2001/02/03

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江田五月の国会レポート 第10号

政権交代実現の時  通常国会がスタート
江田五月会新春パーティー  菅幹事長を迎えて大盛況!!

政治 経済 永田町の今
 参院憲法調査会・アメリカ調査報告
 KSDは自民党の構造そのもの
 外務省・内閣官房機密費について
 有明海 ─ 公共事業が漁民の生活を破壊する
岡山トピックス
 倉敷市議選全員当選!!
 石田みえ選対事務所スタート

◆政権交代実現の時 通常国会がスタート

1月31日、第151回通常国会が召集されました。21世紀最初の国会です。会期は6月29日までの150日間。公職選挙法の規定で、参議院選挙の日程が自動的に7月12日公示・29日投票に固まりました。 (国会の会期が延長されればその分選挙も延びる)

実はこの日程は与党の党利党略です。東京都議選と参院選の間隔をできるだけ離したい公明党と、夏休みで投票率が下がった方がよいと思っている自民党の利害が一致して、この日程がつくられました。与党は「予算の早期成立」を口実に証人喚問に反対していますが、限度一ぱいまで召集日を遅らせたのは与党なのです。

この日程の関係もあって今回の国会は参議院選挙と一体となった国会となりました。KSD、外交・官房機密費、有明海、それに「大借金」と「ばらまき」と「先送り」の自民党政治はもう限界です。国民のみなさんもそれは先刻ご承知です。問題は民主党です。民主党に政権担当能力があることが明らかになれば、有権者のみなさんはいつでも政権交代を選択すると思います。民主党はまさに正念場です。政府を追及する場合でも、ただ追及するだけではなく、民主党ならこうする、という対案や方針を常に明確にしなければなりません。そして7月の参議院選挙で、野党が最大限の協力をして、与党を大差の過半数割れとし、年内に解散総選挙に追い込んで、構造改革と財政再建の新政権を樹立しなければなりません。

◆江田五月会新春パーティー 菅幹事長を迎えて大盛況!!

1月21日(日)午後3時半から、岡山プラザホテルで「江田五月会新春討論&パーティー」を開催しました。ゲストは民主党本部の菅直人幹事長。おかげさまで大盛況でした。

まず1時間半強、菅さんと私とで、姫井ゆみ子県議の司会で討論を行いました。参加者500人で、会場は溢れました。菅さんは、年末のヨーロッパ視察で見てきた、元気になったイギリスやイタリアの現状に触れ、たとえばイギリスでは、老大国を、まずサッチャーが大手術をして元気にさせ、次いでブレアが丹念にセーフティーネットを張りなおして、暮らしを立て直していることを紹介し、日本では自民党政治が利権漁りで本来の役割を果たさずに来たため、民主党の役割はこの両方、「市場原理」と「セーフティーネット」(自由主義と社会主義の融合)に挑戦することだと明言しました。そしてKSD問題に触れ、夏の参院選で「虎退治」を初め与野党逆転を果たし、直ちに議長なども野党で取って、解散総選挙で政権交代を実現すると、新しい日本をつくる道筋を示しました。

私も、先日の訪米の報告(別項)なども交えて今年の課題を話し、大いに盛り上がりました。会場からの質疑は、自民議員の酷さを個別具体的に言ったらどうかとか、精神障害者の福祉の遅れや民主党の主張の分かりにくさなどの指摘で、緊張したやりとりをしました。ご参加・ご協力いただいたみなさまに深く感謝を申し上げます。


政治 経済 永田町の今

◆参院憲法調査会・アメリカ調査報告

1月7日から14日まで、参議院憲法調査会のアメリカ調査団の団長として訪米しました。調査報告の詳細については私のホームページの「アメリカ憲法旅日記」に書きましたが、要点は次の3点です。

(1)先の大統領選挙の混乱も、憲法が機能したから乗り越えられたというように、アメリカ国民がアメリカ連邦憲法に対し、強い信頼を寄せていること、 (2)連邦憲法の原文に人権条項がなく、修正1条から10条も古典的な自由権の規定のみで、それも性差別禁止などに欠け、福祉、教育、労働といった社会権は規定がないのに、連邦の法律で憲法を補完しており、人権確保はしっかりしていること、 (3)主権者は国民で、大気、水、交通、教育など、課題ごとに選挙された地域自治体(district)があり、これが重なり合って自治機構を作っており、これが民主主義の原点となっていること。これからの憲法調査会の議論にとって有益な調査となったと思います。

◆KSDは自民党の構造そのもの

1月16日、自民党の小山孝雄参議院議員(当時、1月29日辞職)が、KSD( 中小企業経営者福祉事業団)事件の受託収賄罪で逮捕されました。外国人研修労働の期間延長と「ものつくり大学」の設立について、2千万円を受けとって、KSDに有利な国会質問をした容疑です。

