2004年1月23日(金) >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○施政方針演説:重く見ていたが極めて平凡、何をやっていいか分からなくなっている
政治改革から10年、歩みは遅いが着実に「政権交代ある政治」が実現しつつある
全国紙、インターネット、雑誌等で候補者を公募予定、有為の人材を育て上げたい
企業・団体献金の公開基準引き上げは改革の流れに逆行、後退を許さない
古賀代議士の学歴問題は、本人の帰国と報告を待ってから党の判断を下す
参院1票の格差:最高裁の判断は重い、参院選前には判断を活かした対処を
イラク:採決方法を議論するのはまだ早いが、態度が明確になる形が望ましい
送金規制:民主党が主張している特別委で十分議論し、迅速に成立させるべき

■施政方針演説と代表質問

【幹事長】1つは、国会が正式にスタートして今日まで衆参の代表質問ということで進んでいます。「小泉さん、元気がないな」というのが私の率直な感想で、官僚の書いた答弁を棒読みしているということですし、松本剛明君の質問に対するあの対応ぶりなどは、まさしく説明責任を果たす気力すらないという姿として私の目には映りました。2年半前に小泉政権がスタートしたときの姿と比べると余りにも落差があり過ぎるという感じがします。

特に今回、施政方針演説はかなり重く私は見ていたわけです。というのはこの前の総選挙があって初めての本会議における演説ですから、本来であれば所信表明を特別国会かその直後の臨時国会でやると、それを飛ばして通常国会まで持ち越したわけですから、選挙で選ばれた小泉総理として、これから自らの任期3年間の間で何をやっていくかということを国民にしっかりと語る機会でした。それにしては極めて平凡な演説に終わってしまったと思います。政権としては、何をやっていいか分からなくなっている姿を表していると思います。

■政治改革から10年

【幹事長】それから、来週の木曜日で政治改革が実現してちょうど10周年になりますが、私は非常に個人的にも感慨深く思っています。

確か、最終的には河野自民党総裁と細川総理との間で合意の文書が交わされました。夜の1時くらいだったんじゃないかと思いますね。深夜に両者が合意文書を交わして政治改革法案の骨格が固まりました。そのとき私はまだ新生党という党にいまして、院内の控室でその模様をじっと見ていました。

それが終わって小1時間ほど経って、小沢先生が控室にお戻りになって、代表幹事だったものですから署名にも立ち会っておられたんですが、他の議員が全員帰ってしまってましたので、私と小沢さんと二人だけで祝杯を挙げて、記者はたくさんいましたが、「ようやくできましたね」と喜び合ったことを昨日のように思い出します。

国会を出ると雪がしんしんと降っていまして、何か新しいことが始まるなという期待感を持ってタクシーを探して帰ったのを思い起こします。

それから10年経って、歩みはやや遅いわけですが、この間の選挙でようやく二大政党への足場が出来たということで、10年かかりましたが、制度を変えたことによる効果がようやく出てくるような形になったと思っています。

これから次の選挙で政権交代を成し遂げて、日本に本格的な政権交代のある政治の時代をつくる、そのことについて改めて決意を新たにしているところです。

■新人候補者の公募

【幹事長】新人候補者の公募の問題ですが、党大会でいろいろお話をさせていただいていますが、いよいよ2月の初めくらいになると思いますが、全国紙2紙に1面全面を使った広告を載せると。

その他インターネットや雑誌なども使って告知をいたしまして、2月の末くらいを締め切りにして、全国から有為な人材を集めたいと考えています。

前回の総選挙のときも同様のことをやりまして、その結果今回当選した方もいらっしゃるわけですが、今、民主党に対する期待感が高まっているなかで、全国の志ある若い人にたくさん手を挙げていただいて、候補者として、そして政治家として育て上げていきたいと考えています。

■「政権交代ある政治」、政治とカネ

【記者】政治改革関連法成立から10年ということで、改めてこの10年で何が変わったのか、あるいは変わらなかったのか。二大政党制の流れができたとはいえ、今後その流れをさらに加速するためにはどういうことが必要か。制度面なり民主党としての活動なりどういうことをお考えになっているかお聞かせください。

【幹事長】政治改革というときに、選挙制度の問題と政治資金の問題と2つあるわけですね。選挙制度の問題は、10年前に比例代表制度と小選挙区制度の並立制をとりました。

これは一種の妥協の産物であったわけですが、この制度の効果が出て、「政権交代ある政治」、私は二大政党という言い方はしておりません。「政権交代ある政治」というものが現実のものになってきた。

つまり、自民党だけが政権を担うのではなくて、民主党という存在が大きくなり、そして与党が失敗すれば与野党が入れ替わると。比例の部分は残りますので、私は完全には2つになるとは思っていません。

そしてより「政権交代ある政治」という方向を進めていくためには比例をもう少し減らしたほうがいいと。我々は選挙公約でも180の比例を100にするということを申し上げているわけですが、小選挙区300、比例100というのが私はベストマッチだと思いますが、そういう意味ではやや不十分なところもありますが、確実にそういう方向に向かって進んでいると思います。

