2000年3月27日

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[東京新聞記事2000/03/27]

《今週の顔 警察のかばい合い体質にメスを

参院警察問題追及野党連絡会座長 江田五月


 「警察の密室性と身内をかばい合う体質が日本の秩序維持を危うくしている。この際、すべてを白日の下にさらさないと、国民の信頼は回復しない」

 相次ぐ警察不祥事を受け、参院の民主、共産、社民の野党三党が各委員会で、連携して責任追及するために発足。座長として陣頭指揮を執り、警察制度や公安委員会の在り方にメスを入れようと意気込む。

 一連の不祥事について 「警察のうさんくささには、国民も気付きながら、秘密主義で表に出なかった。ベールをはがしたらこうだったというだけ」 と、氷山の一角だと強調する。

 父は故江田三郎・元社会党書記長。東大在学中は安保闘争の渦の中で学生運動に明け暮れる。司法試験に合格し、東京、千葉、横浜地裁で判事補を務めた後、1977年、社市連(当時)から参院全国区で初当選。その後、衆院議員に転進し、日本新党、新進党などを経て、民主党に。96年に岡山知事選に惜敗したが、一昨年夏の参院選で、国政に復帰し、党「次の内閣」司法担当相を務める。

 昨年の通常国会では、警察捜査のための通信傍受を認める通信傍受法に強く反対。徹夜の攻防の末、自民、自由、公明三党の賛成多数で成立したが、今回の警察不祥事を受け、廃止法案を提出した。 「いまの警察に通信傍受を認めさせるのは、テロリストにミサイルを与えるようなもの」 と、国民の警察への不信感を“追い風”に成立を目指す。

 事実の解明だけでなく、再発防止の制度づくりにも力を注ぐ。自身が中心となってまとめた民主党案の柱は、独立性を高めた国家公安委員会による外部監察の導入。自民党の亀井静香政調会長は「『警察官の警察官』がいる国になったらおしまいだ」と反論するが、 「警察官僚出身の亀井さんが考えるのは組織維持だけ。警察は国民のために存在するという発想がない」 と、ばっさり切り捨てる。

 首相秘書官によるNTTドコモ株譲渡問題の調査チームの責任者も兼務する。スキャンダルと不祥事追及で、小渕政権を衆院解散・総選挙に追い詰められるか。 「切り込み隊長」への党の期待は大きい。


2000年3月27日

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