1993/08/26 |
○国務大臣(江田五月君) お答えいたします。 私の方は、所管の事項についての御質問でございました。 細川総理から御答弁がありましたし、また、山花大臣からも御答弁がありましたが、総理が所信表明演説等において述べられているとおり、政権の樹立に際し、他の基本重要政策と同じく、エネルギー政策についても、原則として今までの国の政策を継承することを連立与党間で合意いたしました。 その合意は、原子力政策にも及んでおります。原子力利用については、総発電電力量の三割弱を担うに至っており、エネルギーの安定的確保を図る上で不可欠と考えているからでございます。そこで、今後とも、安全の確保を大前提として、着実にその開発利用を進めていくつもりでございます。 核燃料サイクルについてですが、原子力発電を長期にわたる安定したエネルギー供給源とするためには、我が国の場合には、核燃料サイクルに取り組むことが必要であって、このため、ウラン資源の確保、ウラン濃縮の国産化、国内再処理事業の確立、放射性廃棄物対策等を計画的に推進するというのが継承した国の政策であります。現在、原子力委員会により原子力開発利用長期計画の見直し作業が進められているところでもあり、その推移を見定めながら、今後とも、国民の一層の合意と協力を得つつ、安全確保を大前提として、青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設計画等、核燃料サイクル確立の努力をしてまいります。 高レベル放射性廃棄物処理処分対策は、原子力開発利用を進める上で避けて通れない課題であり、原子力委員会の基本方針に沿って計画的にその対策を進めているところです。具体的には、ガラス固化により安定な形態とし、三十牛から五十年の間、冷却のための貯蔵をした後、地下数百メートルよりさらに深い地層中に地層処分する方針のもとに、これを安全かつ適切に実施するための研究開発を進める一方、二〇〇〇年を目安に処分事業の実施主体の設立を図ることとし、必要な諸準備を進めているというのが現在のところでございます。いろいろ課題はありますが、いずれにしても、これらの対策を着実に進めることにより、安全かつ確実な処理処分を可能にするよう努めてまいります。 放射性廃棄物の処理処分を安全かつ適切に行うために、まず研究開発が必要となることは言うまでもありません。そこで、動力炉・核燃料開発事業団が北海道幌延町でそのような研究のためのセンターとして貯蔵工学センター計画を進めており、それはこれまでの政府の重要プロジェクトでございます。 これからの具体的進め方については、これまでの経緯や関係の方々の意見をよく聞いて適切に判断していくべきものと思いますが、いずれにしても、地元及び北海道の理解と協力を得ていくことが何より大切であり、その努力をしていきたいと思います。 以上です。(拍手) |
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