2004年2月6日(金) >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○国会審議:国民の目の前でしっかり議論することが大事、自分も質問を準備中
鳩山前代表らが訪韓、党として韓国人拉致被害者を日本に招いて話を聞く予定
イラク地震の募金活動に一区切りがついたので来週大使館に届ける
安倍幹事長学歴問題:一番よく分かっているご本人がきちんと説明すればいい
秘密会などの形で国会に機密情報を公開する仕組みを検討すべき
政府がイラク大使館員の待避を説明しないのは安全という言葉に隠れた情報隠し
党調査で憲法改正に賛成が6割:驚くことでない、我々も具体的に議論している
政府・与党の年金改革案は、改革の名に値しない小手先の数字合わせ
歯科医師会の裏献金問題について自民党は説明責任を果たすべき
議員年金の見直しを政調に指示、少なくとも公務員程度の国庫負担にすべき
政府・与党も早く抜本改革案を出して、民主党案と同じ土俵で議論すべき

■参院審議と衆院予算委員会

【幹事長】まず、国会のほうは、参議院に移りまして、イラクの問題を中心に特別委員会での審議が続いていますが、しっかりとした審議をしていく中で、議論をすることが目的ですので、しっかりとした審議が国民の目の前で行われるということは非常に重要だと思っています。

 今後のことは、月曜日以降もありますので、その状況を見てどこかの段階で本会議採決ということになるのかもしれません。基本的には参議院の国対・執行部にお任せをしていますが、それが終わればいよいよ衆議院における本予算の審議ということになるわけです。

 私も最初に質問するということでいろいろ準備をしているところであります。この国会は非常に多くの課題を抱えていますので、外交の問題、あるいは改革の後退の問題、経済活性化の問題、そういった問題についてしっかりと議論をしたいと考えています。

■鳩山前代表らの訪韓

【幹事長】それから、鳩山前代表を始め、我が党の拉致問題対策本部のメンバー3名が訪韓しました。今朝、韓国で記者会見をやっていますので結果はご案内のとおりだと思いますが、特に3人の韓国の拉致被害者の方と面会をして、そして日本に党としてお招きをし、北朝鮮で日本人に会っているという情報もありますし、拉致の現状についていろいろお話をお伺いすることができればと考えています。これは拉致問題対策本部の、党の事業として行いたいと考えています。

 その他、(元朝鮮労働党書記の)ファン・ジョンヨプ氏の来日の要請その他多くの成果を上げて間もなくお帰りになるということです。

■イラン地震被害への募金

【幹事長】3番目に、党としてイランの地震の問題について募金を続けてきましたが、それが一区切りつきましたので、機会を見てイラン大使館にお届けをしたいと考えています。来週そういった機会をつくりたいと考えています。

 党で議論していく中で、そういった何らかの災害・突発事項が起きた直後にお金が出せるような仕組みをつくったほうがいいのではないかと。そういう基金的なものをつくって、まずはそこから出すと。そして後から募金活動を行ってそれを補っていくというような仕組みをつくったほうがいいのではないかというご提起がありまして、今、具体策を検討しているところです。

■安倍自民党幹事長の学歴問題

【記者】東京(中日)新聞です。

【幹事長】久し振りだね。早くあれ代えてよ、似顔絵。あまり気に入ってないです。(笑)

【記者】……あの、自民党の安倍幹事長の学歴の問題で、南カリフォルニア大学に2年間留学しているということについて、留学の期間の問題など事務所のほうで説明をしたんですが、それについてどのような感想をお持ちでしょうか。また、今後この問題について国会の中でどのように取り上げていくのかお聞かせください。

【幹事長】安倍さんの経歴の問題について、党として何か方針を立てて国会で追及していこうとか、そういうことを決めているわけではありません。

 ただ、私も実態をよく知りませんので、そこは注意深くお話をしたほうがいいと思いますが、外に対して言ってこられたことと現実がもし違うということであれば、ご本人がきちんと説明をされたらいいと思います。それが有権者に対する責任だと思います。

【記者】現段階では説明が十分ではないという認識なのでしょうか。

【幹事長】ご本人はまだ説明はされていないと聞いています。事務所が説明されているということですが、ご本人の経歴はご本人が説明されたらいいと思います。私ならそうします。一番分かっているわけですから。

