2004年4月16日 | 世界連邦の実現を |
「世界連邦全国婦人協議会」創立45周年記念誌発刊祝賀会 祝辞
参議院議員 江田五月
世界連邦全国婦人協議会が、創立から四十五年の歴史を刻まれました。おめでとうございます。皆さまの日ごろのご活躍に、心から敬意を表します。
第二次世界大戦が終わったとき、世界は、二度とこんな愚行を繰り返さないと、決心しました。そして国連をつくり、一九四八年には湯川秀樹ご夫妻らによる世界連邦樹立の提唱があったのです。世界連邦は大きな夢です。実現には大きな困難が伴うことは、初めからわかりきったことです。だからこそ、みんなで力を合わせて、いかなる困難にも立ち向かおうと、決意していたはずです。
ところが今、現実の世界に起きた大きな困難にたじろいで、夢を捨てようという意見が強くなっています。アメリカが勝手に大義のないイラク競争を始め、日本もこれに追随しました。そして、国連が今なお無力であることが、天下に明らかになってしまいました。国連の掲げる理想をあざ笑うかのような議論を、識者が堂々と語る始末です。しかし、もともと国連は、そんなに強力ではありませんでした。冷戦時代はしばしば、大国の拒否権で麻痺していました。冷戦が終わった今、環境、人権、女性、子どもの問題などの多様な分野で、国連がめざましい活動をしていることを、見逃してはなりません。国際刑事裁判所が具体化すると、国際社会でも法による正義の実現が可能になります。
夢のない人生は灰色です。今、そのような生涯を送る人が増えてきました。夢のない社会は、混乱です。今、二十一世紀がテロの世紀になりそうな気配です。このようなときだからこそ、国連構想をさらに一歩進め、恒久平和への歩みを確かなものにするため、世界連邦の精神が貴重なのです。
そこで、女性の皆さまの出番です。四十五年の運動を振りかえり、もう一度、大いなる勇気を奮い起こして、理想のたいまつを高く掲げましょう。心からの声援を送ります。
(世界連邦全国婦人協議会創立45周年記念誌「女性たちが歩む平和への道しるべ」掲載)
2004年4月16日 |