1994/01/10 |
○宮崎秀樹君 江田長官、お願いいたします。 ○国務大臣(江田五月君) 参議院での質疑の結果改めるべきところが出てきたらそれを改めるにやぶさかでないか、こういう御質問だと思います。 もちろん、それはそのとおりだと思います。私は所管ではございませんが、閣僚の一員として、内閣として精いっぱい考えてこれがベストだというもので出したわけでございまして、国権の最高機関は国会ですから、あとはもうそこで十分議論をいただいて、こういう点はこう改めようということになればお改めいただきたい。現に衆議院でもそういうふうにされたわけでございます。 ただしかし、私どもはまないたの上のコイでございますが、料理はしていただかなきゃいけないということだと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 ○宮崎秀樹君 今、料理のお話が出ましたけれども、味つけだとか、基本的に腐っているもめはやはりそれはかえていかなきゃいけないし、いろいろあろうかと思います。 (一部省略) ○宮崎秀樹君 時間がございませんので、江田長官、長官はわりかしマイルドなことをおっしゃっているんですね。ただ一言、並立というのは小選挙区が基本で、併用というのは比例代表が基本で、これは水と油だからまじらないといいます、私たちもあるいは理論的にはそうだと思うと、これは肯定していますね。 そこで、江田大臣はこれをどういうふうに今お考えになっていらっしゃるんですか。 ○国務大臣(江田五月君) 長い経緯はもう省略をさせていただきたいと思いますが、やはり政権交代がずっと起きないという状態を見て、どんな制度でもそれぞれ長所も短所もあると思いますが、同じ制度をずっと続けていくとどうしてもそこに悪いところがたまっていいところが消されてしまうということがあると思うんです。私は、中選挙区制度というのもそういうもので、一言で言えば制度疲労、これは変えたい。 そこで、私どもは随分前からいわゆる併用制というものを提案していたわけで、そこへ海部内閣当時に並立制の提案があった。並立制というのは小選挙区の欠陥も比例代表の欠陥も両方ともそのまま残って両方のいい面がうまく組み合わされない、これを組み合わせたものが併用制だからその方がいいんじゃないか。そこで、海部内閣の当時に私たちは併用制の主張をして、並立制の政府案を批判していたわけです。 ただ私は、海部内閣当時、当時の海部総理大臣と衆議院の方の委員会で対峙をいたしまして、そのときに海部さんに聞いたんです。並立制と併用制は水と油だ、まじり合わない、そういう言い方があると。理論的にはそうであろうが、しかし国民から見ますと、一人を選ぶ選挙区で一票をまず行使します、そして次にもう一票で政党を選びますと。それがどういうようにつながっていくかというのが選挙制度ですが、国民がそういう選択をするときの基準というのは同じことなので、それが水と油だという議論の方がむしろ国民にはなじまないのじゃないでしょうかと。海部さん、ひとつ野党と妥協する気持ちを持ったらどうですかと。そうすると野党の方も妥協する気持ちを持って、そこに両方が合意できれば一つの改革ができるじゃないですか、どうですかと。こういうことを聞いたわけなんです。 ところが、当時、海部内閣総理大臣はその妥協の一歩を踏み出すことができなくてつぶれたということでありまして、私は今でも同じような気持ちで並立、併用ということに、余り言葉にこだわるのじゃない、むしろ並立だって海部内閣のときだって重複立候補、そして惜敗率による比例順位の決定、そういう知恵があるわけだから、そこをじっくり議論をしてみる必要がある、今もそう思っております。 ○宮崎秀樹君 この話は切りがございませんので、時間がございませんので次に参ります。 |
1994/01/10 |