2000年9月9日 | 戻る/ホーム/民主党文書目次 |
鳩山代表・菅幹事長新体制発足
代表選出大会で鳩山代表を正式に選出・新人事を発表
民主党は9日午後、東京・江東区のホテル・イースト21で2000年代表選出大会を開き、鳩山由紀夫代表の再選を正式に承認し、鳩山代表・菅直人幹事長を柱とした新執行部体制をスタートさせた。
大会ではまず司会の原口一博総務局長が、議長に大石尚子、津川祥吾両衆院議員を指名、会場の拍手で選出した。続いて、中野寛成大会実行委員長がパスカルの言葉を引用しながら「力と正義を兼ね備えた立派な政権を目指して、あらためて立ち上がり進んでいかなければならない」と挨拶した。
羽田幹事長が幹事長報告にたち、まず山本譲司前衆院議員の不祥事について「政治改革を党是とする民主党だからこそあってはならない、極めて遺憾な結党以来の危機といえる事態」だとして、民主党全体として深い反省の意を表明した。そして、中央代表選挙管理委員会の報告を受けての新代表の当選承認を大会議案とすること、また党規約を改正して、「特別代表」職を新たに設けることを提案した。
報告の最後に羽田幹事長は、「この国を立て直すために、それぞれの政党の違った文化、生い立ちを乗り越えて、それぞれのいい点をお互いに学ぶことができた」と、これまでの党の歩みを振り返り、「心を一つにしていろんなことを互いに乗り越えてこの政党を作っていこう」と訴えて、幹事長退任にあたっての挨拶とした。幹事長の二つの提案は拍手で承認された。
続いて、笹野貞子中央代表選挙管理委員長が登壇し、代表選挙の経過を報告し、鳩山由紀夫新代表の当選を承認するよう要請。満場一致で、鳩山代表の再選が正式に決まった。
大きな拍手を受けて登壇した鳩山代表は、「2期目の船出は大嵐の中での船出となる」と険しい表情で話し始め、「日本一クリーンな政党だと誇らかに自負していた民主党がこのような失態を演じてしまったことを、深くおわびしなければならない」と述べ、深々と頭を下げた。
さらに鳩山代表は「この問題を契機にして、私たちは国民の皆様のために不屈の精神でよみがえらなければならない。現実の日本の政治を省みるとき、私たちに躊躇や停滞は許されない。大嵐の中の船出を皆様方のお力で支えていただき、私たちの願いはただ一つ、国民のための民主党政権をつくること。その実現に全力を傾注していかなければならない」と力強く訴えた。
●幹事長に菅直人さん、特別代表に羽田孜さんを指名
続いて人事の発表に移り、鳩山代表は「元総理の実績を民主党の代表という思いで、世界中に民主党ありと理解を深めるためにご尽力願いたいし、参院選に向けての全国行脚のご指導を願いたい」として、羽田孜前幹事長を新設した「特別代表」に指名した。
さらに「自民党のいい加減なていたらくの政治にチャレンジするために、鋭角に、日本の未来を背負って戦い続ける菅直人さんに引き受けていただきたい」と述べ、菅直人前政調会長を新しい幹事長に指名する人事を発表、満場の拍手で承認を受けた。
さらに鳩山代表は、(1) ネクストキャビネットの官房長官役に幹事長、官房副長官役に政調会長、国対委員長をあてる。(2) 衆参のスムーズな国会運営のために「国会役員会」を新設。メンバーは代表、特別代表、幹事長、幹事長代理、政調会長、国対委員長、参議院議員会長、参院幹事長、参院国対委員長、企画委員長の10名。(3) 副代表の意見を定期的に聞く会を新設――の3つを発表した。
菅幹事長は「民主党を国民の皆さんに信頼される政党にしていきたい。党に属している全党員、全議員、全職員がその能力をフルに発揮できる環境を作り上げていきたい。党内の皆さんとの間では昨年の公約通り耳7割・口3割でいく。他党との論戦では口7割・耳3割でいく」と就任の挨拶。幹事会とネクストキャビネットのメンバーを発表した。
羽田孜特別代表は「決して出しゃばらずに、飾り物にならないように懸命につとめたい。ぬくもりのある政治、信頼と頼りがいのある政党にしていきたい行動する政党にするために、新しい覚悟と決意で臨んでいく」と就任の挨拶を行った。
●野党の気楽さに甘えず民主党政権実現へ必死に取り組む
〜鳩山代表指名受諾演説
この後、鳩山代表が再び登壇し、約1時間に渡って代表指名受諾演説を行ない、「自立」と「責任」と「共生」を柱とする「ニュー・リベラル」の考え方について体験談や実例をあげながら、詳細に訴えた。その中で、「モラルと責任のある社会の確立」「競争の促進とIT革命による強い経済の実現」「自立を支える社会政策としての福祉の確保」「現実的な自立・自尊の外交政策の展開」「地方分権と中央政府の改革による統治の回復」の5つの基本メッセージを提案。
最後に、党運営について、「心の底から政権を実現しようと熱望する強い野心が必要。野党としての気楽さに、批判政党としての居心地の良さに甘えているところはないか。21世紀の日本を大切にする気概があるのなら、民主党政権の実現は私たち一人ひとりにとっても必死の課題でなければならない」と強調し、不祥事からの信頼回復を訴え、決意表明を終えた。
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