今の選挙制度の当然の結果として、1つの政党だけではなかなか政権を獲りにくいという状況があり、したがって与党を自民党と公明党が構成しているということです。連立の問題というのは、結局分かりにくくなってしまう、あやふやになってしまうという問題はあります。私はできれば単独で政権を獲れるような方向が望ましいんだろうと思っております。

政治資金の方は、かなり厳しくなったわけですが、一方で企業・団体献金の公開基準5万円を24万円に戻すという話が出てきているわけですね。自民党の今年の党大会でも政治資金の問題なども改革してきたと書いてあるんですが、あるいは小泉さん自身も国会でも私の質問に対しておっしゃったんですが、実は政治資金の大きな改革というのは10年前、公開基準を5万円にしたというのが大きな改革であって、その後はほとんど何もやっていないわけです。

それをさらに24万円に後退させようというのが今の自民党の考えで、そこは絶対後退を許さないと、そしてより開かれたものにしていくということは政党として必要なことだと思っています。

我々はすでに党本部の政治資金収支についてホームページに掲載したり、あるいは本部に引き続いて都道府県連も会計監査法人を全部入れてチェックをする体制をつくったり、すでに今年の党大会で決めたわけで、法律でできないことも率先して先取りして進めていると、それが民主党だということです。是非、他の政党もそういったことを見習ってもらいたいと思っています。

■古賀代議士学歴問題

【記者】今アメリカに渡っている古賀議員の関係ですが、UCLAに在籍記録がないという一部の報道について民主党のほうには説明をしたと、大学の略称を誤って記載したと報道されていますが、その点について幹事長はご存じでしょうか。古賀さんから幹事長に渡米してから連絡があるかどうかも含めて伺えますでしょうか。

【幹事長】直接は受けていません。ただ、党としては適宜話を聞いて把握はしています。

【記者】UCLAに在籍記録があるなしということについては幹事長に古賀さんから間接的に説明は受けていますか。

【幹事長】受けていません。

【記者】UCLAの在籍に関しては党のほうに何か連絡があったようなんですが、それについて幹事長ご自身が聞いていることは?

【幹事長】私は聞いていません。私の知っているのは、古賀代議士が現在アメリカにおいて調査中であるということと、古賀さんがお帰りになったところで報告を受けて、私なりの、あるいは党としての判断をしたいということです。まだ今「onthe way」ですから。

【記者】古賀さんからいつ報告をしに来るという日付の指定は受けているんでしょうか。

【幹事長】聞いていません。ただ、国会に(請暇願を)届け出ておられるのは月曜日までですよね。ですから、その頃なんだろうなとは思っていますが、状況によってそれは変わりうると思いますので、具体的には聞いていません。

■参院定数是正

【記者】参議院の定数是正問題についてですが、先週、1票の格差についての最高裁判決が、合憲としつつも早急な是正を求める内容でした。参議院で与野党の協議会が設置される流れですが、自民党側は今年の夏の参院選までは無理だというスタンスなんですけども、民主党としてのスタンスはどうでしょうか。

【幹事長】自民党のスタンスは確認していませんのでよく分かりませんが、与野党で協議するという形にされたことは結構なことだと思います。

最高裁の判決だということは、立法府としては非常に重く受け止めるべきことであって、自民党がそう言っているかどうか知りませんが、参議院選挙が終わってから対処すればいいという話ではないと思います。

したがって、民主党としては考え方をきちんとまとめて、相手があることですが、できうる限り次の選挙に間に合うような形で最高裁の下した判断が活かされるような改革をしていかなければいけないと考えています。

■自衛隊派遣に対する国会承認の採決方法

【記者】イラクへの自衛隊派遣の問題について、今後の国会論戦でどういったところに重点を置いて進めていきたいとお考えか、また派遣の国会承認の採決方法について、与党が記名採決か起立採決か若干モメているようなんですけれども、幹事長のほうでどうすべきかという考えがあったらお聞かせください。

【幹事長】採決方法は基本的には国対でご議論いただくことで、まだ私のところまでその話は上がってきていません。まだ採決の話をするのは早すぎるんですよね。しっかりその前に議論しなければいけませんので、最終的に国対委員長とよく相談をして決めていきたいと思います。

ただ、一般論として言えば、こういう重要なことですから、私はきちんと誰がどういう態度をとったかということが明確に分かる形が望ましいと思っています。

■外為法改正

【記者】外為法の改正ですが、与党との間で協議が始まると。国会承認というところが相違点ということですが、国会承認が何故必要なのかということと、与党側と協議する中でのこれへのこだわり具合、絶対条件なのかという辺りをお聞かせください。

【幹事長】これから協議するわけですが、まずこの問題は我が党はかなり前から取り組んできた問題なんですね。

したがって、考え方も党の中でいろいろ議論してきたわけですが、経済制裁を日本だけの独自の判断でするということは非常に重要な判断ですから、国会の意思というものがしっかり示される必要があるということで国会承認を入れていると理解をしています。

いずれにしても、私は早く案を国会に出して、事前にまとまれば共同提案でもいいと思いますが、とにかくしっかりと議論していくということが大事だと思っています。

我々としては特別委員会を作るべきだという主張をしていますので、その特別委員会の場できちんとした議論をして、そして迅速に成立をさせることが重要だと思っています。


編集/民主党役員室


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