小山氏のボスである村上正邦参議院議員は、自民党参議院議員会長と参議院憲法調査会会長を自ら辞任しました。村上氏が小山氏以上にKSDと深い関係があるのは明らかです。

また額賀福志郎経済財政担当大臣も1月23日、この問題で辞任しました。KSDから1500万円受け取って、官房副長官として小渕首相の施政方針演説の中に「ものつくり大学」の設立をもり込んだ疑惑です。

KSDは自民党の参議院比例代表選挙で、党員2万人・後援会員100万人分の党費と名簿を、村上氏と小山氏のために丸抱えで提供していました。まさに自民党の集金構造・集票構造そのものだったのです。 村上氏と額賀氏の証人喚問を何としても実現して、この構造にメスを入れなければなりません。

◆外務省・内閣官房機密費について

1月25日、河野外務大臣が、松尾元要人外国訪問支援室長の機密費流用事件についての外務省の調査結果を発表し、松尾元室長を懲戒免職とし、業務上横領容疑で警視庁に告発しました。この調査は、松尾元室長の個人名口座(5つの銀行に8口座と郵便貯金1口座)のうち、1つの銀行の2口座だけを調べたもので、不十分なものです。しかも横領と確認した5400万円は内閣官房報償費で、肝心の外務省報償費は調べておらず、松尾元室長の個人犯罪のみで、外務省の組織的関与はなかったとしています。

内閣官房報償費16億円と外務省報償費55億円は、使途を明らかにせず、領収書も不用、会計検査も受けないヤミ資金です。交通費やホテル代がどうして機密費なのでしょうか。これも古い政治と行政の象徴です。国会の場でメスを入れ、必要なものはキチンと予算計上し、「機密費」は廃止すべきだと思います。

◆有明海 ─ 公共事業が漁民の生活を破壊する

1月28日、有明海のノリが大被害を受けた福岡・佐賀・熊本・長崎の治岸漁民約6000人が、1345隻の漁船に乗って、長崎県諫早湾の潮受け堤防に対して、「宝の海を返せ」「水門をあけろ」「干拓事業中止」を訴えて、大規模な海上デモを行いました。

民主党は27日に、菅直人幹事長を本部長とする「有明海漁業被害対策・諫早湾干拓事業見直し本部」の視察団が現地に入り、菅幹事長は「一刻も早く、諫早湾の潮受け堤防の水門を開けて、原因調査をすべきだ。この問題は通常国会の最大のテーマのひとつとする」と語りました。

この問題も、KSDと同じように、自民党の集金・集票構造となっている農水省の構造改善事業の悪業です。自民党と農水省が、漁民の生活を破壊しているのです。自民党政治はいよいよ終わりに近づいています。


岡山トピックス

◆倉敷市議選全員当選!!

1月28日投票の倉敷市議会議員選挙(定数43名)は、北九州市議選・東京都議選とともに、4年ごとに、その後の政治動向を占う先行指標となる重要な選挙です。結果は、私が応援した10名が全員好成績で当選。よい結果となりました。民主党・連合推薦の今川鉄夫さん(16位)、笹田富夫さん(24位)、生田寛さん(29位)。連合推薦の浜口祐次さん(3位)、津崎賢さん(5位)、大野治さん(10位)、渡辺和生さん(13位)。無所属の矢野秀典さん(12位)、原田健明さん(30位)、片沼靖一さん(39位)の10名のみなさんには、大活躍を期待しています。

1月26日には県下9市町村(笠岡市・井原市・邑久町・長船町・牛窓町・吉井町・早島町・鴨方町・里庄町)をまわって、首長さんたちと懇談しました。これからも、県下の首長さんや議員さんたちと、できるだけお会いしたいと思います。

◆石田みえ選対事務所スタート

7月12日公示・29日投票の日程が固まった参議院選挙は、事実上もう始まっています。岡山選挙区は、定数が削減されて1名区となった結果、全国最大の小選挙区となりました。

今や自民党・森内閣の西の総本山となった岡山県で、自民党現職大臣を倒すことができれば、参議院全体の与党の大幅過半数割れは間違いありません。大変なたたかいですが、勝つチャンスは必ずあると思います。

2月下旬、石田みえさんの選対事務所がオープンします。

2月7日午後には、参議院本会議で石田みえさんの代表質問があります。ぜひご注目ください。石田みえさんの選挙準備を急ぎ、あわせて衆院選の体制づくりも行って、全員一丸となって今年の政治決戦を勝ち抜きたいと思います。岡山が変われば日本が変わります。


2001/02/03 第10号

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