2003年9月19日(金) >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○総裁選は低い期待をさらに裏切るような低レベルの議論、未来を感じられない
最も派閥的に動いたのが小泉氏を支える森派、相も変わらぬ派閥選挙だった
マニフェストの中身を見ていない無責任発言、塩川大臣に謝罪と撤回を求める
無所属の鹿野元副代表に復党してもらうため、今後話をしたい
「小泉・青木連立内閣」の本質は総選挙後にははっきりと出てくる
イラク問題はマニフェストに書くべきだが、動きを見極めてからのほうがよい
社民党がギブアンドテイクの原則に戻ってもらえるなら、ドアは常に開いている

■自民党総裁選挙

【幹事長】まず第1に、20日を控えて総裁選挙について、ほぼ終わりに近づいているわけですが、元々あまり期待はしていませんでしたが、その低い期待をさらに裏切るような期待外れの総裁選挙だったと思います。

 4候補の議論を聞いていても、我々が国会で行う議論、あるいは党内で行う議論に比べると、遙かにレベルが低い、聞いていてとても未来を感じることのできない総裁選挙だったと思います。多くの国民の皆さんもレベルの低い議論に驚かれたのではないかと思います。

 そして、そういう中で、最終的に小泉さんの優位を決めたのが、青木さんとの連携ですから、そういう意味では、橋本派全体ではなかったにしても、派閥単位での合従連衡の中で、小泉さんが勝利をモノにしたと。

 そして、例えば、高村さんなども盛んに言うように、最も派閥的に活動したのが、小泉さんを支える森派であったということを見ていると、相も変わらぬ総裁選挙だという気がします。

 今回できた政権を何と呼ぶべきか、先ほど代表は「毒まんじゅう政権」というような話があると紹介しておられましたが、私に言わせると「小泉・青木連立内閣」ということだと思います。

 そして、最も改革に対して反対をした青木さんと、改革を唱える小泉さんが結び付いたという、その姿こそが、今の自民党を表している。

 これでは日本の国を変えることは絶対にできないということを確信し、次なる選挙で絶対に勝たなければいけない、民主党政権をつくらなければいけないという決意を新たにしたところです。

■マニフェストに対する塩川発言

【幹事長】2番目ですが、昨日、我が党はマニフェストをまとめましたが、それについて早速閣僚からいろいろなコメントが出ています。

 その中でも、特に私は塩川財務大臣の発言は見逃せませんし、この発言について財務大臣は撤回をし、謝罪すべきだと考えています。

 財務大臣の発言を議事録で読ませていただくと、全く我々のマニフェストを呼んでいないということは一目瞭然です。

 財務大臣が言っているのは、「財政の状況について、こういうことはやはりちゃんとマニフェストに入れなきゃね。そこをスパッと抜かしてあれもやりたいこれもやりたいというのは、子供がおもちゃを買うのにあれも欲しいこれも欲しいと言ってるのと同じだ」と、こういう言い方をしているわけですが、我々は財政についてきちんと述べています。

 あえてここで繰り返す必要もないと思いますが、我々は例えば、平成16年度については、「国直轄の公共事業の1割削減で3000億円、補助金の一部一括化に伴う事業経費削減などで2000億円、そして特殊法人等向けの1割4000億円など1兆4000億円程度を捻出し、政権公約実現の財源とします」と明確に述べています。

 17年度についても同様に、「2兆5000億円を捻出し、政権公約の財源とする」と明確に述べているわけで、財務大臣は我々のマニフェストを読まずにコメントしたということは明白です。

 一国の財政を預かる大臣が、公党に対して全く中身を見ずに無責任なコメントをしたことについて、撤回・謝罪を求めたいと考えています。

■鹿野元副代表の復党問題

【幹事長】3番目ですが、党大会に向けて、あるいは合併の届出に向けて、我々としては小泉自民党政権に代わる新たな受け皿づくりということで、国民に選択肢を示すために、自由党との合併を決めたわけですが、党大会に向けて無所属の候補者にも幅広い結集を呼び掛けているところです。

 そういう中で、かつて我が党の副代表を務められた鹿野道彦先生が現在無所属候補としておられます。

 私としては、いろんな経緯はあるにしても、自らけじめを付けて党を離れられた。我が党として何らかの処分をしたということではありませんので、あれから時間も経ち、今回の新たな民主党のスタートに当たって、鹿野先生には是非戻ってきていただきたい、我が党の議員になっていただきたいと希望しているところです。

 具体的に、公式に鹿野先生ご自身にそういった要望をしたわけではありませんが、私としてはそういう思いを持ち、今後お話をしたいと考えているところです。

<質疑応答>

■合併宣誓書の取りまとめ状況

【記者】合併の宣誓書を今日中にまとめるとおっしゃっていましたが、それはまとまったのでしょうか。

【幹事長】私は承知してません。「今日中に」と言いました? 「今日から」と言わなかった? 「今日皆集まるので」という言い方をしたと思いますが、「今日中に全部まとめる」とは私言っていないと思いますが、いずれにしろ現状は把握していません。何か問題があるとは聞いてませんが。

■内閣改造の焦点

【記者】自民党の総裁選挙で再選の見通しが強まっている小泉さんの内閣について、先ほど「小泉・青木連立内閣」と評されましたけれども、明日、総裁選挙が終われば内閣改造が行われますが、野党の立場でどういった点に注目しているのでしょうか。

【幹事長】今、申し上げたように、小泉さんの勝利は青木さんと握手することで確実になりましたので、いかなる形を取ろうともその本質は変わらないと思いますね。それが露骨に出てくる形になるのか、総選挙も近いということで少しそれを隠した形になるのかそこは分かりません。
 
