道ならばもちろん建設省、国土地理院も建設省ですから建設省が、行政上の正式な名前はいろいろあるにしても、愛称としてそういうものを公用の文書の中などでも瀬戸大橋というものを使うということになっている、これはこう理解していいんでしょうね。
○小松原説明員 瀬戸大橋という名称は、従来地元から広く使われておりまして、先生御指摘のとおりでございますが、それからまた、地元からこの名前を積極的に使ってほしいという要望が我々の方に参っております。したがいまして、先生お話しの国土地理院の地図ですとかあるいは公に発行いたしますパンフレット等で、瀬戸大橋という名称を積極的に用いることにいたしております。
○江田分科員 時間がないのでどんどん進みますが、運輸省の方に伺いますけれども、JRが走っているわけですが、これは茶屋町―宇多津間は本四備讃線、岡山から茶屋町間は宇野線、そして宇多津―高松間は予讃本線、こんなことになっておるが、愛称としては岡山―高松間は瀬戸大橋線という愛称を使うんだ、こう決めておられる。それでよろしいですか。
○羽生説明員 先生おっしゃるとおりでございます。
○江田分科員 橋の上が鉄道の方は本四備讃線、道路の方は本州四国連絡橋児島・坂出ルートあるいは瀬戸中央自動車道。役所が違えば名前ががらがら違うというのもまことにおかしな話で、その辺をもう少しかたくならずに、地元の皆さんが日ごろ使っている名前をそのまま使って行政を行っていくという行政の弾力性というものをひとつぜひ実現をしていただきたいと思います。
いずれにしても、こうやって瀬戸大橋というのは地域住民が親しんでこれに愛情を持ってつけている名前なんで、瀬戸大橋自体は公共の建造物ですね。名前も公共性が非常に高い名前だ。建造物だけじゃなくて、名前も込みで瀬戸大橋という一つの公共財産、法律上の意味ではなくて公共のものになっているわけであります。こういう名前に対して、商標登録というものがあるからといって、直ちに私人がその使用権について排他的な権利を設定してしまうというのは、何か住民感情、地域感情からするとおかしいんじゃないか。そういう排他的権利が成立をすると、せっかくの瀬戸内新時代、瀬戸大橋で新たな時代が開けるとかいってやっていこうとしているときに、新たな産業活動の意欲をそがれるようなことになるんじゃないかという気がするのですね。果たしてこういう隘路を打開する道は一体ないのかどうかという点、これは特許庁ですか、伺います。
○小川政府委員 まず、これまでの運用では、先ほど申し上げましたように、商標として瀬戸大橋を認めておった。その考え方は、やはり登録要件、先生御専門で御案内のように、書いてあるその各項目に当たらなければ登録を認めるという運用でありまして、その場合に、今まで登録を認めてきた背景には、産地とか販売地というものであれば、これは一般に使われるものだから登録は認めないということでしたが、建造物となるとそういう産地、販売地とは言いがたいということで、これまでのプラクティスでは登録を認めざるを得ないという判断のもとに、瀬戸大橋についても他の建造物と同様認めてきたところでございます。それ自体は一つの考え方として誤りということではないと私どもは認識しております。
ただ、委員が御指摘のように、それが公共建造物で非常に周知性が高いものについて従来どおりそういった運用で本当にいいのかどうかという御指摘と理解いたしますが、この問題につきましては、確かにそういう普遍性の高くなった公共建造物というものについてはいま一度その登録要件の運用のあり方をよく検討してみる必要がある、このように考えている次第でございます。
○江田分科員 ぜひ積極的に検討してほしいと思うのです。
商標法の三条あるいは二十六条の産地、販売地という解釈の問題ですが、法解釈を余り融通無碍にするわけにもいきませんでしょうが、しかし法解釈というものも目的合理的に解釈をしていかなければならぬわけで、この産地、販売地に著名な建造物、土地の名称的性格を非常に強く持った建造物は入れてもいいんではないか。
例えば、それでは日本橋というのは、これは建造物ですかそれとも場所ですか、数寄屋橋というのは一体どうですか、思案橋というのはどうですか、戎橋というのはどうですかといろいろあるわけで、特許庁の正式回答で大鳴門橋についての回答がございまして、大鳴門橋土産と関連して瀬戸大橋土産、こういうものは商標権侵害に当たらないという回答をされているようですが、それはそれでよろしいですね。
