1990/09/14 |
118 衆議院・商工委員会
○江田委員 御帰国直後に長丁場、御苦労さまでございます。
私は、きょう実は与えられておりました時間が四時四十分から五時までという二十分間なんですが、私の都合で五時にはもうやめなければいけないので、したがって実際十分間しかなくなってしまいまして、白熱した質疑ですからやむを得ないことですが、質問の通告をしていた多くの皆さんにむだ骨を折らせてしまいました。まことに申しわけないと思っております。
中東紛争、大変なことで、私は、まず私どもみんなの議論の前提として、私どももみんなこれは当事者だということをまず考えておかなければいかぬと思うのですね。どこかで何かやっている、巻き込まれないようになんてそんなことじゃないので、もう今世界じゅうが巻き込まれるも巻き込まれないもない、我々自身が当事者となっていろいろなことをしなければいけない、そういうところへ来ている。そして国として何をやるかということは、これはやはり政府が決めていただくことで、決定をする一番の当事者である政府がとにかく一生懸命に考えて最も適当な方針を決めていただけば、後第三者が第三者的に批判をするのはなかなか難しいことで、その当事者の政府の皆さんの真剣な決定をとにかくお願いをしたいということだと思うのです。そういうこともありまして、先般、八月二十九日でしたかの中東貢献策の決定についても私はとりあえずは評価をする、しかし、いろいろ後々私たちにも教えていただかなければならぬこと、検討をさせていただかなければならぬこと、たくさんあるからよろしくお願いしたい、そんな態度を発表したんですがね。
この委員会、閉会中審査ということで開かれておりまして、それがいけないと言うわけじゃないけれども、しかし、国会が開かれてないということは、やはり私は、これは国民に対してどう弁解できるのか、まことに異常な事態だと思うのですね。
二日前、実はイギリス大使館で小さな昼食会がございました。イギリスのゴードン・ブラウンという、これは影の内閣の予算担当大臣が外務省の招きで日本へ来ている。この人を囲んで飯を食いながら話をしたのですが、そのときに、日本の国会は召集されているんですかと聞かれて、いやまだです、いつですか、いや十月の半ばくらいというので、どうも恥ずかしくて。アメリカでも議会が始まって、駐留米軍の経費を持たないんだったら削減するぞというような、そんな下院の決議も出たりとか、それもいいんじゃないかと思ったりもしますが、世界じゅうで議論している。イギリスでは先週の週末ですか、二日間開いて百人からの発言の通告があった。一人十分間ずつで、それでも随分発言を遠慮したが、それでもヒースもヒーリーもいろいろな発言をして、質の高い議論が行われたということで、私たちも当事者、同時に決定をする政府には真剣にやってもらわなければならぬが、それならばそれだけに私たちにも情報を開示をしていただき、同時に考え方も聞かせていただき、同時に私たちの考え方も真剣に述べるという、そういう機会を、日本の国会はイギリスとちょっとシステムが違って難しいですが、しかし与えてもらわなければならぬと思うのです。
ひとつ通産行政の担当者ということを離れて閣僚の一人として、同時に卓越した政治家として、今の国会の状況をどうごらんになっておるかをお伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 今いみじくもお話のございましたように、イギリスの国会と日本の国会というのはどうも運営が非常に違っておると私も感じておりまして、イギリスの国会のように野党の皆さん、与党の皆さん、もう本当に遠慮なくお互いに議論がし合えるというような国会になっていただけると、今すぐにでも国会は開かれているのじゃないかと私は思うのでございます。残念ながら、今は何か政府が法律を出して、議員立法も余りなくて、政府が法律を提案してそれに基づいて国会が審議をするというような慣例みたいなことになってしまっているものでございますから、そうなってくると、政府としてある程度やはりきちんとした法律案をつくりまして議員の先生方の御審議を煩わす、こういうことでなければならないものでございますから、その辺で政府の方もまだ十分な用意ができていないということもあってか私はよくわかりませんが、国会が今開かれていないのではないか。これは国会のことでございますから私ども政府がとやかく言うべきではなく、国会の各党間で御同意がいただければ政府は国会を召集しなければならぬと思うのでございますけれども、今現在の時点は多分そういうことで、私は国会が開かれていないのではないかなというふうに推測をいたしているわけでございます。できればイギリスの国会のように一日も早く国会運営が、本当に国民の代表の皆さんがそれぞれ与党、野党を問わず、こういう重大な問題は本当に真剣に議論し合う、そういうような議会になることが私は一番望ましいと思っております。
○江田委員 例えば八月二十九日の段階で、中東に展開をしておる多国籍軍の費用負担といいますか費用の支援として日本は十億ドル。私は、この国連という枠があり、国連のお墨つきで、軍事展開もそれなりに限度はありますよ、しかし必要な場面である、そこで十億ドルはとりあえず支持する、評価する、こういう態度を明らかにしたのですが、その後の動きで見ると、どうも国連という場に受け皿もない、さあ一体どうするのか。多国籍軍にすぐそのまま十億ドル出すというようなことを私は是認したつもりはないのですけれども、そうした事態が明らかにならないまま、ブッシュホンだか何だか知りませんが、さらに十億ドルの積み増しというような、これでは何かずるずるどこかへ持っていくという感じに私たちが受け取るのもやむを得ないのじゃないかと思うのですが、なぜ国会を開いてそうしたことについての議論を堂々とやらないかと思うのです、これはここで押し問答をしていても仕方ありませんが。
いろいろなことを通告しましたが、もう時間が全然ないので一つだけ。
国務省のマロット日本部長、八月六日の国連安保理の制裁決議に対して、日本の企業の担当者を呼んで、そして経済封鎖破りのようなことがあってはならぬという警告のようなことをしたという、そんな新聞の記事がございますね。どうも日本の企業の皆さんの非常に巧妙ないろいろな作戦というものが世界から必ずしも信用されない面がいろいろあって、例えば南アの経済制裁の場合でも、一体日本はどう思っているのかというようなことがあるわけですが、このマロット日本部長の行動というのは何か具体的な危惧があってのことだったのでしょうか、それとも別に特段のことはなく、単なる一般的なことというようなことだったのでしょうか、もしそうならばふだんからこういうようなことがあるのでしょうかないのでしょうか、そのことを伺いたいと思います。
○堤説明員 お答え申し上げます。
私たち、国連決議を受けまして、誠実に実行すべく関係法で輸出輸入ともすべてとめるということを実施しているわけでございます。したがいまして、マロット部長がどういう意図であったか我々は必ずしも実態を把握しておりませんが、現時点においてそういう違反的なあるいは経済制裁破りというようなことを確認をしている事実はございません。
○江田委員 いっぱい聞きたいことがあるのですが、今言ったような事情ですので、きょうは終わります。
どうも御苦労さまでした。
1990/09/14 |