江田五月 活動日誌 2001年9月(11〜15) | >>日程表 | ホーム/総目次/9月目次/ 前へ|次へ |
今日は、10時過ぎの新幹線で上京。台風の動きが心配でしたが、運良く、神奈川県に入るまで青空が見え、定刻運転でした。
15時から、裁判官弾劾裁判所の打ち合わせ。15時半過ぎから17時まで、民主党の「司法と精神医療の連携に関するPT」の会合。(1)来年度予算の概算要求、(2)法務省・厚生労働省合同検討会の検討状況、(3)筑波大学の中谷陽二教授からの意見聴取です。合同検討会のヒアリングの経過は、すべてインターネットで公表しているそうです。
17時、来客。17時半から、比例区候補の高比良正司さんが来訪。非常に厳しい選挙結果で、私たちもこれを厳しく受け止めなければなりません。高比良さんは大変元気で、この経験を無駄にせず、NPO推進のネットワークを作り、民主党と連携して、NPO、文化、子どもなどの政策活動を続け、NPOや市民と政治とのつながりを推進していく方針です。私も協力します。
ニューヨークの貿易センタービルに飛行機2機が突入。ワシントンのペンタゴンも炎上。同時テロは拡大の様相。パレスチナ解放民主戦線が犯行声明との報道。戦線側は強く否定。テロは何よりも憎むべき犯罪ですが、これは明らかに、最近の中東の緊張激化の飛び火です。私は、インティファーダ直後に西岸とガザを訪ね、UNDPの案内で、時にイスラエル兵に銃口を向けられる中、現地を見て回りました。中東和平のために、日本が出来ることもかなりあります。しかしそれは、アメリカの報復に協力する集団的自衛権行使ではありません。断じてNOです。
昨夜のテロの被害が明らかになりつつあります。大変な事態です。被害を受けた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
昨夜、衝撃を受けたまま直感的に書き込みをしましたが、パレスチナに疑惑を持っているのではありません。
テロは憎むべき卑劣な行為です。しかし、アメリカがこれに報復し、テロ集団と報復合戦を繰り返せば、世界が舞台になります。大都市はどこもあまりに脆弱すぎて、とても危機管理では防衛出来ません。国連を中心に、国際社会の総力を挙げて、強力なテロ対策を講じることが必要です。
日本では、ついに株価が1万円を割り込みました。17年ぶり。トピックスも現在1000を割っています。
内憂外患。21世紀がどちらに向かうのか、最も重要な局面です。(14:12)
今日は、同時多発テロのテレビの見過ぎで寝不足。10時から、裁判官弾劾裁判所の事務局と打ち合わせ。
村木判事に対する刑事事件の判決は、10日24時の経過により11日に、懲役2年、執行猶予5年で確定しました。そこで、裁判官の任命資格を失うので、当然に現在の地位を失うのかどうかが問題となります。
憲法78条は、裁判官は分限裁判と弾劾以外にはその地位を奪われないと規定しています。裁判所法には、国家公務員法のような失官規定がありません。これは、憲法を意識しているからだと考えられます。国会の立法裁量も、憲法の枠内でしか発揮できません。合議で、こうした点を検討することになります。
12時、知人と昼食。今日は1日、予算・財務金融・外交・安保の部門会議で勉強会。井掘利宏教授から財政危機、メリルリンチの小関広洋さんから金融システム、国分良成教授から東アジアにつき、ヒアリング。私は、小関さんのお話をちょっと聞くことが出来ただけでした。
15時から、核軍縮につき国会議員の国際的ネットワークを作ろうと活動している梅林さんとアラン・ウェアさんが来られました。
16時前の新幹線で帰岡。県連関係の協議。
今日は、7時過ぎの新幹線で上京。11時から1時間、裁判官弾劾裁判所の裁判員合議。法廷におけるテレビ撮影の在り方を議論しました。
これは、訴訟指揮権や法廷警察権に関することで、裁判長の権限です。前回の合議で、20年前の先例にならい、通常の刑事裁判のように、被訴追者の入廷の前に短時間許可としました。しかし、報道側の強い要請があり、再度議論しました。