○小川政府委員 今の御指摘の点は、実は鳴門大橋についてそのような指導といいますか考え方を示した経緯はあります。ただし、これは御専門の先生には御理解いただけるところと思いますが、この考え方が正しいかどうかというのは本来司法の世界で最終的に確定するのが当然であるが特許庁としての解釈はこうである、こういう断り書きのもとでの方針でございますが、その意味合いにおいて、瀬戸大橋についても同様に、土産品という名称を付するということであれば商標権侵害にはならないという特許庁としての解釈をとっておるということでございます。
○江田分科員 瀬戸大橋土産というような言い方であれば侵害にならない。その場合の瀬戸大橋土産と言っている瀬戸大橋というのは、建造物を指しているのか産地、販売地を指しているのか、どっちでしょうね。
○竹澤政府委員 産地、販売地を指してございます。
○江田分科員 瀬戸大橋というものが産地、販売地を指す場合がある、こういうわけでございまして、最終的には司法判断ですが、しかし特許庁の行政実務というものがやはり直接に産業活動に影響するわけですから、その点でぜひ今後とも十分配慮の行き届いた行政運営をやっていただきたい、この点を要望しておきます。
時間がありませんので、次に移ります。
次は、情報通信機器に対する障害者の皆さんの利用可能性という問題なんです。
国際障害者年以来、障害者の完全参加と平等、障害者も健常者と同じようにこの世の中で生きていける、健常者と同じように社会参加ができる、これが今我々が直面している課題なんです。道路などにつきましては、障害者も随分町を歩けるようになってまいりました。しかし、まだまだいろいろな問題がたくさんある。
今私が問題にしているのは情報通信機器、例えば典型的な例でいえばパソコンです。パソコンというものができて、字を書くだけの運動機能のない障害者も字を書くことができるようになる、通信をすることができるようになる。パソコンが障害者の皆さんにとって大変大きな福音であったことは言うまでもないと思うのですが、しかしせっかくそこまで来ながら、もうちょっと工夫をすればもっとこの情報通信機器、パソコンが障害者にも使えるという、そういう可能性があるのですね。一方でまた、高齢化ということが今どんどん進んでおりまして、お年寄りの皆さんにもパソコンがもっと使えるようにいろんな工夫があるのじゃないか。
こういう問題は、情報化とかあるいは高齢化とかいう新しい時代の商品の性能の問題ですので、こういう新しい時代にどういう性能をこれこれの商品は備えていかなきゃならぬかという、こういう基本的な問題ですのでこれは通産省マターであって、単に厚生省あるいは労働省のマターだというふうにして済ますことは決してできないと思うのですが、まず基本的にそういう問題点についてどういう意識を持っておられるか、お伺いします。
○児玉(幸)政府委員 今、先生たまたまパソコンの名前をお挙げになったわけでございますけれども、我が国の情報化も大変なスピードで進んでおりまして、かつては専門家の扱う機械でありましたものが、今では日常ほとんどだれでもがその機械に接するというふうな状況になっていると私どもも認識しております。それだけに、その機械ができるだけいろいろな方々に容易に使っていただけるような形にならなければいかぬと思っておりまして、今先生は障害者の問題と高齢者の問題、二つをお挙げになったわけでございますけれども、そのいずれの分野におきましても、現在の機械が率直に申し上げまして十分であるとは到底思えないわけでございまして、これらにつきましては、今後どういうニーズがあるかを正確に把握しながら技術開発に積極的に努めてまいりたいと思いますし、また業界もその方向で指導してまいりたいと思っております。
○江田分科員 アメリカのリハビリテーション法というのがありまして、一九八六年にこれが修正されて五百八条というものができているのですが、これは御存じですか。
○児玉(幸)政府委員 存じております。
