2003年4月30日(水) | 戻る/ホーム/記者会見目次 |
菅 直人代表/定例記者会見要旨
○統一地方選をトータルで見れば、党組織が充実してきた現れが成果として出ている ○緊急事態法制の対案を提出、政府案よりもしっかりした中身だと自負している ○労基法改正問題は、答弁に従来と異なる説明があり、しっかり取り組んでいきたい ○自由党との合流問題については、役員会で4つの選択肢につき意見交換 |
統一地方選をトータルで見れば、党組織が充実してきた現れが成果として出ている
【代表】4月27日に、後半の統一地方選と統一衆参補選がおこなわれました。幸い東京6区の選挙では、小宮山さんが自民党公認候補を大差で破って当選されました。石井紘基さんの議席を守れたということに加えて、やはり東京という大都市部で、自民党が総理も入って全力を挙げた公認候補を大差で破ったということは、大変大きな意味があったのではないか。
都市部で民主党が前回確保した議席が多かったわけですが、少なくとも統一補選ではその流れがきちっとした形で戦えば、十分に再現できるということを証明した意味は大きかったのではないかと思っております。
統一地方選挙では、それぞれ首長選では残念な例もいくつかありますが、全体として県議選あるいは市議選含めてかなり議席数を伸ばしている。結党ちょうど5年目にあたるわけですが、地方組織は少なくともスタート時点に比べて次第に充実してきている、その現れだと思っております。
もちろんまだ地域ごとにかなり大きな隔たりがありまして、弱い地域もありますので、これからの課題も多いわけですが、少なくとも今回の前半・後半の統一地方選挙トータルとして見れば、民主党の組織が一定程度充実してきたという、その現れが成果として出てきていると思っております。
緊急事態法制の対案を提出、政府案よりもしっかりした中身だと自負している
【代表】2点目に有事法制についてですが、報告によりますと、本日午後2時ですから先ほど、民主党としての緊急事態法制に関する対案を政調会長が衆議院の事務総長に提出をいたしたというふうに、報告を受けております。
内容はもう皆さんご承知のとおりでありますが、いまの政府が出されている法案よりも内容的にはしっかりした中身になっていると私たちは自負しておりますので、それを踏まえた審議を連休明けからしっかりとやってもらいたい、やっていきたいと考えています。
今日、ニュースで、いまの防衛出動の簡略化を検討するというような報道が出ているようであります。結局従来の法体制が、どちらかといえば旧ソ連が北海道に上陸してくるといったような、そういう想定のもので組み立てられていて、ミサイルの攻撃が最初に来るといったような想定があまりなかったわけでありまして、そういうことも含めてわが党の前の法案についてすべてではありませんが、少なくとも先ほど申し上げたように政府案に比べれば、いろいろな場合を想定した中での対応が出ておりまして、そういった意味を含めてしっかりとした議論をしていきたい。
政府の防衛出動簡略化報道というのは、見ようによっては政府案の問題点を逆に浮き彫りにしているというふうに見ることができるのではないかと考えております。
労基法改正問題は、政府側答弁に従来と異なる説明があり、しっかり取り組んでいきたい
それに加えていろいろ後半国会の中で、雇用に関する法律がいくつか出てまいります。別の表現を使えば、労働法関係の法律が順次出てきておりまして労基法の問題なども議題に上がってくると思います。
実は今日労働政策審議会労働条件分科会労働委員という皆さんが、連名で厚生労働省の松崎労働基準局長あてに、解雇ルールに関する立証責任問題についてという言わば申し入れといいましょうか、そういったものを出されたようであります。
