2003年6月17日(火) 戻るホーム記者会見目次

菅 直人代表/定例記者会見要旨

○会期延長は、解散・総選挙に至る新しい幕開け、決戦のラウンドに移る
生保予定利下げ問題は、国民に見えていない分、参議院で頑張ってもらいたい
党首討論では、農業問題なども取り上げていきたい
政治資金規正法の改悪問題は許し難い逆行であり、断固として阻止する
竹中大臣の間違った行動に対して、不信任ということも検討に値する
総理の内閣改造発言:国民に対する公約を平気で反故にすることが大問題

■会期延長は、解散・総選挙に至る新しい幕開け、決戦のラウンドに移る

【代表】先ほどの本会議で、40日間の会期延長が、我々は反対したのですが、正式に決まりました。これで通常国会の会期延長は一度だけでありますから、7月28日の月曜までの、いわば土俵の大きさが決まったわけであります。

しかもこの間、自由民主党は、党内の総裁選を巡る思惑の中で会期幅を考え、あるいはいろいろな再選をした場合の内閣改造案といった、ちょっと常識では考えられないような議論まで、すでに自民党内で公然と話題になっている。こういう状況を見ますと、ある意味では、この延長された国会というのは、私たち民主党にとってみても、いわば国会終了後の解散・総選挙に至る新しい幕開けのスタート。

この半年間、新しい執行部が誕生して通常国会に入って、それぞれしっかりとした、出すべき対案を出して、引き出すべきことはやってきたわけですが、この第一ラウンドから、いよいよ総選挙に向けて言えば、準備ラウンドから、いよいよ決戦のラウンドに移る。それが今日の会期延長の決定だと考えております。

そういった意味で、もちろん私たち自身は、自由民主党のように党内政局の思惑で左右されることはありませんけれども、しかし逆に言えば、自民党のそういう党内政局というものもしっかりと睨みながら、戦うべきところは徹底して戦っていく、そういう姿勢を強めていきたいと考えています。

■生保予定利下げ問題は、国民に見えていない分、参議院で頑張ってもらいたい

【代表】そういう中で、この国会会期中に政府提案で成立しなかった法案として、生保の予定利率引下げ問題があります。これもどちらかと言えば、会期末に、りそな問題などがある中で、ややドタバタと政府案が出され、必ずしも広く国民に内容が理解されないうちに衆議院を通過した。

我々は反対をしたわけですが、情報公開もきちっとされない、一方的な会社側の利益だけ考えた法案ということで反対しました。しかし今日も、私のところに何人かの議員が、これはちょっと別の問題でありましたが、いわゆる竹中さんの問題でありましたけれども、その時に、この生保問題は本来なら机をひっくり返してでも反対しなければいけない問題だったのではないか、ということを言っておられました。

参議院に回っておりますけれども、この生保予定利率問題は、衆議院での議論が、りそなに隠れて国民の皆さんに十分見えなかったその分だけ、参議院の皆さんに徹底的に頑張ってもらいたいと考えておりまして、私のほうからも関係者にお願いしたいと思っております。

■党首討論では、農業問題なども取り上げていきたい

【代表】先週末から山形県の酒田市、および酒田市の一角にあります飛島という離島を訪ねてまいりました。酒田市の隣町の松山町という所でも、いろいろと米の農家の方たちと車座で話し合いをしましたが、その時に時期を見て、農業問題も党首討論で取り上げていきたい。逆に言えばそういう皆さんも、是非党首討論で農業問題を取り上げてもらえないか、という要請もありましたので、いつというところまでは約束はしていませんが、是非機会を見つけて取り上げていきたいと申し上げておきました。

会期延長の中で、どういう議論がおこなわれることになるのかまだ分かりませんけれども、会期延長そのものは反対し、その間の経緯がありますので、与党が自分だけの勝手な課題だけを議論するというやり方にしてもまずいわけですから、そこはしっかりと土俵の中身を議論いたしますけれども、できるだけそういう意味では党首討論を実現して、従来必ずしも十分テーマにできなかったこういった重要な問題についても、取り上げていきたいと考えております。