○江田分科員 この五百八条によれば、まず関係の政府部局に対して、電子通信機器、電子事務機器ですか、パソコンとかそういうものですね、こういう機器について障害者が健常者と同じように、あるいはそれ以上にというのですか、データベースとか制御プログラムとか応用プログラムとかを利用できるようにどういうことをしなきゃならぬかということを定めなさい、そういう指針をつくりなさい、そして政府調達はこの指針に従うようにしなさい、こういうリハビリテーション法になっているのですね。
私もちょっと調べてみたのですが、これは大変なもので、この指針の中には三つのことが書いてある。一つは、今の情報通信機器の性能、こういう性能を備えていかなきゃならぬ、その性能を備えさせるためにこういう責任体制、管理体制をしきなさい、さらに進んで、そういう性能を備えた情報通信機器が備わっていないからという理由で障害者を雇用することを拒否してはいけないよ、こういうことまで書いてある、こういう指針。政府調達のことなどは八八年九月から実施をされるということです。
念のため多少申し上げますと、例えば入力については、キーを一定の場合に二つの指で同時に押して、そうするとシフトして大文字になるとかなんとかなりますね。障害者の場合二つ押すということは同時にできない、そういう人が非常に多い、だからこれを順次押すことによってそういうシフトの作用が起こるというようなことをしなければいけない、備えていなければいけないとか、非常に細かなことで見ますと、カーソルが点滅しますね、そうするとある一定の点滅に特異的に反応して発作を起こす、そういう障害があるのだそうですね。ですから、カーソルの点滅の間隔を調整できるようなそういう装置まで備えていなければならぬとか、そういうことまでこの指針に書いてある。
あるいは出力については、例えばディスプレーに画像で出てまいりますね。画像だったら、これは目が見えない人はアクセスできないわけですから、音声でアウトプットできるような装置を備えなければならぬとか、あるいは高齢化の問題と関係すると思うのですが、ディスプレーに出てくる画面情報を部分拡大する、そういう装置をつけなければならぬとか、例えて言えばの話ですが、そうした細かなことがいろいろ指針の中にあるというのですが、この指針は手に入れられていますか。
○児玉(幸)政府委員 手に入れております。
○江田分科員 英語ですから、翻訳はもうされていますか。
○児玉(幸)政府委員 どれほど正確かはあれでございますけれども、さしあたり一応翻訳したものを手に入れております。
○江田分科員 それをお読みになってどういう感想をお持ちか、ちょっと聞かせてください。
○児玉(幸)政府委員 先ほども申し上げましたけれども、情報化というものが非常に幅広く進んできておりまして、それに伴ってこの機器に接する人の層が非常に広くなっておるわけでございます。そういった中で、障害者の問題についてアメリカでこういう形での配慮が行われてきておるということにつきましては、私ども自身も障害者の社会参加を支援するという基本的な立場を持っておりますので、大変示唆に富むものだなというのが率直な印象でございます。
○江田分科員 日本はアメリカに負けない先進国になっているわけです。ところが、これだけ経済が発展して経済大国と言われるようになって、しかし生活の方はどうもまだそこまでいかないじゃないか、経済大国だけでなくて生活大国をつくらねばいかぬとか、大国という言葉がどうもちょっと気にはなりますけれども、いずれにしても国民の生活というものの水準がもっといろいろな意味で上がってこなければならぬということが鋭く外国からも指摘をされ、また国内でも問題になっている。そういう時代ですので、ぜひひとつこの情報通信機器の問題というものは本腰を入れて取り組んでいただきたいと思うのです。
さらに、そのことによって今の電機産業もまた新たな展開を示してくるかとも思うのですが、一つ問題は、それぞれの会社がそれぞれに大いに努力をして頑張るということもさることながら、先ほど言いましたようないろいろなアクセスについての工夫というものがそれぞれの会社ごとでばらばらに行われたら、同じ機能について、ある障害者にとってある機器は自分が扱えるけれども他の機器は扱えない。自分が持って自分でやるのだったら、それは自分の持っている機械を扱えればいいのだけれども、雇用ということになりますとそうはいかないのですね。ある職場に入っていろいろな種類の機器がある、あるいは職場が変わる、そういうときに、やはりその機器ごとに個別性が強いというのじゃ困るので、汎用性がなかったら困ると思うのですが、そういう機器の標準化ということ、これはそれぞれの会社ごとにやらせるということでは達成できないわけで、業界全体を指導する立場の通産省がぜひ取り組まなければならぬ課題だと思いますが、いかがでしょう。
