1990/06/12 |
118 衆議院・税制問題等に関する調査特別委員会
消費税廃止関連法案について
○江田委員 提出者の皆さん、長丁場御苦労さんでございます。しかし国民の大変な期待を担って消費税廃止関連法が今審議をされている。しかも、きょうはその審議の初めの日でございまして、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
私の質問時間は十分ということなんですが、きょうテレビで放映されておって、その時間はあともう五分少々になった。そこで冒頭、きょうは終日大変御苦労さんでございましたが、国民の皆さんにこういう姿を一日テレビで見ていただいている。このことの意義を提出者の皆さん、どうとらえておられるかということをまず伺っておきたいと思います。
参議院選挙が終わって、参議院で消費税廃止関連法を出された。参議院は通過をいたしました。しかし衆議院でこれが廃案になりました。その後、いやその前からでしょうか、野党のすき間風とか、足並みが乱れているとか、いろいろ言われました。一体野党はどうなるのか。もちろん党が違いますから、意見の違いはいろいろある。だけれども、野党はしっかり腕を組んで頑張るんですよと。こういう国民的な課題について、きょうも恐らく、例えば答弁の仕方についても、それは皆さん自分の党の意見をそのまま出せばというのはおありでしょう。しかしそういうことでなくて、しっかり足並みを整えられて、自民党の方からもすき間風を、あるいは野党の一部からも足並みの乱れをそれぞれ突いてくる質問をそれでもなお何とかかわしながら、野党はしっかりまとまっていくんだという姿を見せておられる。しかも、私は堂々としていらっしゃると思う。大臣はお帰りになりましたが、皆さんの中からだれが大臣になってもすぐ大臣ができる。そういう姿を今ここで国民の皆さんに見ていただいているというこの野党の結束は非常に重要な、非常の意義のあることだと思いますが、どう認識をされておるか、まず伺っておきます。
○伊藤(茂)議員 私どもきょう初めてこの答弁の場に座りながら、江田さんおっしゃいましたが、テレビを見ておられる多くの国民の皆さんは、恐らくは、野党結束して頑張ってください、力を合わせて頑張ってくださいというお気持ちでごらんをいただいている方々が本当に多いのではないだろうか、それにこたえなければならないということであろうと思います。そうして、今政権交代が現実のときになるときでありますから、私ども野党の政治家としては生涯の最大の夢でありますから、一歩でも進んでいくように、そんな気持ちを持ちながら答弁をさせていただきました。
○江田委員 社会党の伊藤さんに答弁をいただいたわけですが、神崎さん、中野さん、菅さん、同じだと思いますが、よろしいですね。その点、そごはありませんね。
そこで次へ行きますが、日本における間接税というのを一体どうするのか。これは、きょうは冒頭加藤委員が大平さんの例から話をお出しになりました。随分長い議論を続けてきたと思います。あるいはまた諸外国でも、それぞれの国がいろいろな形で間接税についてのさまざまな取り組みをされておる。私は、我が国でもこの間接税、今までの、先般の税制改革以前のあり方には随分ゆがみがあって、これを何とか改めていかなければならぬという、そういう国民的な議論は次第次第に前へ進んできていたと思うのですよ。それが公約違反あるいは強行採決、こういう大変な政治的なゆがみで今日の消費税ということになってしまっておる。この消費税を公約違反、強行採決で導入をした自民党政府の責任は、私はこれは万死に値すると実は思っております。
こういう政治のゆがみを一度正して、そしてそのためには廃止をまずして、そしてもう一度政治の軌道をもとへ戻そうじゃないか。そのために私ども、私どもといいますか提出者の皆さんのお出しになっている法案では、所得と消費と資産の間のバランスのとれた税制というものを考えていくんだ。しかも、そのバランスということを考える場合には、例えば土地の問題なども、あるいはサービスや流通についての適正な課税のあり方も、決して逃げるのでなくてきちっと議論をしていくんだ。こういう方向で提案をされているので、私は、これからの税制改革のあり方、九〇年代から二十一世紀の日本の税制改革というのは、この消費税廃止、そしてもう一度再改革をするというやり方しかないと思っております。
その点で、きょうは四人の、四党の政審会長さん方がここにそろっておられまして、皆さんの御努力を本当に高く評価をし感謝を申し上げるのですが、さらに進めて、税制についてもここまで皆さんが御努力をくださる、税制以外でも、今国民が悩んでいる問題はいっぱいある。そういうことについてもひとつ、きょうは政審会長さんおそろいですからぜひ腕を組んでいただきたいということをお願いをしたいと思うのですが、例えば今参議院は与野党が逆転をしている。参議院の野党多数というこの姿を政治的にもっともっと有効に活用していく、いい政治のあり方をつくっていく一つの大きな契機になると思うのですね。
きょう、実は私は、朝、情報公開についての四党の協議に、連合参議院も含めてですが参加をしてまいりました。情報公開ということもあるでしょう。土地税制といったこともあるでしょう。育児休業あるいは被爆者援護とかいろいろな課題がありまして、今国民は参議院の野党多数を一体野党はどう活用するのか注目をして見ているところだと思いますが、こうした課題について野党四党結束して頑張る、こういう決意を聞かしていただければ大変ありがたいのですが、ひとつこれは四人の政審会長さん方順次、そうですね、小さい会派の方からひとつ……。やはり大きい方ですか。いや、どちらでも結構ですが、どうぞお譲り合いにならなくて、では伊藤さんひとつお願いします。
○伊藤(茂)議員 一言で気持ちを申し述べたいと思います。
やはり江田さんおっしゃいましたように、世界は飛ぶがごとく大きく変わる。そういう中で、やはり新しいさまざまの設計が求められているのが今日の時点であろうと思います。そういうことを政治としてはしっかり胸に持ちながら、本当に国民の理解できる決断をこの税制についてもしなければならないというのが今日の時代であろうと思います。
そういう中で、ぜひ私どもも力を合わせて頑張っていきたいと思います。特に社会党は、連合時代の一つのかなめの党としての役割を担っているわけでございますから、力を尽くした努力をいたしてまいりたいと思っております。
○神崎議員 参議院の逆転状況を十分生かしまして、この消費税問題を試金石として、国民の期待にこたえられるよう頑張ってまいりたいと存じます。
○中野議員 消費税廃止のための共闘は、我々野党にとりましても大変貴重な体験でもあると思います。
そのほか、税制のみならず、例えば土地の問題等野党のみならず、場合によっては与野党が謙虚に胸襟を開いて協議をし、国民のために役に立つということを判断基準にしながら、これからの新しい政治のあり方をつくり上げていくという考え方を持っていいのではないだろうか。そういう意味では、御趣旨を広げてより一層努力をしてまいりたいと思います。
○菅議員 現在の衆参の状況についてねじれという表現がよくされますけれども、私は二人のパイロットがいなければ飛ばない飛行機ではないかというふうに思います。そういった意味で、これまでは自民党という一人のパイロットだけで国会が飛んでいたと思うのですけれども、今度は野党の結束をしたパイロットが参議院に乗らない限りは法案は通らないわけですから、その中で、今江田さんのおっしゃったような育児休業法あるいは土地税制などを含めて国民の皆さんが強く求められて、これまでは必ずしも十分に政府・与党に組み入れられなかった問題について、特に協力をし合って頑張っていきたい、そのように思っております。
○江田委員 参議院で野党が多数という状況の中で、野党もまた責任を持って政治にかかわっていく、しかも野党協力していく、そういう御趣旨の発言をいただきまして、大変ありがとうございました。
終わります。
1990/06/12 |