■政治資金規正法の改悪問題は許し難い逆行であり、断固として阻止する

【代表】政治資金規正法の問題も、延長後の課題になってくると思います。これは他の機会にも言っていますが、まったく許し難い逆行だ。国民が求めているのは、政治とカネの問題に対する透明性であり、またいわゆる政府の関係した仕事などに関わりを持つ企業が、いわば政治との癒着によって談合を繰り返して仕事をとるという、そういう仕組みの問題でありますから、そういう政治とカネの問題に対する透明性を高める改革でなければいけない。

あるいは企業献金の中での、わが党が自主的にやっているように、ある意味で国の仕事を中心にしたようなところであれば、いろいろ問題だと。そういう改革とはまったく逆行した改革ですから、こういったものをどさくさに紛れて改正させることは、断固として阻止しなければと思っております。

■聖域を設けた地方分権は分権の名に値しない、明確に論陣を張っていく

【代表】更にもう一点言えば、財務省と総務省との間で三位一体という言い方で、地方への補助金のカット、そして財源の委譲ということが言われております。しかしその中身を見ると、公共事業の問題は枠外だと。逆に言うと、学校の先生の給与とかそういう問題で国の補助をカットして、地方に7掛けで財源を移す。

これは工夫しようと言っても人件費だけですから、そんなにいきなり3割カットなんてことはできないわけですから、結局は地方への負担の押し付けということにストレートにつながっていく。公共事業であれば、私がいろいろな知事に聞くと、ヒモがついた100億よりも、ヒモがつかない70億のほうが、県民にとってプラスになる使い方ができるんだと、こういう言い方をされる方もたくさんいます。

ですからまったくこれも言わば逆行している。いわゆる必要経費として、人件費のようになかなか変更できにくいものだけを国から地方に移して、しかも7掛けで財源を移す。しかしある程度工夫の余地のある、あるいはそれぞれの地域に応じて選択の余地のある公共事業について、一切手をつけない、まさにこれは族議員と族官僚の聖域だと。

誰か聖域なき構造改革と言っていた総理もいたようですが、まさに聖域を設けた地方分権なんていうものは分権の名に値しません。この点もこれからの審議の中で明確に論陣を張っていきたいと思います。

以上のように、この延長後の国会運営は、私たちにとってはまさに戦いの場であるという認識の中で進めていきたいと思っています。

<質疑応答>

■竹中大臣の間違った行動に対して、不信任ということも検討に値する

【記者】先ほどの竹中大臣の不信任案を提出すべきであるという申し入れがあったようでありますし、それについての代表の現時点のお考えをお聞かせ下さい。

【代表】この問題、この定例の会見でも一、二度ご質問をいただきました。その段階では、いわゆる自民党の抵抗勢力と手を組んでそうした行動に出たと、間違ってもそういう見られ方をするようなことは気をつけなければいけない、そうならなければいけない、と申し上げたかと思います。そのこと自体はいまも変わっているわけではありません。

しかし竹中大臣が、この間金融庁に対して果たした役割、あるいはりそな問題について果たした役割というのは、私たちから見て十分でないどころか、大変間違った行動をとっている。

一つには、いろいろと、相変わらず銀行あるいは監査法人に対して官僚が圧力をかけることを事実上放置し、またその責任もきちんととらせようとしていないわけであります。また最近、総理に渡したと、これは竹中さんが渡したか役人が渡したか別ですが、りそなについてこう言えばいいですよというものを渡したというメモを私のところに持ってきてくださった人がいますけれども、結局は破綻ではない、再生であるとか、いわゆる言い逃れのシナリオライターにしかなっていない。

総理はそのりそなに対して、国民に対していわば言い逃れをするために、本来の真実の姿を伝えていない。もし危機でないというのであれば、預金保険法102条は適用にならないでしょうし、逆に言えば危機であるからこそ、総理が座長の危機対応会議を開いたわけですが、そういうことを言えばキリがありませんが、竹中大臣のこの2年間、あるいはこの最近の大臣としての役割を果たしていない、あるいは間違った行動をとっている。