これは実は先月、わが党の城島正光衆議院議員が出された質問主意書、今月4月11日に答弁書が来ておりますけれども、それがいわゆる労基法改正の趣旨が現在の解雇権濫用法理にそのまま規定するものであるから、立証責任についても「現在と同様、使用者が解雇権濫用にあたらないこととなると考えられる」と従来は説明していたわけですが、しかしわが党の城島正光衆議院議員の質問主意書に対する答弁では、その趣旨とまったく違って、「解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないことを基礎付ける事実については、労働者側に主張立証責任があるものと考えられる」という答弁になっている。
細かいことは関心のある方は質問主意書の答弁原本を見ていただきたいと思いますが、簡単に言えば、辞めるときの理由を雇用者側に立証責任があるとされていたのが、ある部分で逆に辞めさせる側がそうでないことを立証しろということになっており、大変に解雇される側にとっては、きわめて弱い立場になるわけであり、このことについての問題点を分科会労働委員が問題提起しております。
こういったことも踏まえ、かなり問題の多い法案も出てくるし、従来の説明を異なることも出てきているので、しっかり取り組んでいきたいと思います。
自由党との合流問題については、役員会で4つの選択肢につき意見交換
自由党との選挙協力あるいは合流問題については、今日の役員会でも議論いたしました。確認されたことの第一点は、300小選挙区で自由党とわが党が、候補者がバッティングする所がないようにしよう、つまりすべての選挙区でバッティングをしないところまで調整をする。その目標に向かって全力を挙げよう、ということで確認をいたしました。
いろいろな所がまだバッティングの可能性がかなり残っているわけですが、象徴的に言えば、自由党は4人の小選挙区で当選された方がおられますが、岩手の3人についてはわが党の推薦を事実上決めたというか、調整の中に入っておりますが、藤井幹事長の所は、前回わが党の善戦した候補者がいるわけでありまして、そういう点ではまだ調整ができていないわけです。
いろいろわが党にとっても厳しい問題もあるわけですが、たとえばこういう象徴的な所についても、ここの例で言えば小選挙区で当選されているのが藤井幹事長でありますから、わが党側の候補者を何とか別の選挙区に移ってもらうということを含めて調整をしていく。
たとえばこういう形で、こちらにとって厳しい所もありますし、場合によっては自由党にとって厳しい、ご無理をいただかなければならない所もあり得るわけですが、少なくとも与党が自公保の前回の選挙で300小選挙区でバッティングした所は、私がチェックした限りではただの1ヶ所でありました。
東京の山口さんと平沢さんの17区が自民党公認と公明党公認の存在した選挙区で、他の選挙区は、公認なしで出た人はたくさんおられましたが、少なくとも与党の3つの党のうち2つ以上の党の公認候補がバッティングしたところは、私が調べた限り他には一つもありません。
与党のほうがすべて選挙区を調整しきっているのに、野党で調整しきれないのでは基本的に勝負になりませんから、まず自由党との間で全選挙区を調整するという方針で臨むことを、まず役員会で確認しました。
加えて合流問題について、幹事長からこの間のヒアリングの報告を受け、また自由党との間での協議の状況も報告を受けました。幹事長のほうから、一部報道にも出ていますが、一つの考え方の整理として、4つの選択肢の説明がありまして、その4つの選択肢を巡って若干の意見交換をいたしました。
完全合流、そして衆議院だけの合流による、選挙は統一名簿で比例も戦うというやり方、三つ目は統一会派というやり方、四つ目が選挙協力、さらには政権構想をともにするというやり方という4つの選択肢が出されました。いろいろ意見交換をいたしまして、そういう統一会派といった新しい観点も含めて議論をしておりますが、今日の時点では結論を出すというよりも、役員会における議論があった。さらに連休中はなかなか難しいのですが、そういう議論を踏まえて電話で連絡することもあるかもしれませんが、連休明けに更なる党内の調整をおこないたいと思っております。
<質疑応答>
自由党との合流問題は、今日の意見交換を含めて何らかの形で前向きに考えたい
【記者】自由党との合流について、今日示された4つの選択肢のうち、代表の意見はどれが一番、最低どこまでやりたいとお考えでしょうか?
