2004年8月3日 |
■「新岡田民主党役員に聞く!」 2004 参議院議員会長 江田五月(8/3) CV-MiX 配信 |
○参議院議員会長でいらっしゃいます江田五月さんにお話をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
江田五月 よろしくお願いします。
就任の抱負を一言
参議院選挙で、今回、私ども民主党はかなり躍進しました、やはりね。全部で84名、これは1959年に、当時の社会党が取った議席と同じタイ記録。ですから、野党第一会派としてはタイ記録の数字なんです。その議員会長ですから、これは本当に責任重大です。
今度の選挙で、私たち民主党としては、これはもう小泉さんもそろそろ下り坂ですから、次は政権交代やらなきゃいけないというので、政権交代自体は総選挙の課題ですが、私たちも参議院議員で同じ党にいるわけですから。そして日本の政治の大問題は、これは衆議院参議院を越えて、日本の政治の大問題は、やはり有権者が自分たちの選択で政権を選ぶということができてないことですから。これは参議院の議員会長として、衆議院の皆さんと一緒になって、政権交代をこの3年の内にぜひやり遂げると、これをやらなきゃいかんと。
それともう一つは、さはさりながら、やはり衆議院と参議院違うんですよ。二院制が良いか悪いかという議論はありますが、今の憲法は二院制でやっているわけですから。そうするとやっぱり、常に参議院が衆議院のカーボンコピーであって良いわけがない。これは、民主党ということであっても、やはり衆議院と違って参議院にいるという、そういう意味で、参議院らしい議論の立て方を衆議院とはまた違って、やっていかなきゃいけないと。
このところ、例えば今度の年金もそうでしたけども、衆議院で議論が生煮えでね、参議院にきて大騒動になるというのが何回か続いているんですよ。これはあまり良いことじゃないんで、もう衆議院でフィリバスターであろうがなんであろうが、どんどんやっていただいて、参議院に来たらもうちょっと大所高所から、合意形成が出来ないものかという、そういう英知を働かせるという、そんな役目も議員会長としてあるだろうと思っているんです。
ですから、政権交代のために民主党をしっかりさせる。それはしかし、衆議院と一緒というわけではなくて、参議院側から民主党が本当にこう良識を発揮して国の政治について大きな合意を作っていく。そんな役割を議員会長としてやっていかなきゃいかん、と思っています。
民主党の今後の課題
もう繰り返しになりますが、政権交代。民主党は、能力的には、これは政権担当能力はあると思うんですよ。
自民党は、後ろに大きな官僚、シンクタンクがついてますから、この皆さんの力を借りて、政策立案でもなんでもやっているだけの話で、自分たちは右往左往して、この利権の分配に狂奔しているんですよ。
ところが民主党の方はそうじゃなくて、やっぱり自分たちで、例えば予算でも官僚の力を借りずに自分たちで予算を作ったりしていますよね。ですから政権担当能力はある。しかし残念ながらまだ政権担当してみなさいと信頼される、これはちょっとまだ足りないんです。
ですから後は、今度は国民に政権担当への信頼感を持ってもらうということで、それはやはり、例えば、大いに議論をしても最後にはピッとまとまるとか。あるいは、一挙手一投足。これが選挙に勝ったからとすぐ浮かれるんじゃなくて、そこはもっと思慮深い顔をしているとかですね。そういう、行動で国民に信頼を持ってもらう。それがこれから1〜2年の課題ですよね。これがきっちりできればもう2〜3年の内に必ず政権交代が起きると思いますね。
参議院選挙について