このことが明確になってきておりますので、これは先ほど申し上げたことと重ねて言えば、そういう点を明確にした中での、場合によってはある時点での不信任ということも十分検討に値するのではないか。私自身そういうふうに思っております。

■総理の内閣改造発言:国民に対する公約を平気で反故にすることが大問題

【記者】国会の会期延長に絡んで、政府与党のほうで内閣改造をする話が浮上しましたが、小泉総理が抵抗勢力と妥協しているのではないかという、その点についてお聞かせ下さい。

【代表】まず妥協、妥協でないという前に、小泉総理は一内閣一閣僚、つまりは基本的には自分の内閣が続く間は閣僚は変えないというのは、いくつかの重要公約であったと思っています。確かに欧米の内閣では、イギリスなどでも例外的に何かの関係で変わる場合はありますけれども、いわゆる日本のように1年、2年で、いわゆる内閣改造と称して大部分の内閣を入れかえるということはやっておりません。

私は総理が国民に約束した一内閣一閣僚の原則、どうしてもダメな人、どうしても言うことを聞かない人というのをクビにするのは当然ですが、その原則というのは、私としては一般論としては一つの見識だと見てまいりました。

また国民の多くがそのように見たのではないでしょうか。そのことを、またも平気で党内の事情で、その国民に対して約束したことを平気で破ろうとしている。これが、衆議院選挙があった場合は、これはまた別です。衆議院選挙というのは、国民の新たな信任であります。これは他の国の場合も言うまでもありませんが、新たな内閣首班そのものが改めて国会で選ばれるわけですから、これは内閣改造ではありません。新たな内閣です。

しかしいま総理が言っている、総裁再選の後に内閣改造をおこなうと言ったことは、自民党の中での妥協というよりも、国民に対する背信です。これまで30兆円の問題、8月15日の問題、すべて大したことないと反故にしてきましたが、これでまた国民に対する公約を、平気で党内事情で反故にする、このことが最大の問題だ。

自民党の中のうんぬんだというのは、それに比べれば、いわば個利個略、党利党略の話でしかない。逆にいえば党利党略、個利個略のために、平気で国民との約束を破ること自体が大問題だと思っています。

■竹中大臣不信任案の検討は、議論して改めて問題点が浮き彫りになった時点で

【記者】先ほどの竹中大臣への不信任について、今後審議を通じて責任を問うのか、またもうすでに限界という状況なのでしょうか。

【代表】会期延長という新しい状況の中でありますから、これからそれぞれの該当する委員会や、あるいは予算委員会等で、りそな問題などがどういう形で取り扱われるか、あるいはそういうチャンスはいつの段階で来るか、必ずしも現時点では明確ではありません。

私としては、党内的にいってもこういう問題は、政策マターではないにしても、少なくとも関係部門の議論がやはり基本的には必要だと思いますし、国民の皆さんにきちんと理解してもらうためにも、ちょっと何も議論が、1週間2週間前にはあったにしても、この間ない中で、唐突に不信任ということにはならないでしょうから、一般的に言えば、しかるべき時に議論をおこなう中で、改めて問題点が浮き彫りになった時点ということではないかと思っています。

■延長国会の会期末でどういう戦略・戦術があり得るかは、今言うのはまだ早すぎる

【記者】先ほど、延長国会は、国会終了後に解散総選挙への新しい幕開けのスタートとおっしゃいましたが、延長国会の会期末に解散に追い込むという構えでいるのでしょうか。

【代表】今から40日という、そうはいってもかなりの期間のある会期末について、個別的にどういう戦略・戦術があり得るかというのは、今はまだ早すぎると思います。ただこれは、解散に追い込む、追い込まないを除いても、つまりはわが党としては、このままそういう形をとるとらないに関わらず、10月解散11月選挙という可能性が一番高いと見ているわけですから、そういう点では本格的な解散前の国会というのは、直前に臨時国会が開かれるにしても、この国会のこれからの40日が一番本格的な国会審議の期間であると思っています。

