江田五月 活動日誌 2002年9月 (17日) | >>日程表 | ホーム/総目次/9月目次/ 前へ|次へ |
今日は、10時から1時間弱、菅さんを交えて代表選の協議。大詰めですが、菅陣営は、あくまで正攻法で理解を求め、ポストの手形を切るようなことはしません。
12時前、井上和雄さんと、フィリピン国会議員のロゼラー・バリナガさんから提起された、フィリピン女性たちが搾取されている問題につき、打ち合わせ。裏の裏がいろいろあり、難しい問題ですが、人道や人権のことにつき、政治が敏感になることは大切です。代表選には触れていません。
13時から、菅直人選対会議。新たに石井一さん、海江田万里さん、谷博之さんも参加して下さり、勇気百倍。細かな情勢分析をしましたが、依然として伯仲です。15時からも代表選協議。
16時過ぎから、菅選対の責任者として、池田元久さんと共に記者の皆さんとの懇談。サポーターの見方などにつき、多少突っ込んだ話をしましたが、本当のところは分析不能です。
17時過ぎ、東京税理士政治連盟の総会後の懇親会へ。挨拶の中でも代表選への理解を訴えました。20時からさらに代表選協議。
小泉訪朝で、国交正常化交渉の再開が合意されました。そのこと自体は、冷静に考えると、評価すべきことだと思います。しかし、同時に明らかになった拉致疑惑の結末は、あまりに酷いものでした。さらに真実が解明されれば、もっと残酷な事実が判明するでしょう。正常化交渉の議題の第一に、真実解明が明記されていないことは、大変残念です。こうした交渉は、国民の理解と共感に基づいて行われることが望ましいのであり、小泉外交は、その手法にいささかの危惧なしとしません。
イラクの国際査察受け入れは、影が薄くなりましたが、国際的には、日朝と同様の重要性を持っています。民主党は、代表選の最中でも、これらの課題に敏感に反応しています。
9月17日 小泉首相の訪朝 平岡秀夫さんのホームページ「今日の一言」より
今日、小泉首相が、日本の首相として初めて北朝鮮を訪問しました。先月30日に、国民の多くの人が驚くほど急に訪朝を発表しましたが、訪朝の目的は、日朝国交正常化交渉の再開をすることのできる環境を首脳レベルで交渉することです。
この首脳レベルでの交渉の議題となるべき項目は多岐に渡りますが、国民の多くが関心を持っていたのは、「拉致疑惑」であったと思います。北朝鮮当局は、拉致疑惑について、日本側が要求したと伝えられる8件11人を含めた13人の安否を公表すると共に、金正日・総書記は、首脳会談において、拉致の事実を認めた上で、「誠に忌まわしい出来事である。遺憾であったことを率直にお詫びしたい。」と謝罪したと伝えられました。
今回の首脳会談で金総書記が拉致の事実を認め謝罪したことは、確かに大きな第一歩であったと私は思いますが、拉致の事実を認めた金総書記に対し、小泉首相が更に追求して、もっと詳細な事実を問い質すべきであったと多くの人が感じたのも事実であると思います。私も、次のような点について疑問を感じました。
第一は、北朝鮮から公表された13人の安否は事実なのだろうか、です。北朝鮮当局は、拉致の事実を認めているのですから、拉致された人々の動向の管理をしていないはずはありません。死亡された方々が、いつ、どのようにして亡くなられたかの情報は持っているはずです。にもかかわらず、それらの情報を公表しないのは、何か企み(たくらみ)があるのではないか、と疑いたくなるのは私だけでは無いと思います。
第二は、北朝鮮による拉致は、公表された13人だけに限られるのだろうか、です。北朝鮮当局は、今回、日本政府が「北朝鮮による拉致」と認定している8件11人とそれに密接に係わる若干の拉致の事実を認めましたが、事情通の人の話では、拉致された人々の総数は約70人と推定されています。日本政府が拉致と認定したもの以外には何らの情報提供もしないという北朝鮮当局の姿勢に不信感を持ちます。
第三は、金総書記は「責任ある人々は処罰をされた」と言っていますが、処罰に当たってどの程度の捜査が行われたのだろうか。また、その捜査結果は、どのようなものだったのだろうか、です。普通、処罰をするに当たっては、その処罰の対象となる事実関係を確認しますから、今後の国交正常化交渉の中でその事実関係を明らかにすることを要求すべきです。また、今回公表された拉致事件以外にも責任を問うべき拉致事件があるはずですので、その点も追及すべきでしょう。
第四は、北朝鮮当局は、この拉致事件についての北朝鮮政府の責任を北朝鮮国民にキチンと伝えていくのであろうか、です。今回の「日朝平壌宣言」では、拉致事件を「日本国民の生命と安全にかかわる懸案」と表現し、北朝鮮の国内放送も、同様の表現で報道するに止まっているようです。金総書記が、拉致の事実に対して謝罪したことなど全く報道されていません。
今後も、北朝鮮当局が、北朝鮮国民に自らの責任を明らかにしていくことは期待し難いと思われますが、北朝鮮当局の責任を明らかにしないままで、果たして、日朝両国国民が納得できる国交正常化が可能なのでしょうか。日本政府は、北朝鮮当局に対し、拉致の事実と金総書記の謝罪の事実を北朝鮮国民に明らかにしていくことを求めていくべきではないでしょうか。
第五は、これまでの北朝鮮当局と日本の政府(外務省)・政治家との拉致事件に関する交渉の経緯は、国民に正しく伝えられてきたのか、です。これまで、拉致事件については、北朝鮮当局とは、外務省、与野党政治家が、公式、非公式に交渉をして来ていますが、その経緯がはっきりしていません。今回死亡を伝えられた有本恵子さんについては、平成12年の森首相(当時)の「拉致被害者の第三国での発見」発言の対象ともなっていた、と言われています。
平成9年の連立与党訪朝団の副団長であった中山正暉・衆議院議員は、当時、同行した外務省職員から「有本さんの問題には触れないで欲しい。」と要請された事実を暴露しています。その中山議員も、今年に入って「有本さんの事件は、日本人が日本人をさらったもので、北朝鮮は関係ない。」と発言したそうです。一体今までどのような交渉が行われてきたのか、今後の交渉のためにも明らかにされなければならないでしょう。
以上、色々な疑問点を述べてきましたが、いずれにしても、来月10月から国交正常化交渉が始まります。拉致事件を始めとする様々な問題について、この機会に明らかにすべきことは明らかにしておかなければ、将来禍根を残すことになるのではないか、と思っています。
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