○飯塚政府委員 障害者関連機器の標準化につきましては、私ども従来から積極的に対応しているわけでございまして、既に電動車いすあるいは義手、義足等のJISの規格を制定しておるわけでございます。
御指摘の事務情報機器等につきましては、互換性の確保の観点から、キーボードの配列とか試験方法の標準化等を推進してきておるわけでございますが、現在JIS規格の鍵盤配列に基づく障害者の方々用のキーボードも販売されておるわけでございます。今後とも障害者の方々の情報事務機器へのアクセスを促進するために私ども標準化に努めてまいりたいと考えております。
○江田分科員 それから、政府機関、公共機関が備える情報通信機器というのは、やはりそういう性能を備えたものでなければならぬというぐらいのことはやってもいいんじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
○児玉(幸)政府委員 先ほどアメリカの例をお引きになりましたけれども、私どもも、今の技術の開発の実態とそれから実際に障害者の皆さん方が必要とされるものとが的確にマッチしているかどうかという点につきましては、なお十分にチェックしてみなければならない点があると思っておりますが、いずれにしましても一方で技術開発をどんどん促進していくわけでございまして、公共関係の機関等におきましてそういったものが使い得るような環境をできるだけ早く整備しなければならないというふうに、認識は全く同じでございます。
○江田分科員 その点、このぐらいにいたしまして、大臣がお戻りになればと思ってちょっと初めの方急いだのですが、もう一度瀬戸大橋関係のことに戻らしていただきたいと思うのです。
先ほどの答弁を伺っておりまして大変に心強いのですが、瀬戸大橋関係のいろいろな商標登録はあっても、それで直ちに司法判断を待たずに権利が確定的に発生しているというものではないので、紛争が起きれば最終的には司法が判断するわけだけれども、商標登録があっても、瀬戸大橋という名前を使うとすべてがひっかかってしまう、だから経済活動というのはよくよく慎重に憶病にやらなければならぬということはないので、それだけで商標侵害になるわけじゃないのだから、大いに瀬戸大橋という名前を上手に活用しながら地域の経済活動を活発にやっていただきたい、そういう希望を持っておるのだというそのあたりのことまでは言えるわけですか。
○小川政府委員 社会経済的あるいは地域政策的配慮という観点で商標権の設定をどうこうというわけではございません。ただ、商標権という権利と公益というものの調和というのが、そのときどきの時代の要請によって古来不滅のものというわけじゃございません。そういう意味で、先ほど御答弁申し上げましたように、商標権登録のあり方についても検討をいたすという所存でございます。
○江田分科員 だから、それは今までの産地、販売地に建造物を含まないという扱いはいささか現状においてそぐわない感があるのでということが前提になっているわけでしょう。
○小川政府委員 クリアカットに建造物がすべて販売地、産地というわけではございません。しかし、含まれる場合もあるであろうという観点を踏まえて検討してまいりたいと思っております。
○江田分科員 最後に、そうした紛争がいろいろあるので、特許庁として地域の住民の皆さんの要望にこたえて十分にどんなことでも相談に乗ってあげる、こういう方法があるよといろいろ教えてあげる、そういう体制をぜひつくっていただきたいと思いますが、その点、いかがですか。
○小川政府委員 御指摘のような姿勢でまいりたいと考えております。
○江田分科員 終わります。
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