 しかし、本質は変わらないということは申し上げておきたいと思います。やがてその本質ははっきりと総選挙の後に出てくるということです。

■4選挙区の調整

【記者】合併に向けて24日には法的にも1つの政党になるわけですが、残る4つの選挙区調整について24日には決まっているのかどうか、あるいはもう少しズレ込むこともあり得るのか、その点についての見通しをお聞かせください。

【幹事長】一本化できるように精一杯努力したいと思います。今、努力中です。

■イラクへの多国籍軍派遣

【記者】今日の両院議員総会で簗瀬さんが、「イラク問題について調整中ということは承諾できない」というご趣旨の意見が出て、枝野さんの説明では「状況を見ながら」ということでしたが、基本方針は状況を見ながら変化するものなのかどうか、それは私も若干疑問が浮かんだのですが、多国籍軍の編成というようなことになった場合にどうするのか、菅さんが示すマニフェストの中には、党の基本姿勢が盛りこまれることになるのでしょうか。

【幹事長】簗瀬さんの言われたのは、やや例え的に言われたのであって、彼自身はもちろん最後は拍手をして賛成をしてくれたわけですが、この国会でも大きな争点になることは間違いありません。そしてブッシュ大統領もやってきて、自衛隊の即時派遣とか、あるいは費用負担について国会でも議論になるでしょう。

 そういった議論も踏まえながら、最後は今のままいくと11月9日投票あるいはその1週間、2週間あとになるかもしれませんが、その頃の投票についてのマニフェストですので、最終時点での考え方を盛り込むということは、これだけ動いている話ですので、私は必要なことだと思います。

 国連の決議とかそういうものがどういうふうになっていくのかということも、できれば見極めて書いたほうがいいと思います。

■社民党との政権協議

【記者】今日の両院議員総会で、菅代表が社民党との関係について候補者の競合とか憲法問題の見解もあって、これ以上政権協議をするのは難しいのではないかという見解を示されましたが、総選挙で野党で力を合わせて小泉内閣を倒すというところでは今まで協力してやってきているかと思うのですが、こうした関係について今後どのように進めていかれるのか教えてください。

【幹事長】基本的に政権交代を目指して両党が協力していくという我が党の姿勢には変わりはありません。

 ただ、菅代表もおっしゃったように、社民党さんのほうの態度が候補者を当選可能性が少ないにもかかわらずどんどん立てることで、我が党の候補者も共倒れになる可能性が高まるとか、選挙調整はかなり努力しているのですが、一方でそういうことが続いていますので、これでは本当に自民党政権を倒すという、そして日本の国の政治を変えるという思いがあるのか、それとも単に社民党自身の生き残りを目指しているだけなのか、そのことがやや分からなくなってきているということだと思います。

 我々としては、しっかりこの国の政治を変えるという観点に立って、一緒になって協力をして政権交代に向けて努力していただく、そういう姿勢を明確にされることを強く望んでいます。

■社民党とのギブアンドテイク

【記者】今の質問の続きなんですが、そういう努力の姿勢を望むということですが、具体的に言うと立てている候補者を取り下げるというような意味なんでしょうか。

【幹事長】少なくともこれ以上増やさないということは必要ですね。お互い話し合いのテーブルに乗って、「ギブアンドテイクの原則」の下でやっていくと。一方でそれを言いながらどんどん他方で立てるというのは、ある意味では信義則に反しているわけです。

 そこをきちんとお互いが「ギブアンドテイクの原則」でやっていくという考え方に戻っていただくということが必要だと思います。我々はそのことを強く希望しています。

■鹿野副代表への推薦

【記者】鹿野元副代表の復党要請の件ついてですが、仮にご本人が「選挙のみそぎを受けてからにしたい」と固辞した場合、次の選挙に立候補されるとして、民主党としては推薦などの措置を取るおつもりはあるのでしょうか。

【幹事長】ご本人とはまだ正式には話していませんので、その上でご本人のご意見も聞いて最終的に決定すべき話だと思います。

 つまり、推薦という選択肢も論理的にはあると思いますが、私はこれを機会に民主党に戻っていただくことが望ましいと思いますし、恐らく鹿野先生ご自身もそういうことに応えていただけるのではないかと考えています。

■連立政権協議のドア

【記者】先ほど出ました社民党との協力関係についての再確認ですが、幹事長がお答えになったように、基本的に政権交代に向けて協力するというお立場に変わりはないということだったので、まだ連立政権協議については再度呼び掛ける方向は変わっていないという認識でいいのでしょうか。

【幹事長】我々のドアは開かれています、あとは社民党さん次第です。

【記者】それに関係してもう1点、社民党側のそういう態度に対して、より効果的な協力を民主党のほうから求めるというか説得するというか、そういうことは近々なされないのでしょうか。

 つまり、今日代表がおっしゃったように、向こうとの話し合いが数週間にわたって途切れていますよね。これをパイプをさらに復活させるというか……そのご予定は?

【幹事長】我々はいつでもドアは開いておりますので、社民党さんのほうで本来の原則に立ち返っていただけるのであればいつでも話し合いはできると思います。

 ただ、残念ながら今のところそういう状況にはなっていないということですね。もうすでに「ギブアンドテイクの原則」と言いながら、議席数から言えばかなり譲っているわけなので、その上になお候補者をどんどん立てられるということは、ちょっと我々としては「分かりました」と言えない状況になりますね。

 そういう意味で、社民党さんに委ねられているというべきだと思います。


編集/民主党役員室


2003年9月19日 >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次