■イラク等についての情報公開と国会の関わり方

【記者】イラクの現地の実態がなかなか情報公開されなくて、国会もなかなか関与・コミットがなかなかなされなかったと思いますが、例えばアメリカでは秘密公聴会を開くケースもあると聞いていますが、情報公開と国会の関わり方について幹事長がどうお考えか伺えますか。

【幹事長】まず、政府がどこまで分かっているかという問題がありますよね。国会審議を見てると、政府もよく分かっていないのではないかと。そういう中で自衛隊を出すという決定を非常に無防備に行ったというふうに、国会審議を聞いていて強く思いました。

 それは横に置いて、政府が知っていることについて、例えば秘密会のような形できちんと国民から選ばれた国会議員に対して説明をさせるということは私は非常に重要なことだと思っています。そういう仕組みを国会の中に作るということは大いに検討に値する課題だと思います。

 今、機密費の話がまた問題になっていますが、機密費などについても、国会の中で秘密会的なところできちんと説明をさせるとか、そういうことも考えるべきではないかということも、かねて申し上げているわけであります。

■在バグダッド日本大使館員待避情報と外務省の対応

【記者】バグダッドの日本大使館から、政府が館員を退避させていたということが一部報じられていまして、場所をどこに移動したかは別としても、外務省の報道官は館員の安全に関わることなので公表できないと。退避させたということすら情報が出てこないということについて、幹事長どのようにお考えかお聞かせください。

【幹事長】現地にいれば、大使館員が大使館からいなくなったということは容易に分かるわけですね。

 したがって、容易に分かることを、国会審議中ということもあるんだと思いますが、あえて伝えないということは、それは明らかに「安全」とかそういった言葉に隠れて必要以上に秘密を隠していると言われても仕方がないと思います。

■憲法改正に関する民主党インターネット調査

【記者】読売新聞です。民主党が先頃実施したインターネットによる調査で、憲法改正について6割の方が賛成で、反対が17%だったという結果について幹事長はどのようにお考えかお聞かせください。

【幹事長】読売新聞を読み過ぎてるんじゃないの?(笑) まあ、それは冗談です。

 それはいろんな理由があると思います。特にインターネットで我々の調査に応じてくれる方は、男女比で見ると圧倒的に男性が多いです。それから、やはり若い層が多いですね。若いという意味は、中堅といいますか、戦争世代じゃない人たちが多いということ。そういったことが複合的に作用した結果だろうと思います。

 しかし、我々も憲法については大いに議論するという次元ではなくて、改正について具体的に議論するという場面に至っていますので、驚くに値しない結果だと思います。

■今後のイラク問題の重点の置き方

【記者】イラクの承認案件が来週の初め頃にも参議院で終わりそうです。仮定の話になりますが、その後本予算の審議に入るなかで、予算委員会でも引き続きイラクの問題を追及するような形にされるのか、それとも一区切りということで景気なり年金などの話に重心を移していくのか。承認後の民主党としてのイラク問題の対応の重点の置き方についてお聞かせください。

【幹事長】大きな方針があってそれに基づいて質問者が時間を細かく決めるわけでは必ずしもありません。かなり質問者に委ねられている部分というのが多いと思います。

 私の個人的な感覚で言えば、かなりイラクの問題を今まで議論してきましたので、その他にも重要案件はたくさんあります。景気・経済の問題もあります。それから年金や、あるいは道路公団をはじめとする小泉構造改革の問題、そういったことに対しての議論もあります。北朝鮮はじめ、イラク以外の外交課題もあります。そういう中で、イラク一辺倒ということには私はならないだろうと思います。

 もちろん、毎週1回、イラク特は開いて報告を受け、議論をするということですから、しばらくはその場が中心になっていくのではないでしょうか。

■年金改革政府・与党案の問題点

【記者】年金についてですが、政府の関連法案の閣議決定はおそらく2月10日ではないかと見られているようですが、政府案の問題点や、どのような論争をしていくかということについてお聞かせください。

【幹事長】年金は総選挙においても非常に大きな課題、実質的には最大の課題であったと言ってもいいかもしれません。与党の中でも公明党は自らそうおっしゃっていたわけですね。

 しかし現実はいったいどうであったろうかと。「安心100年プラン」とかいろんなことを言ってこられたわけですが、自民党の方も「安心ができるような抜本的な改革をやる」という趣旨のことを言っておられましたが、現実は5年ごとの従来の見直しの範疇を出ていないわけで、数字を実態に合わせたに過ぎない。そういう意味では小手先の改革だと。あるいは改革の名に値しない数字合わせだと言われても反論はできないだろうと思います。