【代表】代表という立場でいえば、いろいろな話を聞く立場で、基本的には聞く立場で話し合いに参加しました。何らかの形で前向きな形をとれないかと考えていますが、役員会での議論は初めてですので、今日の話し合いの意見交換を含めて、更に私なりに考えていきたいと思います。
【記者】前向きな形とは具体的にはどのようなものでしょうか。
【代表】具体的に言いにくいので前向きと言ったんです。つまり今からまだ党内のいろいろな意見を幹事長がかなり聞いてもらっているわけですから、必ずしも4つの選択肢をそれぞれ○×をつけてもらったという聞き方でもありませんので、そういういろいろな意見、更にはそれぞれ幹事長が聞きとってもらった意見も、衆議院議員あるいは参議院議員などいろいろな要素があります。
そういうことも含めて、今日の役員会という場でこういう形で議論をしたのは確か初めてなものですから、役員という立場もありますし、同時にそれぞれの個人のものの考え方もありますので、そういう点で今日の議論を踏まえて前向きに考えたいと、そういうことです。
【記者】前向きというのはどちら側に向かっての前向きということなのでしょうか。
【代表】いつも申し上げていることですが、先ほど選挙のことでも申し上げましたが、やはり国民の皆さんに対して野党第一党と第二党になるわけですが、その二つが協力をして政権を目指しているんだという姿勢を示すことが大変重要なことだと思います。ですからそういう方向の前向きということです。
【記者】合流するのかしないのかということなのですが・・・。
【代表】ですから、その4つのどれがいいかということを答えるとしたら、抽象的に言う意味がないわけです。ですからとりあえずそういう議論が始まったということで、私としてはできるだけいま申し上げたように両党を含む、野党全体の結集という方向で、あるいは協力という方向でもいいのですが、前向きの方向でより進むように努力したいと思っています。
ただ結論的には、いつも言うことですが、あまり進みすぎて足元を見たら足元が壊れていた、前向きにいったつもりが結果において前向きでなかったりしますから、できるだけ前に向かいたいと思うけれど、何かピラミッドでもあまり積み上げすぎて下のほうが崩れたのでは、逆に積み上げたことにならなかったりしますから、そういうことを考えながら、方向としてはできるだけ共闘関係は前に進むようにということです。
【記者】意見集約の方法ですが、具体的には役員会で採決をとるのか、あるいは代表・幹事長に一任するとか、どういう方法になりますでしょうか。
【代表】これは法案の政策課題以上にちょっと独特の問題でありますから、単純にどこかで採決するとかという形とも若干違うと思います。また役員会は大変重要な場ではありますが、必ずしも役員会だけで何か方向性を出しきれるかどうか、それも今日の役員会の議論も踏まえて考えなければいけないと思います。
集約の仕方も、必ずしも政策課題であれば、ルールが決まっていて一般的にいえば次の内閣で決めるという形になっていますし、いろいろな政治課題でいえば常任幹事会で決めることになっていますし、更にこういった問題は両院議員総会とか更には大会とかになるわけですが、意見集約というのはあくまで意見集約ですから、最終的な何らか決めるときの手続きは当然ながら常任幹事会とか場合によっては両院議員総会とか、最終的には必要になるとは思いますが、そのまだ手前の段階ですから、その手前の段階でどう集約するかというのは、基本的には幹事長を軸にして努力をしていただいているところで、私ももちろん一緒になって党内の意見をまさに集約していきたい。
必ずしも決まった手続きというのではなくて、そこに出せるまでは役員会、常任幹事会という手続きの流れではありますけれども、幹事長中心にして私も加わって集約に努力したいと思っています。
緊急事態法制もきちっと提案、政権を任せてもいいという見方につながってもらいたい
【記者】有事法制について、政権を目指す上で、近頃ミサイル防衛についてなど代表はかなり踏み込んだ発言がありますが、それは政権を意識したものなのでしょうか。
【代表】政権を意識する、しないということは、皆さん方のほうが意識しているのではないでしょうか。つまり最初にしきりに民主党は、安全保障問題ではなかなかまとまらないから政権には届かないんだという論調が、別にどの社とは言いませんが、多かったわけですが、私たちは別に論調がどうのこうのを抜きにして、この民主党が出来るときから安全保障問題で逃げた対応をしてきたつもりはありません。
当初から緊急事態法制、あるいは安全保障に関する基本政策をまとめ上げてきて、積み上げてきたわけです。ですから今回も12月に現執行部ができた段階、さらに1月の大会でしかるべきときには対案を出すということを、公に向かってきちっと言ってきたわけですから、その線に沿って提案をしたということであります。
そのことが、いわゆる民主党の従来の弱点というのか、民主党がこの問題ではまとめきれないだろうという一部批判に対して、そうじゃない、十分にそういうことはまとめきれて、政府よりもしっかりした中身を出せるんだということを示すことが、結果においてより政権を任せてもいいという見方につながってもらいたいなと思っています。そのためにやったということではなくて、本来当然やるべきことをやった。
98年には安全保障ではありませんが、金融という非常に難しいものの中で金融再生法を出したのも、従来の野党のように政府案にいちゃもんをつけるのではなくて、政府案が出せないものを出したというそういう自負はもっていますが、今回安全保障の面でもそういうふうに言えるような中身を出したと思っております。