ですから、最終的に小泉政権ではダメだということを国民に十分理解してもらえるような戦いにしたい、戦術的にどうするかという話は、その時点になって判断したいと思っています。

■自民党内の亀裂、小泉政権の自己矛盾を、国民の前に明らかにしていきたい

【記者】先ほど代表がおっしゃった、与党内の政局というものも見極めながら、というのは、具体的にどういうことをおっしゃっているのでしょうか。つまり、内閣に対する不信任決議案というものを視野に、与党内の政局を見ながら検討していくということでしょうか。

【代表】一言で言いにくいのですが、頭を整理しながらじゃなければいけないのですが、一つは、わが党と今の政権与党全体、小泉政権及び自公保政権与党全体との対置という問題。最終的には総選挙の構造ですから、それを常に念頭に置かなければなりません。

しかし同時に、現在の自民党の中は、政策的な大きな乖離も含めて、更には派閥的・個人的ないろいろな個利個略も含めて、小泉総理に対して、それを簡単に言えば、それを変えたいという勢力が相当あるわけです。それが総裁選に向かっていろいろな動きをする。

その動きの中で場合によっては、国会での議論そのものが与党のそういった思惑というか、与党内の戦いの影響でいろいろな影響を受ける可能性がある。そういうことをいろいろ念頭に置かなければならないという意味です。

これもまた難しいところなのですが、わが党としては、経済についても税金の使い方そのものを変えることによっての経済の改革、景気の回復ということを言っているわけですが、一部似たようなことを言っている人もいます。しかし気をつけないと、また国債ジャブジャブでもいいじゃないかという議論も一方にありますから、気をつけなければ、先ほどの竹中論じゃありませんが、抵抗勢力と手を組んだら、ということにも言っていることで、いろいろな戦いであるわけですから、そういうことを気を付けながら、自民党内のいろいろな亀裂に対して、わが党の行動は結果的にその亀裂があえて言えば深まるような効果、そのことはある意味では、小泉政権の自己矛盾というものが国民の前に明らかになるということですから、小泉政権の自己矛盾を明らかにしていくような、そういう戦術・戦略をとらなければならないという意味で考えています。

■りそな問題は究極のモラルハザード、国民への分かりやすい説明がまだ不十分

【記者】りそな問題に関連して、住専のときに新進党が抵抗し、それなりに国民に影響を及ぼしたと思いますが、いま実際、大塚先生などもご活躍されていますが、実際に議論が広まっていかない原因というのはどこにあるのでしょうか。

【代表】住専の問題は公的資金の投入の最初の問題であり、確か法案が必要だったということで、ただあの行動は、当時の新進党にとって最終的にプラスだったのかマイナスだったのか、いろいろな評価があるわけです。

そういう意味で、戦術的にそれが参考になる、ならないということは、いま念頭にありません。なぜかと私にそれを聞かれても困るんですけれども、やはり今度のりそなの問題は、ある種の究極のモラルハザードである。本来は、場合によっては債務超過で本当に危機対応としてやるのであれば分かるんですが、そうでない銀行をちょっと景気が悪くなった、自己資本率が下がった、それなら株も減資しないで公的資金を投入するというのは、普通の会社でいえば、つぶれそうになったら公的資金に入ってくる。

株主はこんな安心な株はないわけですから、最大に安定株ということになるわけです。ですからこんなことをやっていることは、まったく理不尽だということが、まさになかなか国民の皆さんに分かってもらえないことは、私たちの努力も不十分かもしれませんが、あえて言えば、メディアも含めてなかなかインチキ小泉言論をきちっとひっぺがして、こうなんだということを分かりやすく説明することが、我々もメディアも含めてまだまだ不十分ではないかと思っています。

■小泉総理も竹中大臣も、言葉ではなく、やれたかやれないかが最大の問題

【記者】竹中大臣に対する功罪の評価について、抵抗勢力とは違うといっても、結果的には抵抗勢力を利することにならないでしょうか。

【代表】功の部分については、2年経った今日の時点で言えばありません。これは小泉さんについてと、ある意味では同じです。つまり最初に、例えば構造改革をやろうと言った小泉さんは、その言葉だけで言えば、私たちも構造改革をやろうといっていたわけですから、言葉だけで言えば本当にやるのであれば、それは我々もはじめから構造改革を止めるとは言いません、という意味では、ある意味で言葉としては共通です。