僕自身の選挙はね、東京へ来たら皆さん「さすが江田さん強いね」と、言うんですが、それは違うんですよ。本当にもう現場ではね、必死の選挙をやりました。なにしろ、相手はね、オール与党ですから。最後の2日間で10万件電話かけるっていうんですよね。これはやったと思いますね。もういろんな人から「いやもう、5回も6回も電話かかってきたよ」と、「向こうからですよ」というのを聞くんですね。こっちも気力で、もちろん電話かけも、それからそれ以外でも。僕なんかも、遠くの方で人が聞いていれば全力疾走で走っていって握手して。おかげで足が痛くなって、まだちょっと足引きずっているんですけどね、それだけやったと。大変厳しい選挙でした。
ただ、僕自身の場合には、岡山県から直接選挙区で選ばれる国会議員を全部自民党にしていいのかと。そんなことではそれはバランス感覚からすると大問題だ、ということを訴えたし、同時に、今の日本の政治や社会、経済の状況を見て、これではもう何かみんな自分だけよけりゃいいじゃないかという風潮になってますから。それではいけないと、支え合いの社会を作る、そのために今こそ正義と良識、と訴えて。これで結果的には、大変大きな票をいただいた、ざっと50万票対35万票ですから。そして、岡山県でも比例区でも勝ちました。第一党になりました。
全国では、やはり民主党が50に自民党が49ですよね。それから与野党で見ると、与党が60、野党が61。比例区だともっとすごい。ということで今度の参議院選挙だけで見ると、政権交代が起きている。野党の方が勝っているわけです。ですから、やっぱりこの参議院選挙によって、政権交代が現実に、もう見えるところまで来た。後は、ですからそれが蜃気楼にならないようにですね、ちゃんと見えている物が現実だという、そこへ持って行く。それが今度の選挙の意味だったと思います。
その他、政策的には年金の問題、イラクの問題。年金について、私たちは廃止法案を出しましたが、どうもそのお答は、この超短期の国会会期というんでね。そんなことで益々自民党は、あるいは与党は国民の信頼を失うだろうと思いますね。
イラクの問題は、多国籍軍への自衛隊参加っていうのはずーっと議論をして、それはNOだとなっているんですよね、NOとなっているには理由がある。ところが何だかんだあれこれ理屈をつけて、いやたいしたことないんだから今までと同じだからと、ちょろっとこうすり抜けて、多国籍軍への自衛隊参加をまずやってしまう。まあ後方支援だからいいじゃないかと言ってる内にざーっと広がりますから。ここはやっぱりきっちり、それはNOだという答を国民の皆さんに出していただいているわけですから、これを現実の政治の動きの中でも作っていきたい。
それからもうひとつ。これは選挙の総括というよりも、選挙が終わってから、例の日歯連のね、ひどいですよね。超豪華料亭で、一億円ですよ。揃ってる顔ぶれは皆、派閥の親分連中ばかり。向こうも会長とかいう人ばかりでね。それで誰も記憶にないなんて言うんだから。皆さん、アルツハイマーが相当進んだのか、そうでなければ、よっぽど常日頃そんなことばっかりやっているのか、あるいは、嘘付いてるのかね。
自民党は要するに何も変わってない。自民党は変わった!何とかになった!なんて言ってるけど、大嘘。しかも小泉さんは、日頃は世論の支持をバックに政治を動かす人なんですが、今や選挙で世論の支持が離れたら、今度は国民を無視。今の選挙での年金やイラクのNOの答えに対して、一切そんなものは歯牙にもかけないっていうやり方ですから、これはもう本当に終わりました。
国民へのメッセージ
参議院選挙、本当にありがとうございました。選挙区でも比例区でも自民党にNOと、そして野党がんばれと、期待をしていただいて。しかしまだ、もうちょっと様子見させてもらうという、そういう感じが今度の選挙だったんだと思うんですね。
ぜひ、私たちも全力でがんばります。政権交代によって、新しい日本を作っていく、新しい世界を目指していく。政治というのはそういうものを作っていく、可能性を持った営みなんでね。政治の持っている豊かな可能性を最大限生かすようにするために、更に引き続き民主党へのご支援をお願いします。私も全力でがんばります。ありがとうございました。
2004年8月3日 |