ミサイルディフェンスの問題などについても、何かそういうことを意識してというよりも、いまの日本が置かれた状況の中で、何を考えるのかというふうにものを考えているところです。かつてSDIのときの議論は、まだソ連が存在していてソ連とアメリカの大陸間弾道弾を想定した問題でありました。
最近はかなり日本の周辺でも、まさに北朝鮮のノドンミサイルとかテポドンといった問題もありますし、パトリオットの最新型はかなり命中度も上がってきたというのは技術的な進歩といったこともありますので、そういう日本の置かれた状況、国民の安全というものを考えていく中で、私があるとき申し上げたのが、そういう研究に参加するかどうかを検討してみてもいいのではないか、まさに日本の置かれている状況の中で申し上げたわけです。
自由党との合流問題、意見はいろいろ出たが、週明けに更なる議論をしたい
【記者】自由党との合流の話ですが、先ほど役員会では、必ずしも合流とかあるいは統一会派というものに対して、賛成という意見が出たというよりもむしろ慎重な意見が多かったと聞いていますが、その場合代表・幹事長が軸になって、より共闘関係を強めるという方向で意見集約をするということで説得をするということでしょうか。
【代表】まず何度も申し上げていますように、4つの選択肢ということも、初めて役員会の場に幹事長のほうから考え方として一つの提示があったわけですし、それについて意見を交換するのもある意味では初めての経緯です。
ですから、いろいろな意見が出たことは事実ですが、それで今日の議論としてまだ結論を出すには早いということで、連休明け早々にもまた役員会でも更なる議論をしようと思っています。ですから、こうなったからこうするという意味で申し上げたわけではありません。もっと一般的に、この間ずっと続けていますが、先ほどと重なりますが、冒頭申し上げた選挙協力ということも従来よりはかなり踏み込んで、できれば連休明けくらいまでには、象徴的な選挙区での少なくともこちらが努力しなければならない所については、決められたことは決めていきたいと思っています。
ですから、そういうことまで含めて、全体としてできるだけ前向きにいきたいということを考えていると申し上げたのです。
【記者】1月の党大会以降、代表が合流問題について外部の有識者などを交えて議論をして推進していくんだと、外側の意見を尊重して党の態度を決定していくという考えをおっしゃっていたと思いますが、統一地方選などをご覧になって、世論は合流について何を評価し、評価していないのか。
それから有事のほうですが、結党以来いろいろと議論をしてきたとおっしゃっていましたが、長く時間がかかったということについてはどう思われるのか。それから修正協議に求められる対応などについてどうお考えでしょうか。
【代表】世論というのは、私が皆さんにしょっちゅう聞いていることです。世論というものをどう見るかというのは、なかなか誰にとってもたぶん難しいことだと思います。とくにこの問題で言えば、私も直接的にいろいろな方に聞いています。もちろん直接会った人にも聞いています。率直に申し上げて様々ですね。あるいはいわゆる有権者と言われる地元の人とか、いろいろな対応について、いろいろな意見がありますが、それも様々です。
ここは小沢さんと一緒にやってくださいという人もいるし、それは絶対困るという人もいますし、ですからそういう人が圧倒的に片方に傾いているとは思いません。しかし先程来申し上げていますように、与党のほうにおいてもきちっと選挙協力をやっているわけです。これがあまり最近はその言葉を使いませんが、イタリアのオリーブの木という選挙における共闘組織が5〜6年前にありまして、それがプロディ政権を生み出したわけです。
それもまさに小選挙区における統一候補ということに成功したグループが統一候補で、比例はバラバラでしたが、政権をとったという歴史があります。ですからそういう点を含めて、私はそこまで進めることについては多くの国民は、つまり自分たちが投票するときに、与党1人野党1人というのが一番望ましいのですが、バラバラでないということについては理解を得られる、あるいはそれは望ましい方向だと見てもらっていると思います。
ただ合流云々については、率直にいって追い風というか熱気というか、そういうものがもうちょっとあってもいいのかなと思いますが、まだそう強い熱気は感じられるところまでは来ていません。これからこの議論がだんだん注目されておりますので、逆にこれからそういうものについて、もう少し世論といいましょうか、はっきりした形が見えてくるのかなと思っています。
有事について長くかかったというのは、若干誤解があるのではないでしょうか。私が申し上げたのは、安全保障政策について民主党は、出来たときからきちっとした対応をしてきたというか、基本的には積み上げてきたつもりでありますし、その中における緊急事態法制の必要性をきちんと提起してきました。
法案そのものは政府案が昨年出されたわけですが、その政府案でさえ人権問題とか多くの問題は2年後のとりまとめということになっているわけで、今回わが党が出した法案自体でも相当内容的になんと言いましょうか、条文の数というより内容的に非常に幅広い、非常に奥行きの深いものでありますので、これだけのものを出すにはその程度の時間がかかるのは当然ではないか。
部分修正案を出すのにそんなに半年もかかったのではなくて、まさに政府案にない基本法をゼロから作り上げ、政府案に対応する修正についてもかなり踏み込んだところの修正案ですから、それはこれくらい時間がかかるのはある意味では当然ではないかと思います。
【記者】修正協議については・・・?
