今日は、快晴。9時前にホテルを出て、外務省に行きました。建物は東ドイツ時代の政府の中枢部だったそうです。20世紀初頭のエレベーターがまだ使われており、びっくりしました。人の入る木箱が上昇方向と下降方向に2列に並んで、常に動いており、利用者は飛び乗り、飛び降りるのです。さらに驚いたことには、これはシンドラー社製で、しかも事故はないそうです。
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ホテル窓外は快晴 |
超旧式エレベーター |
9時15分から10時半過ぎまで、外務省内の立派なレストランで、アジア局のペーター・プリューゲル局長らと朝食懇談しました。安倍政権の経済政策や憲法解釈の変更、領土問題や二国間関係から来年のNPT広島会議まで、話題を沢山出されましたが、すべてに触れる時間はなく、特に憲法問題につき参加者がそれぞれ発言し、私も集団安全保障に関する議論を紹介して、理解を深めました。
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外務省アジア局長との朝食会 |
その後、1970年に訪ねたことのあるブランデンブルク門の脇を通り、連邦議会まで移動し、11時から12時過ぎまで、独日議員連盟副会長だった緑の党のジルビア・コッティング=ウール議員と懇談しました。バーデン=ビュルテンベルク州出身で、同州のウンターシュテラー環境大臣と同じ党だと自己紹介し、福島原発の衝撃を受けて、同州で50年ぶりに政権交代となったと説明されました。そして、脱原発実現のために、エネルギー効率の上昇、分散型電力、送電網整備や貯蔵技術開発などのほか、何より国民の合意と参加が必要だと強調されました。河野太郎さんが、日本の原発を巡る問題点につき総括的な説明をし、電力買い取り制度や廃棄物処理などにつき意見交換しました。
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ブランデンブルク門 |
連邦議会 - コッティング=ウール議員と懇談 |
次に、議会内のルーフテラスを徒歩で移動して議会を視察。議場の上に傍聴席があるのですが、全体に明るく透明度が高く開放的で、国民主権を形で楽しく表しており、モダンアート作品も陳列されていました。12時半に、議会内食堂で環境・自然保護・原子力安全委員長だった左派党のエファ・プリング=シュレーダー議員に迎えられ、14時過ぎまで、昼食懇談会に出席しました。ドイツでは、9月の総選挙の後、まだ連立協議の最中ですが、緑の党と左派党だけが野党という巨大与党体制ができると警戒感を示され、2022年原発ゼロの実現にはびっくりしたが、自分たちはもっと徹底した原発ゼロ推進派だと胸を張り、近くワルシャワで開催予定のNPTの会議に意欲を示していました。産業界の反対はないのかとの質問には、ちょっと間をおいて、「ない」と明言されました。別れ際に、議会屋上でみんなで腕を組んで記念写真を撮りました。
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同 - 議場 |
同 - 屋根 |
同 - ブリング=シュレーダー議員と |
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同 - 記念写真 |
同 - 河野さんと |
同 - 委員会室で |
その後、議会内をゆっくり移動し、委員会室などを見てまわってから、バスで移動し、エネルギー・水道事業連合会に行って、15時から2時間弱、シュテンファン・クリーガー国際関係担当部長と懇談しました。はじめに1時間ほど、産業界の取り組みにつきパワーポイントを使った解りやすい説明を受けました。原発ゼロと再生エネルギーの取り組みに積極的で、細かなシミュレーションを含め、固定価格、市場価格に加えてプレミアム価格の導入など課題の所在も明らかされました。価格のあり方につき多く時間が割かれた後、最後にまとめとして、まだ未決定の多くの課題を乗り越えて、原発ゼロの新しいエネルギー体制を作っていく決意を述べられました。外に出ると、電気自動車が路上で、充電中でした。
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事業連で懇談 |
電気自動車 |
ホテルに戻って暫時休憩の後、18時半から2時間ほど、中根日本大使公邸で和食の夕食懇談会に出席し、超党派の率直な意見交換となりました。