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12月15日(木) 点滴、証人喚問、社会的責任

今日は、相変わらず終日、帯状疱疹治療のための点滴でした。疱疹自体は枯れてきました。刺すような痛みとか痒みとかもありません。しかし、後遺症の神経痛が怖いので、初期の徹底的な薬剤投与が必要とのことです。

テレビは各局とも、昨日の耐震強度偽装問題の衆議院での証人喚問を詳しく報道しています。姉歯証人に対する最初の自民党委員の質問が酷評されていましたが、私も同意見です。委員会のためだけでなく、国民のためにもテレビのためにも、時間を全く無駄に使いました。また、質問者が長広舌を弄して最後に「その辺のところをちょっと説明してください」というのでは、何を訊ねられたのか証人に理解できなくても、無理もありません。対政府質疑では、役人が質疑者の意図を察して答えるので、その調子でうまく行くと思ったのでしょうか。

焦点は次第に、刑事責任の追及に移ってきたようです。行政法規の違反で刑事罰を課せられるのは当然です。問題は刑法犯の成否ですが、姉歯さんの行為は、文書の作成名義を偽ってはいないので、文書偽造ではありません。その他の関係者も含めて、共謀共同正犯による殺人未遂とか詐欺とか強要とか、いろいろ検討の対象にはなります。まず業法違反で捜査を開始し、その後の展開に注目するほかないでしょう。

「豆腐のようなビル」が多数残っているのは事実です。そこに多く人が大金を吸い取られているのも事実です。これだけの「大山鳴動」的な事実がありながら、刑事責任は「ねずみ一匹」とならないよう、国会でも追及が必要です。

近代刑法は個人責任の体系で、それはそれで良いのですが、現代社会の法秩序への挑戦のかたちを直視すると、組織犯罪を全体として捉えて対応する必要があります。私は以前から、個人とは別に、犯罪組織自体を制圧する法体系が必要だと思っています。オウム事件のとき、「リコ(RICO)法」的アプローチを検討しましたが、そのままになっています。今回の事案は暴力団などとは異なりますが、社会に与えた衝撃と損害は甚大です。この企業群には、何らかの社会的サンクション(制裁)が必要です。もちろん、民事・刑事の責任のほか、行政責任と行政対応、社会的背景と政治の責任など、広範囲な議論が必要です。


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