【代表】修正協議は、わが党案がまず今回あるわけですから、政府・与党の皆さんがわが党案についてどういうふうに思われるのか、まずその意見をうかがいたい。本当なら本会議ででも聞きたいのですが、まあいろいろな経緯の中で委員会からの質疑になるようですが、6日以降の質疑の中から、どういう点をわが党案について与党の皆さんも評価して下さるのか、逆に問題点があると言われるのか、そこのところを十分聞きたいと思っています。
自由党との選挙協力はできるだけ努力、個人情報保護法案は参議院でも十分な審議を
【記者】二つおうかがいします。一つは自由党との選挙協力についてですが、先ほど代表が神奈川の藤井さんの選挙区について、わが党の候補者を別に選挙区に移動させると発言されました。計屋さんにはそういった方針を伝えられているのか、これから伝えられるのならどのように伝えるつもりか。
もう一つは、個人情報法の採決が25日にありましたが、野党がもっと審議を求めるべきだったのではないか、という意見がありましたが、それについてお聞かせ下さい。
そして参議院の審議の進め方についてお聞かせ下さい。
【代表】最初の一点目は、先日の幹事長と選対委員長を交えた会合をやりまして、今日その場所の確認をしたのですが、そういう方向の努力はできるだけやろうということは、数日前にもしております。現時点で伝わっているかどうかは知りませんが、少なくとも選対委員長が中心になってまずは、あるいは必要であれば幹事長も加わって、もちろん県連との話もありますし、ご本人に対しての提言というか、説得というのでしょうか、をしてもらって、現時点では伝わっているかどうかは確認していませんが、そういう方向で作業を進めるということは、数日前から幹事長と選対委員長とは話をした上で、今日大きな方針を確認した。
あえて例を挙げたのは、つまりは自由党の幹事長という、あるいは自由党にとっては小選挙区で当選された4人のうちの3人までは全部岩手ですから、わが党が候補者を出さないで応援するということを決めているわけですから、もう1人幹事長の所が残っているものですから、そういう意味で象徴的な所ということで取り上げたわけです。
個人情報保護法の問題で、徹底審議が不十分ではなかったかという趣旨のご指摘かと思います。率直に言って私も細かい経緯を知っているわけではありません。ただ野党4党で案をまとめて、対案として出したという経緯がありますし、その中でいろいろな議論があって、更に防衛庁の住基の違法といえるのか、不当な利用があって、そういった問題も国会の議論の中に更に必要だということで集中審議などもおこなったと聞いています。
最終的に十分であったかなかったかというのは、それぞれの見方があると思いますが、わが党の国対などの報告によれば、そういったギリギリそういう問題も議論をした中での日程であったということを受けています。もちろん参議院でも残された課題がたくさんあるわけですから、十分な審議をしてもらいたいと思っています。
【記者】代表ご自身が決断されるにあたっての基準ですが、さきほどあった党内の結束というのを最大限配慮しているのでしょうか。
【代表】一番大きなこの問題の目標は、両党が何らかの形で協力することによって、自民党あるいは自公保政権を倒して、民主党、更に自由党を含めた政権をつくる、つまり政権交代が目標です。ですから政権交代により近づく、より可能性を大きくするとそういう方向に向かって努力をしたいし、そういう基準で物事を考えたいと基本的にはそう思っています。
ですからよく皆さんにも言うことですが、それは合流したほうが一番それにより近づくと私なりに納得できれば、それを目指すのは当然だと思います。ただ一方では合流しようと思って足元を見たら、数十人の人がそんなの反対だと言っている。極端に言えば党が割れていたら、合流を目指すのは正しかったかもしれないけれども、結果においては目標に対しては逆に遠ざかってしまったということにもなりかねないわけですから、そういう点では、政権交代実現の可能性を最大にするという基本に沿って、他にもいろいろやっていますが、両党関係をそういう方向に向かって進めていきたいという基準です。
