1978/03/26 市民の革新政党を目指して

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社民連結成宣言

結成宣言

 私たちは、今日ここに、新しい党、「社会民主連合」を結成いたしました。

 さまざまなグループの私たちを、一つに結び合わせている絆は、わが国の社会主義運動への根本的反省と、市民の政治参加によって、沈滞し、行き詰まった日本の政治を、いわゆる五五年体制のワク組から解放し、活性化させようという一致した目標に外なりません。

 一九七八年、世界と日本は戦後の一つの時代を終り、もう一つの新しい時代へ大きく足をふみ入れようとしています。政治においても、いまだ過渡期にあるとはいえ、明らかに、「連合」と「変革」の新しい時代が始ろうとしています。私たちがあえて新発足を告げようとしているのも、そうした連合と変革の時代が私たちの運動を求めていると信ずるからであります。

 私たちは、今日の政治状況の下では、社会の漸進的改革をめざす、すべての社会民主主義勢力の結集こそが、連合時代の政治変革のために最も有効な方法であり、戦略であると考えます。私たちは、そのための主導的な一単位として、「新しい多数派」をつくり、自民党政治に替る新しい民主政治の扉を開いていく決意であります。

 私たちははっきりとその顔を未来に向けたいと思います。人間を疎外し、生態系を破壊に導く産業社会に替って、人間の権利と生活が保障され、自由と公正と連帯の三大価値が実現される共同社会の建設、いわば人間社会の「本史のはじまり」を私たちはめざします。今日の成熟と危機の高度産業社会においては、そのことはけっして抽象的な言葉ではなく、すでに実践的な課題になりつつあるからです。

 私たちはこうした転換の時代のなかで、新しい党を準備するために、何よりも頂点における国政の活動、そのための新しい同志の結集、各級選挙を重視します。それと同時に市民社会のすみずみにおける、新しい社会改革のための運動の先頭に立ちます。一方における労働運動、他方での市民運動、いいかえれば、大衆の生産と生活の両面において、従来の質から一段と高い新しい型の民主主義運動との連携を一層強めていきたいと考えます。

 私たちは、その前途にさまざまな苦難が存在することを否定するものではありません。しかし私たちが自らの路線を時代と社会に絶えず合致させるように全力をつくすならば、歴史が味方し、より大きい前進の機会が開かれていることを確信しています。

 私たちは、政治への参加を求めながら、これまでその道を閉ざされていた多くの市民、ともすれば不安や暗い先行きに心が沈みがちな若い人々、さらに社会党の内部でなお改革を試行している人々に、私たちの新しい運動への参加を心から呼びかけたい。未来を信じ、社会改革のために身を投じようとしているすべての人々に私たちの門戸は開かれている、と。そして私たちの手によって、明日また、陽はのぼるであろう、と。

 私たちは、本日ここに、わが国の政治史において全く新しいタイプの党として、歴史の新しいページを開くことを確信し、その第一歩を踏み出します。

 国民の皆さん、市民の皆さんのこの事業への心からの協働を望んでやみません。

 右宣言します。


 一九七八年三月二十六日

社会民主連合結成大会


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