1993/10/04

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衆院・予算委員会

○山花国務大臣 社会党の見解としては、現在の自衛隊の実態については違憲であると考えています。

 しかし、今回の連立政権の合意に当たりまして、先ほども国の政策と自民党の政策について御質問いただきましたが、まず初めには、六月二十七日の五党の党首会談、これは日本社会党、公明党、新生党、民社党、社会民主連合の合意でありますけれども、ここで明確に「外交・防衛など国の基本施策について、これまでの政策を継承しつつ世界の平和と軍縮のために責任及び役割を」担う。すなわち、自民党の政策を丸ごと引き継ぐのではなくて、国の政策ということを明確にしているところでございます。三十八年間自民党が一党で政権を持っていたがために、自民党の政策イコール国の政策というような考え方に陥りやすいと思いますが、そうではないということははっきりさせる必要があるのではないかと思っています。

 例えば、自民党は自主憲法制定という、そうした党の考え方をお持ちです。自民党の政策は決して国の政策ではなかったはずです。たくさんの政策についても、国会で議論をして、野党の反論がある、修正がある、その中ででき上がるのが国の政策だと私たちは理解しているわけでありまして、そうした国会における議論からできたものについては私たちは尊重してまいります。

 こうして国家の政策、国の政策、そして一党の政策とを峻別した中で、私たちは、国民の皆さんの安心ということを考えるならば、これまでの政権の政策については承継していこうということを明らかにしたわけでありまして、ただいまの御質問についても、そうした経過について十分御理解いただきまして、私たち社会党の政策ということについての御質問ですから、お答えさせていただいた次第でございます。

○津島委員 事もなげに違憲であるとおっしゃった。そして、そのことが憲法問題、自主憲法を制定するという方針と同じ次元の話であるとおっしゃるならば、私はやはりもう少し詰めてお伺いしなければいけませんよ。

 それは、社会党さんは、今のような違憲であるという建前に沿って、つい最近の宣言でも、「自衛隊の現状は許容される自衛力の範囲を超えている。」こう言っておる。したがってまた、自衛隊の国際貢献については、これは派兵も派遣もできない。ここになってきますと、今議論されておるような自衛隊機の派遣の問題、自衛隊法の改正の問題にまでかかわってまいりまして、党と政府とは違います、国の政策と我が党の政策とは違いますということで実は進めていくことはできないわけであります。

 そして、もう一つ申し上げたいのは、あなたはついこの間の七月の総選挙で、そのような立場で多くの方々に支持をいただいてきているんでしょう。その支持をいただいてきた人たちのその願いを、その考えを一体あなたはどういうふうにお考えになるんでしょうか。それを事もなげに、今、私どもは政府に入るために、大臣になるためにここは妥協しなければならないというような次元の話では私はないと思うんでございますよ。

 それじゃ、同じような次元からお伺いをいたします。
 実は、この後で触れたいと思いますけれども、私の地元は作況指数三二の大変な冷害でございます。稲が黄色く穂を垂れてくれないわけであります。青立ちのままの田んぼがいっぱいございます。その田んぼの真ん中に、昨年の参議院の選挙のときにお立てになったポスターがまだ残っております。非常に立派にできた、恐らく相当コストのかかったいいポスターだと思うのですが、田んぼの穂のように色が変わらずに、まだ鮮やかに残っております。

 そのポスターは、江田さん、あなたの顔がぱっと大きくありまして、そして「PKO法案に異議あり」と書いてあった。このポスターで昨年随分たくさんの方がやはりあなたの方の政党に投票をされたんだと思いますね。そのポスターを、まああなたはもう忘れておられるかもしれませんけれども、それを見る人たちにとりまして、どうなんでございましょうか。このPKOに対するあなたの御見解を今この段階で確かめさせていただきたいと思います。簡明にお願いします。

○江田国務大臣 お答えいたします。
 科学技術庁の所管ではございませんが、安全保障会議にも関連大臣として出席をしておりますし、PKOのことについてはお答えをしなければならぬと思っておりますが、私ども、PKOという活動が国際社会のために非常に大切な活動であるということを否定したことはございません。これはもう初めから、PKOについては日本はしっかりした協力をしていかなければならぬということを言っていたわけで。

 ただ、先般提案をされたPKO法、あの法律については異議があるということを言っただけでございまして、しかし、国会ではああいう形でPKO法ができましたから、今、PKO法がああいう形でできた、これを引き継いで国の政策は行われておるわけでございますから、これは引き続きやっていく、もちろん五条件を十分大切にしながら、こういうことでございます。

○津島委員 江田さんらしく非常に論理的な御答弁のようでありますけれども、それはPKO法案は御案内のような事情でとおっしゃいましたけれども、そのときに江田さんを含めて、山花さんを含めて、皆さんは議員辞職までされようとした。牛歩もされた。それだけ反対したPKO法案、その法案で自衛隊の皆さん方はカンボジアに行って大活躍をされたわけでございます。

 確かに、文民警察官とかボランティアの方の犠牲を伴いましたけれども、私は今度のカンボジア問題の解決は国連が行った平和活動のうちで最も成功したものだと思います。明石代表にも高い評価が今寄せられているところでございまして、ここで活躍をされた自衛隊の皆様方がお帰りになって、国民ひとしくおねぎらいを申し、感謝をしたい気持ちだと思うんですが、そういう中で、きょうの新聞にちょっと出ておりましたね。

 伊東議員、同僚、ここにお座りの伊東議員が、昨日、北海道の駐屯地においでになった。それで、そのことは大変結構なんですけれども、新聞によりますと、まだPKO活動について釈然としない点はあるがと、こう言っております。しかし、与党になったから出るのは仕方がないとおっしゃたのか、出たのでありますと、こうおっしゃった。こうやって、あの灼熱の中を活躍してお帰りになった方に、まだ釈然としないというような気持ちでもし国会議員がおいでになったとしたら、その自衛隊の皆さん方はどういう気持ちになるんでしょうか。私は、本当にこれは残念なことだ。だから、PKO法案について、理論的にはこうであって、結果としてはあのとき通ったから、あれだけ反対したけれども今はそれに従ってやりますよというのは、これは政治的には私は非常に問題だと言わざるを得ないのでございます。

 そこで、江田さんにもう一つお伺いしますよ。
 あなたは今のPKO法案は私の所掌じゃないとおっしゃったから、所掌の問題についてお伺いをします。

 あなた方は今まで、新しい原発や放射性廃棄物処分施設の建設を認めず、こうおっしゃっている。あなたは今、その大臣としてみずから所掌する分野で、いわゆる再処理工場は今認可を受けて建設を続けている、これを見守っている立場でありますね。ですから、これまでの皆様方の御主張からいえば、この廃棄物の処理場は実は建設を認めないということになるのがあなたの最も得意とする論理的な帰結だろうと思うのですけれども、その点について江田さんの御見解をただしたいと思います。

○江田国務大臣 お答えいたします。
 再処理施設は委員の御地元の青森県六ケ所村に今建設中のものでございまして、細川政権は、これまでの国の重要基本政策はこれを引き継いでいくということでございまして、既に建設中でございますから、これは十分安全に注意をしながら見守って、きっちりつくっていきたいと思っております。


1993/10/04

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