2004年2月13日(金) | >>菅直人代表の記者会見録 | 戻る/ホーム/記者会見目次 |
岡田克也幹事長 定例記者会見要旨
■予算委員会質疑の感想
【幹事長】まず、国会のほうは予算委員会で本予算の審議が始まりまして、私も火曜日、90分質問させていただきました。その後も民主党の予算委員のメンバーを中心に次々とバッターとして立てて、活発な論戦が行われていると思います。
私自身の感想は、「小泉さん、非常に元気がないな」というのが率直な感想ですが、そういう中で、いくつか後に問題を残す発言もありました。
靖国発言の問題は、あまりこの問題に深入りするつもりはなかったんですが、ただ総理も発言の中で、いろんなことを言われたわけですが、哀悼の意を捧げたいということと、それから敬意と感謝を捧げたいと、こういうふうにおっしゃったんですね。
私は一般の、靖国神社に祀られている、まさしく戦争に行き、そして亡くなった方に対しては同じ思いですけれども、A級戦犯として祀られている人に対しても哀悼の誠というのは、私もそこはその通りだと思いますが、「敬意と感謝」というのは、それはやっぱり違うんだろうと思うんですね。
まあ、その後総理は、「日本には死者に鞭打つ習慣はない」と続けられたんですが、ロジックの飛躍というかすり替えがあるわけで、やはりA級戦犯というのはまさしく、戦争で命をなくして靖国に祀られている人たちをつくり出した原因、つまり責任を負う立場にある人たちですから、その原因をつくった人と、その結果として命を落とした人を一緒に議論することは、極めて私には理解のできないことです。
それから、道路公団の問題はその後、枝野さんにもフォローの質問をしてもらいましたが、総理の論理は突き詰めれば、民営化の議論をする中で、その20兆円かかる費用が、現実は13兆円ということで、半分近くになったじゃないかと、それが民営化の成果だということですが、それは民営化の議論の成果ではあるかもしれませんが、民営化そのものの成果ではないんですね。
半分近くの値段でできるということを、石原さんも細かく積算の内容を説明してくれましたが、今の段階ではこれは絵に描いた餅で、それが現実はそうなるかどうか分かりません。
やはり、民営化の最も大事なところは、民営化することでコストを安くする、そのことが利益につながる、そういう仕組みがビルト・インされることが民営化の最大のメリットで、そこについて総理は何も語ってないわけですね。
言ってみれば、今度の民営化会社というのは、高く造っても安く造っても、それはリース料と値段の差になるだけで、最終的には資産と負債は機構に移るわけですから、そういう意味では本来の民営化とは似て非なるものであると言わざるを得ないと思います。総理もそのことをお分かりだからこそ、あそこで言葉を荒げて言われたんだろうと思っています。
それから、竹中大臣に、名目金利と名目成長率の話を、これもその後、池田議員にフォローしていただきましたが、竹中さんは30年間の話に話をすり替えたわけですが、私はこれから10年後、基礎的財政収支が黒字なるという議論の中で、その段階においての話をしているわけで、別に30年の話をしているわけではないんですね。
ここも議論が完全にすり替えられたわけです。そういう、非常にほころびの目立った答弁だったのではないかと思っています。
■党所属議員公設秘書の情報公開
【幹事長】次に、先日、社民党の辻元さんの判決が出たわけですが、公設秘書の問題という、これは非常に重要な問題で、風化をさせてはいけないことだと思っています。
民主党としては年に2回、公設秘書の現状について情報公開をするということをすでに決めていまして、6月1日に引き続いて、1月1日付のものを今日公開することにしました。
新人議員の数も増えましたので少し集計に時間もかかりましたが、それぞれの氏名、主たる勤務地、そして一定の範囲内の親族である場合にはその旨を公表するということにしています。
お手元に資料として配らせていただいています。衆議院の場合、中野副議長も含めてという形になっていますが、全公設秘書が467名であります。参議院の場合には本岡副議長を含んで、公設秘書全体で192名であります。
そして、それぞれ配偶者がなっておられるケース、その他親族、つまり親とか子とか、兄弟姉妹がなっておられるケースも若干あります。
前から申し上げているように、そういった配偶者や一定の範囲内の親族が公設秘書になること自体に問題があると考えているわけではありません。問題は勤務実態です。
そして、その勤務実態が事実と異なるようなこと、事実と外に向かって説明していることが異なるということにならないように、我々は情報公開をして、その中でいろんな形でチェックを受ける、そういう形をとっているわけです。
もちろん、これは最低限のことであって、今後、公設秘書はどうあるべきかという議論、これは国会の中でも大いに議論をしていくべきことですので、我が党としても積極的に参加をしていきたいと思っています。そういったことのスタートラインとして、情報開示を自主的に行っているということです。
<質疑応答>
■公設秘書の勤務実態調査
【記者】公設秘書の調査の件ですが、これは多分、各事務所からの申告をまとめられたものだと思いますが、先ほど幹事長がおっしゃったように、問題は勤務実態であると。勤務実態については、ここに載っているということは問題はないという理解でいいのか、そこは調査の対象外ということか、どちらでしょうか。
【幹事長】勤務実態まで個々に調査はしていません。それをきちんとやろうと思えばもっと時間がかかります。この試みは、それを外に出すことによって、そういった実態と形が異なるということがないようにすると、そこに狙いがありますので、実際に調査はしていません。
しかし、周りの方が見れば、実態があるかないかは分かるはずです。そのための手がかりを出しているということです。
■年金ポスターと民主党案の法案化作業
【記者】今日、年金のポスターの発表があると思いますが、この時期に発表する狙いと今回の特徴をどんなふうにご覧になっているかということについて、よろしいでしょうか。
【幹事長】年金のポスターは後ほど古賀一成国民運動委員長からご説明があると思いますが、この国会で最大の争点だと思っていますので、しっかり訴えていきたい、こういうことです。
【記者】年金の話に関連して、幹事長は年金の法案化を指示されていますが、その進捗状況をどのように捉えているか、なかなか法案に落とし込む作業は実務的に難しいという声もあるようですが、その辺の進捗状況をどのように見てらっしゃいますか。
【幹事長】今、政調会長を中心にいろいろ議論が進んでいるというふうに理解をしています。まだ私のところまでは上がってきていません。先般も役員会の中でもまず政調会長のところでしっかりとりまとめをしてもらおうと確認したところです。
編集/民主党役員室
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