2003年10月3日(金) | >>菅直人代表の記者会見録 | 戻る/ホーム/記者会見目次 |
岡田克也幹事長 定例記者会見要旨
■テロ特措法延長の衆院通過
【幹事長】まず、先ほどの衆議院本会議において、残念ながらテロ対策特措法の延長が可決されました。私も40分間という短い時間でしたが特別委員会での質問に立ちました。
相変わらず、次から次にこちらの趣旨を意図的に曲解して、勝手に答弁を繰り返す総理というのは一体何なのかと思いながら、しかしテレビが入っていましたので、国民の皆さんにはさすがに総理のいい加減さ、逃げの答弁が伝わったのではないかと思います。
特に、今度のブッシュ大統領訪日にあたってのイラク復興支援資金の問題につきましては、私は「大統領に最初に約束するようなことはないですよねと、コミットしませんよね」と申し上げたんですが、それに対して「そうだ」という約束はとうとう返ってきませんでした。
ということは、それが表に出るかでないかは別にして、資金的にどの程度のお金を出すかということは、日米首脳会談で間違いなく約束されるんだろうと思います。それが表に出るかどうかは分かりませんが。
国会審議の中でも申し上げたように、私どももイラク復興支援に日本が資金を出すべきではないと言っているわけではなくて、むしろ資金を出すべきだという観点に立っているわけですが、復興支援の資金は国民の税金ですから、その税金の使い方について、国会の場を通じてまず国民に説明をしたうえでブッシュ大統領に表明されればいいのであって、国会その他の場では口をつぐんだまま、つまり国民に対して説明責任を果たさないまま、いきなりブッシュ大統領に約束するというのは全く間違ったやり方だと思います。
特に今回の戦争はアメリカが始めたものだけに、イラク国民から見ても、日米首脳会談で約束されて初めて出てきたお金というのは決して納得のいくものではないと。せっかく日本がお金を出しながらイラク国民からも支持されない、そういった性格のものになってしまう。そのことを非常に懸念しています。
■マニフェスト配布解禁
【幹事長】それから今日、マニフェスト(政権公約)配布解禁の公職選挙法改正案も本会議で採決されましたが、これは世論の勝利だと思います。
つまり、自民党の中には非常に抵抗感があったと思いますが、しかし、この法案を通さずには済まない状況ができて、そういう中で渋々、自民党も応じたということです。
我が党のマニフェストにつきましては、今日も21世紀臨調の皆さんと意見交換をさせていただきました。私は国会質問の時間がありましたので短時間しか同席できませんでしたが、非常に真摯にご提言・ご意見をいただきました。先日の 中小企業家同友会や経済同友会に引き続いてのヒアリングでしたが、大変ありがたいことだと思っています。
あとは自民党のほうがどうなるか楽しみにしていますが、小泉さんはご自分の総裁選における約束は全部入るとおっしゃっていますが、総裁選における約束そのものに本来の意味でマニフェスト、政権公約といえるものはほとんどなく、従来型の公約に過ぎないわけで、唯一あると言っていい郵政民営化、そして道路公団民営化を見ても、法律を出す年限はあってもその中身は全くない。そういう意味では、自民党から「まともな」マニフェストは出てこないだろうと予想しています。
■民主党インターネット放送局「D Vision」
【幹事長】最後に、昨日菅代表が発表した、我が党の「D Vision」がいよいよ本格始動します。
時代がどんどん変わっていると言いますか、新しいツールが生まれてきています。特に、若者を中心に、しかし私自身の選挙区で聞きますと、若い人もインターネットを利用してホームページにアクセスしてくれてるんですが、結構60歳以上の方も見ておられる方が多いんですね。
そういう意味では、今回の「D Vision」につきましても、新しい試みとして多くの方に是非見ていただきたいと考えています。内容的にもかなり充実していますので、多くの方に見ていただき、民主党をより一層ご理解していただければと思っています。
<質疑応答>
■テロ特措法延長の問題点
【記者】冒頭に今日の予算委員会の質問についてお話しいただきましたが、その後本会議が開かれまして自衛隊派遣の延長という重要法案が衆議院を通過しました。この件に関して、野党第一党幹事長としてコメントをお願いします。
【幹事長】今日の代表質問で佐藤議員が述べたように、我々としてはこの法案について様々な問題があるということを指摘してきました。私も今日の特別委員会で触れましたが、時間が十分ではなくて必ずしも十分ではありませんでしたが、やはり1つは国会承認を飛ばしているということです。
ここは総理は答弁の中で少し誤解をされていたのではないかと思います。間違って理解されていた。私が申し上げたように、基本計画の中に年限まできちんと入っているわけです。その年限の入った基本計画に基づいて措置がなされ、その措置に対して国会が事後承認するというのが法律の考え方です。この基本計画に入っている年限というのはかなり根本的なもので、それが変わるわけです。
我々は2年前に自衛隊派遣を承認したときには、2年間のものとして承認しているわけで、それが変わったにもかかわらず国会承認が要らないというのは理解しがたいことです。私は時間があれば内閣法制局長官にも聞いてみたいと思っていたのですが、かなり無理をした解釈だと言わざるを得ないと思います。