■歯科医師会裏献金問題

【記者】日本歯科医師会の献金について裏献金などの指摘がありますが、自民党の前議員がすでに事情聴取されているようですが、これについての感想を伺いたいのと、民主党の議員についてはこういったことがないのかどうか、把握している限りで伺いたいのですが。

【幹事長】まず、今、問題になっているのは裏献金ですよね。そういうものは民主党にあるとは思っていません。しかし個別に調べているわけではまだありません。そういうことはないと思っています。

 それから、これは自民党にとって最大のスポンサーですから、そこがこういった裏献金の問題で今、調べを受けているということは非常に重いと思いますね。果たして吉田前議員だけだったのかということも含めて、数々の疑念が出てきます。そういったことに対して党としてきちんと説明責任を果たされるべきだと考えています。

 かなり資料は検察の手に渡っていますから、追加的にいろんなことが出てくるかも知れませんね。吉田さんだけだという理由はどこにも見当たりませんから。

■国会議員年金

【記者】今日、民主党の一部有志が枝野政調会長に対して、議員年金を廃止すべきだと。その法案を党として提出するように求めて、枝野政調会長も前向きに検討する旨答えてらっしゃるんですが、幹事長としてはこの議員年金の取り扱いについて、廃止も含めてどういう方向性を打ち出すべきだとお考えでしょうか。

【幹事長】政調での議論を私はお願いした立場です。昨日の「次の内閣」の中でも、実は3つ政調できちんとやっていただきたいとお願いしたわけですが、これは従来から言っていることの繰り返しなんですが、1つは議員年金の問題、そしてもう1つは参議院における定数是正の問題、第3は衆参の役割分担。そういったことについてこの国会できちんと方向性を出してくださいということを申し上げました。

 議員年金問題は私もかねて関心を持って予算委員会等でも質問をしてきたという経緯もあります。数年前から取り上げてきたと思っています。現状を見る限り非常におかしな制度であって、国家公務員の場合ですと半分が国、半分が本人ですね、基本的に。それから会社の場合、厚生年金ですと半分会社、半分本人。国会議員年金の場合ざくっと言えば国が3分の2、本人が3分の1ですから、やはりそこは少なくとも公務員並みの国費の投入割合にすべきだ思っています。

 いろいろ今まで議論してきた中で、国会議員には退職金がないと。したがってそれに相当するのが議員年金だという反論があります。しかし、もし退職金が必要だというのであれば、それは退職金が例えば首長、知事とか、市長でもあるわけですから、国会議員に退職金という議論は別途したらいいと思いますが、そのことをもって年金を正当化することはできないと思っています。

 国会議員年金をゼロにするというのも、それは個人的にはそういう考え方も私は決して反対ではありませんが、いろんな立場の方がおられるわけで、いきなりゼロにするというのは少し乱暴かも知れません。

 ちなみに私は国民年金なんですが、多くの国会議員は国民年金に入っていると思います。自営業者として。私は国民年金基金に入りまして老後に備えています。国民年金だけでは生活できませんので。

■年金改革政府・与党案への具体的対応

【記者】年金ですが、与党の改革案は「改革の名に値しない」ということですが、対案を出していくなどの具体的な対応策をお聞かせ下さい。

【幹事長】これは少し次元が違うんですよね。我が党は抜本改革案ですから。

 我が党の案はご案内のようにまず基礎年金に相当する分は全額税方式。そして、その上に所得比例型の年金を置くということで、厚生労働省が11月に出した案にも、そういうものが検討課題としてあるということが明記されていますように、かなり魅力のある案だと私たちは考えています。その法案も是非この国会に出したいと思っています。

 ただ、今はちょっと次元が違うので、与党のは小手先の案ですから、それと我々の案を比較して同じ土俵の上では議論できません。まずこの与党の案の問題を徹底的に議論をして、そのうえで抜本改革という次元になったときに、我々の案と与党の案が比較されるということだと思います。

 大事なことは与党の案が5年先なんて言ってますが、早く抜本改革の案を次の参議院選挙までに出して、そして我々と同じ土俵に立つということが大事だと思っています。このまま放っておくと、「5年先」と言ってますから、結局永遠に抜本改革はできないということになると思いますね。


編集/民主党役員室


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