2004年10月20日 ことばの政治学

戻るホーム2004目次前へ次へ


小泉首相と勝負  内容伴う党の結束が鍵

小泉首相はあと2年、岡田代表も2年、だからこの2年が正念場だ。次の総選挙まで3年あるというが、それだと小泉首相以外の人と対決になる。その前に小泉首相と勝負を懸けて政権交代を実現する。 
(江田五月・民主党参議院議員会長)

 二年後の自民党総裁選で決まる小泉純一郎首相の後継者よりは、退場間近になった小泉政権と総選挙で政権交代を争う方が分がいいと考えるのは、えださんでなくとも民主党にとっては理の当然のことだ。自民党との雌雄を決する戦いを想定し、民主党が心せねばならないことは、新たな政治理念、生活レベルでの政策であり、もうひとつは党の結束であろう。

 政権交代がなぜ必要かを民主党側から考えれば、政治腐敗につながる自民党の利権構造を壊す、陳情行政をやめるなどがある。しかし、と江田さんは考える。政権交代で国民が自分たちの運命を決める道具として民主党を使うことができる、そういった政治理念を伝えていくことが大事だと。

 小泉首相に郵政民営化をあおられ、賛成か反対かということでは、首相の術中にはまりこんでしまう。郵政ですよ、と見せながら実態は何もないのが小泉首相の手品だ、と江田さん。郵政は政策課題としては優先度は高くない。首相の術中にはまらないことが大切というわけだ。

 小泉首相の方は経済指標をを示して、景気がよくなったと言っている。江田さんは雇用、年金など社会保障、教育など生活にかかわるところでよくなっていることが景気がいいということだと、政権が明らかにする数字に惑わされないよう警告する。翻って民主党が生活の部分での政策を国民が納得するまで十分打ち出しているか。江田さんは年金の一元化をもっと具体的にしていかなければならないし、教育についても子育てと結びつけて考えていきたいと思っている。とにかく小泉政権の政略の場に乗ってしまわないことだ。

 価値観が多様化している成熟社会で、いろいろな価値観を包含する政党が、自民党以外にもうひとつ必要。だから民主党は多様にならざるを得ないが、大事なのは結束。何で結束するか。国民に夢とか希望を語ることで結束する。それは大げさなことではなく、生活の満足感、芸術、趣味、ボランティア、家庭の安らぎ、環境保護などであり、年収五百万ぐらいで満足できる生活、それを国民に約束できるかだ。江田さんはそうした夢に向かって訓練することが結束だと強く思っている。

(共同通信編集委員・榊原元広)
中国新聞 2004年10月20日掲載

 

2004年10月20日

戻るホーム2004目次前へ次へ