そして、同時に我々は2年前にも国会の「事前承認」が必要だということを申し上げてきました。この点についても今回は全く変わらなかったわけです。
それから、2年前には「2年間の時限立法だから」ということで、随分いろんなことが議論されたわけです。事前承認にしなかったのも、今でもよく覚えておりますが、公明党の冬柴幹事長などが「2年間の時限立法だからこれは事前承認じゃなくていいんだ」ということを討論会などでも盛んに言われました。
それがまた延ばされるということであれば、同じことが何度も繰り返されていけば恒久法と同じになるわけで、そういう意味で延長するとしてもあと1回ということでなければいけないと思います。我々はそういった趣旨の修正案を出しましたが否決をされ、政府の延長法案が衆議院を通過したことは非常に残念であります。
■総選挙に向けての対自民党戦略
【記者】本日、テロ特措法が通過して、衆議院のほうは解散・総選挙となると思いますが、現時点で自民党とどのように対峙していこうとお考えでしょうか。
【幹事長】非常に漠然としたご質問だと思うので、どのようにお答えしたらいいか困るんですが、まず解散・総選挙はまだ決まっていません。ただ、一般に予想されているのは10日であると言われていますので、我々もそういう前提に立って、今準備を進めているところです。
最近、自民党の執行部や閣僚が代わって以来、また劇場政治のようになっていますが、我々としてはマニフェストを全面に掲げて政策で争う選挙にする、そして本気で政権を争う選挙にする、そう考えています。
小泉さんとしては田中真紀子さんとペアで戦ったあの参議院でのおいしい思いが忘れられないんだと思いますが、私は国民・有権者はもっと賢明だと思います。同じことで2度騙されることはない。今回は特に政権を争う選挙ですから、きちんと政策の中身を見極めて投票していただける、劇場政治の繰り返しは通用しない。そう考えています。
■参院埼玉補選への取り組み
【記者】埼玉の参議院補欠選挙が9日に告示されますが、マニフェスト選挙というのはここでも選挙運動として出てくるのかということと、改めて参院補選への意気込みあるいは取り組みについてコメントをお願いいたします。
【幹事長】補選は総選挙の前哨戦ですから、これは党としては全力で取組みます。噂される解散日の前日が補選の告示日ということになりますが、菅さんは党首討論もありますからその準備があるとすれば私が行ってスタートするということになると思います。
当然、党としてはすでにマニフェストについてかなりの程度煮詰めていますので、この参院補選でもそれを掲げて戦うことになると思います。
■今回の解散への命名
【記者】これまで解散するときにはいろいろと名前が付いてきたんですが、今回解散するときに幹事長はどういう名前を付けられますか。
【幹事長】まだ解散になっていないのにそれを言うことは時期尚早ではないでしょうか。我々はしっかりとした審議を求めているわけで、もちろん小泉総理が解散を決断するのであれば受けて立ちますが、本来であればきちんと審議する時間を確保すべきだという立場ですから、解散されたらまたもう1回聞いてください。
■年金制度改革と消費税問題
【記者】選挙の争点の1つに年金問題が挙がる可能性があると思うのですが、菅代表や枝野政調会長が将来的に消費税で充当せざるを得ないという趣旨のことをおっしゃっているという報道があります。小泉総理が実質的に消費税論議を封印してしまっている状況の中で、党としては年金の財源問題についてどういう議論の過程にあるのか、マニフェストに織り込む方針を含めてお聞かせください。
【幹事長】非常に気を使わなければいけないのは、年金という重要な問題を議論するときにそれがいつの間にか消費税の問題に議論がすり替わってしまうということを我々は十分注意しなければいけないと思います。
年金制度というのは非常に本質的な問題で、今度の選挙の大きな争点です。間違いなく来年の通常国会では5年に1回の見直しが来るわけで、私は自民党が未だきちんとした案を出していないのはとんでもないことだと思います。選挙の争点にすることを避けているとしか思えません。
そして財務省と厚生労働省という極めて幅の広い、つまり違う2つの案を抱えて、そして選挙が終わったらその幅広い範囲の中でやりたい放題できるわけです。そういったことに有権者の方には気がついていただきたい。是非、与党に対してプレッシャーをかけて、与党ないしは自民党から年金の改革案がきちんと出るように、我々も努力しますが是非国民の立場からそういった声を上げていただきたいと考えています。
その中で財源を将来的にどうしていくのかということは、もちろん論点の1つであることは間違いありません。党の中で今、最終的な意見集約をしていますので、それを待って話をしたほうがいいと考えています。
【記者】そうしますと消費税の中身はともかく、その扱いについてマニフェストに盛り込まれるという認識でよろしいのでしょうか。
【幹事長】そこも含めて議論中です。今、私の段階であまり軽々に言わないほうがいいと思います。党の中で最終的に意見集約をしたうえで申し上げたほうがいいと思います。
編集/民主党役員室
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