刑事裁判と弾劾裁判は、制度の趣旨も目的も異なり、刑事訴訟法の準用といっても、全てというわけにはいきません。前者は、国家の刑罰権の行使に際し被告人を保護する必要の程度。後者は、憲法上の三権分立と相互抑制の要の一つとして、国民に直接選ばれた国会が、司法権から不適切な人を排除する手続きに際し、国民に情報公開する必要の程度。判断基準は当然異なります。被訴追者は、昨日まで裁判官席で国民を裁いていたのです。しかも彼に刑罰を科するのでもありません。その他、弁論手続きと証拠調べ手続きの差異、当事者の意見などを総合して、裁判長が判断します。合議の秘密事項であり、これ以上はお許しください。
昼食後、職員の練習のための「模擬裁判」を傍聴。いくつか気付いた点を申し上げました。
16時から、高比良正司さんらと一緒に鳩山代表と会いました。NPOと民主党との連係をコーディネートする役目を受け持って頂くことにします。芸術・文化やこどものことも大切です。
17時前の新幹線で帰岡。一日で往復はきついですね。
米の同時多発テロの展開から目が離せません。イスラム原理主義と民主主義との「文明の衝突」にすべきではありません。また、「アメリカ一国主義」で報復に乗り出す選択は、際限ない報復合戦と大混乱を招きかねません。捜査も制裁も、米国に最大限協力し、国際社会の総力結集で対処すべきです。私は、テロ対策・麻薬対策のための「国連警察軍」の創設を提唱します。「国際公務員」としての参加は、日本国憲法のもとで可能です。
弾劾(追加)
弾劾裁判手続きのテレビ撮影につき考慮すべき点に、一つ追加。
児童買春の被害少女たちの保護も大切です。
今日は、湯川政策秘書と挨拶まわり。参院選後、お礼の挨拶がきちんとできていないので、臨時国会前でもあり、回っておこうというわけです。出掛けようとしたところに、船穂町議の中原さんが、目前に迫った同町の町長選挙についての相談に見えました。張切っています。
連合岡山では、ちょうど春石事務局長と東政治担当副事務局長がおられ、話し込みました。参院選の後、民主党と連合の関係について、議論が錯綜しており、違いを大切にしながら協力していくため、こういう機会をできるだけ多くしたいと思います。部落解放同盟県連では、研究所の若林さんがおられ、国立ハンセン病療養所の長島愛生園にある古い資料を見ていると、私の父が、最も古い時代から、最も頻繁に訪ねていると言われました。親子二代の課題ですが、最近は、熊本地裁で国が和解を拒否したり、厚労省との交渉がはかばかしく進まなくなっていたり、最終解決までまだ道のりは長いようです。
米国の同時多発テロは、捜査がずいぶん急速に進んでいます。米国が事前にかなりの情報を集めていたのでなければ、こうはいかないと思います。パウエル国務長官は、湾岸戦争のとき、前のブッシュ大統領のもとで統合参謀本部議長として指揮を振るいました。国内外の同意と協力を最大限取り付け、国際社会の総力を結集して、武力で報復に当たろうとしているように見えます。日本は、最大限の友情を示すべきですが、武力行使への荷担だけは避けなければなりません。そこまで行くと、次の段階での日本ならではの役割が果たせなくなり、日本国憲法のもとで集団的自衛権の枠組みに加わっていない日本を、危険にさらすことにもなります。
18時半から2時間、石田みえ選挙の総括懇談会。100名を超える皆さん、本当に有難うございました。
今日は、民主党岡山県連の運営について、関係者からの意見を求めて、数人の人を訪ね歩きました。当然ですが、いろいろな意見があります。異なった意見があるのは、民主主義社会としては当然のことだと思います。しかし、その調整に当たる者としては、ただ喜んでばかりはいられません。
14時過ぎの新幹線で上京。18時半から、現職の裁判官で作った「日本裁判官ネットワーク」の主催の懇親会に出席。本当は、13時から始まったシンポジウムに参加したかったのですが、無理でした。
参加者の皆さんの感想を聞きながら、シンポジウムの雰囲気を感じ取って、挨拶をしました。私と裁判官との関わり、司法制度改革に臨む姿勢などを話しました。代表格の安原浩さんは私と同期です。集まった皆さんと、率直に心を通わせることの出来る、良い会で、二次会まで参加しました。
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