あるいは竹中さんも金融について厳密なやり方でやるとか、景気対策についても国債に頼らないという形での、いろいろな展望とかなんとかというのを出していましたけれども、そういう方向が本当に進むのであれば大いにけっこう。言ってみれば、カルロス・ゴーンさんのリバイバルプランまでは大いにけっこうだったわけです。やれたかやれないかが最大の問題であって、2年経ってもまったくやれてない、そういう結果を、財政あるいは経済、あるいは金融においてそういうまったく自分たちが言っていることが達成できなかったわけですから、功罪といえば功はゼロ、政治家としては罪のみです。結果責任ですから・・・。

■延長国会終了までに、民主党の公認・推薦候補を300選挙区にそろえることは可能

【記者】今国会で、おそらく会期末までに内閣不信任案を出すのではないかと思うのですが、一方で民主党は、まだ解散が怖くてそういったものを躊躇するのではないかという言い方をする方がいますが、そのへんについてお伺いできればと思います。

【代表】怖いとか躊躇とかとは別に、何度も言いますけれども、10月解散11月選挙を一つの念頭に置いて、最終的な選挙態勢づくりに、先日の全国幹事長会議を節目としてやりました。確かに300小選挙区について、他の野党が立候補される所もカウントしても、まだ共産党を除く野党三党が候補者のメドがついていない所は、今の報告では40近くあります。

ですからそういう点では、300小選挙区を少なくとも野党三党いずれかの候補者が全部出る、あえて言えば、わが党が公認ないし推薦する候補者が300出揃うところまでもっていくには、もう一つの努力は必要であると、客観的と言いましょうか、現状を見ております。

ただこの努力は、今月いっぱいを一つのメドにして、各県などにプッシュしておりまして、それを越えれば最終的には本部でこの候補者でいく、あの候補者でいく、ということも決めていかざるを得ないと思っております。

ですから私は、延長された会期の終わる時点においては、300小選挙区に民主党公認あるいは他党を含めて民主党推薦候補が300出揃う状況に達することは可能だと見ておりまして、まさにそういうふうに言われない態勢をつくるために、この1ヶ月余り、幹事長を中心に全力を挙げていただくよう、私自身も含めて挙げていこうと思っております。

■イラク特措法:政府案の問題点を明らかにしていく中で態度も自ずから決まっていく

【記者】イラク特措法に対する対応についてお聞かせ下さい。

【代表】わが党の物事の進め方というのは、だんだん一つのパターンができて、皆さんにも多少は理解が進んできたのではないかと思います。今回の問題も何度も申し上げるわけですが、いわゆるイラクの戦争に反対をしたから、一切イラクの人道的であろうが何だろうが、支援をすべきでない、反対する、という立場ではありません。

戦争そのものとして、いわゆる大量破壊兵器の問題を含めて、これからもその大義名分そのものが崩れるのではないかということは突いていきますが、現状のイラクに対して、わが国がイラク国民に人道的あるいはいろいろな意味で支援をすべき場面があるのかどうか、そういう観点から物事を見ていく。まずこの原点をしっかり踏まえなければいけないと思います。

その上で先日、調査団が帰ってきての報告を聞いても、かなり難しい状況にいまのイラクはあるということであります。ですから、政府から出されてきている法案について、今日でしたか、正式に説明を受けたわけですけれども、私が理解する限りは、その説明ですべてが明らかになるというような代物ではないと思います。

そういう点では、まだ会期延長に反対した中でありますから、いつとは言えませんけれども、少なくとも他の経済有事などの問題も含めて、新たな段階に立ち至ったときには、しっかりとした政府案の内容を質していきたい。その質す中から、その問題点などを国民の前に浮き彫りにした中で、わが党の態度もその中で自ずから決まっていくだろうと思っています。


編集/民主党役員室


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