【記者】先ほどオリーブの木の話が出ていましたが、持論として統一首班とか選挙協力とかおっしゃっていましたが、そういうことから踏み出したいということか。それから先ほど世論の話が出ていましたが、先行きを見通して段階的に今後変化していく可能性があるのかどうかということをお聞かせ下さい。
【代表】一番目の質問の趣旨がよく分からないのですが、オリーブの木というのはイタリアが大変な政界汚職があって、数百人の国会議員が政界から追放されて、いくつかの党が消滅するという衝撃的な事件が十数年前にあった中で、当時の共産党が党名を変え、そして他の中道グループと組んで中道政治家であったプロディさんという方を統一候補に掲げて、中道右派と右翼政党との間で、まさに各小選挙区ではほぼ一対一の戦いに持ちこんで勝ったという歴史的な事実が数年前にあるわけです。
それをまた日本に紹介した学者がいて、そういう動きが98年頃だいぶありました。そういうことは当時だいぶ勉強しました。またプロディさん本人からも話をいろいろ聞きました。イタリアに行って最近第二弾をやって、今回は成功しませんでしたけれども、イタリアのローマ市長を統一候補を掲げて戦ったわけですが負けました。それは一つの参考例で申し上げています。
小選挙区というのはいわば、そういう二大政党なのか、二大グループなのかは別として、つまりは各小選挙区で、例えば自公保グループの候補者が通れば小泉さん、民主・自由そして他の野党も一緒になれれば、その候補者が通れば、例えばいまであれば野党第一党の党首である私が首班というか、暗に首班候補にどちらを選ぶかということを非常にわかりやすい形で、小選挙区で選ぶという構造になります。
私がよく大統領選挙の選挙人を選ぶ選挙に近いと言いますが、ある意味で国会議員を選ぶと同時に衆議院議員は総理大臣の選挙人ですから、Aというグループの候補者を選べば小泉さん、Bというグループの候補者を選べば菅とか、そういう対応にすることは、私は国民が自分たちの手で総理大臣を選んだという実感が持てるわけです、選挙をするたびに。そういう意味からいっても望ましい形だと思っているわけです。
ですから与党は、結果的にオリーブの木とか言葉は使いませんが、そういう構造になっているわけですから、野党がそれに対抗する上でも戦術的にも戦略的にも、あるいはいま申し上げた本質的な国民の政治参加の意味からも、それが望ましいという思いは、今ももちろん変わっていませんし、この間の努力もそういう方向とは矛盾しないというか、そういう方向に沿った努力をしているつもりです。
世論の動向うんぬんについて、どういうふうに見通しているかということですが、有事法制の場合は国会日程なども含めて当然ながら無限に先送りすることはできませんし、しかるべきときに出すということで、私たちとしてはしかるべき時に出したつもりです。
この問題は、最終的には選挙のときに最大の効果を表さなければいけないわけで、いくらいまうまくいったと一時的に見ても、選挙の前にガタガタになったのでは意味がありませんから、つまり次の衆議院選挙の段階で最大の効果が発揮できるように、もちろん両党間のいろいろな約束もありますから、そういうものが壊れないように、第一段階はかなり積みあがってきている、第二段階もかなり積みあがっている、そろそろ第三段階に登るところですが、そういうものが崩れないように見通しながら、しかし目標は衆議院選挙ですから、その日程を睨みながら考えていきたい。それ以外の日程は、逆にいえば合意の上ではいろいろな日程があり得るわけですから、もうちょっといろいろな情勢が温まってきてからのほうがやり易いですね。まだみんなも今日ぐらいですからね、こんなに質問が出るのも・・・。
まだ始まったばっかりじゃないですか、言ってみれば。もうちょっと社説に毎日書かれるくらいになったらもう少しあれでしょうね。
編集/民主党役員室
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