2005年1月1日 江田五月ホーム

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新春対談 いよいよ“政権交代”を

民主党の躍進を誓う 江田、森本両氏が強調

「新年明けましておめでとうございます」――。“トリ年”がスタートした。昨年は景気の低迷に加え、台風、地震など天災が相次ぎ、暗い一年だったが、参院選では民主党が勝利するなど明るいニュースもあった。新春の大空にどう羽ばたいていくか、元NHK岡山放送局キャスターの藤原薫子さんを司会に、民主党参議院議員会長で同党岡山県連会長の江田五月氏、岡山県議会議員の森本てつま氏が“新春対談”し、国政や県政の課題について大いに語ってもらった。


―― 新年を迎えました。まず最初に、昨年を振り返ってみてどんな一年でしたか。

江田 昨年は大変悪い年でしたね。天災が相次ぎ、岡山県も台風の被害が大きく、県南では土砂崩れなどで八人が亡くなられました。県北も森林被害がひどく大変なことになっています。全国的には新潟中越地震が起き、そうかと思ったら、銀行の役員が逮捕される事件もありました。世界をみたらイラク戦争とか、テロ事件が多発し天誅殺のような一年でした。

しかし良かったことも二つあります。一つは日本選手が大活躍したアテネオリンピック。もう一つは、民主党が勝利した参院選。これは本当にありがとうございました。これから六年間は大変重要で、昨年の歩みを今年はいよいよ大きく前に進める年になりそうです。

森本 私にとってはあわただしい一年でしたね。昨年二月には、参院選で江田選対の事務長という大役をおおせつかり、七月まで走り回っていました。そのあと、県議会議員になって初めてデンマーク、スウェーデンなど福祉先進国の調査に行きました。これは大変勉強になりましたね。

「民主党参議院議員会長に」

―― 昨年の参院選は大きな勝利でしたね。

江田 森本さんには大変、お世話になりました。腰を痛め、森本さんの腰が回復不能になってしまうのではないか、と心配しました(笑い)。

昨年の参院選は、過去のデータを見る限り、決して勝てる選挙ではありませんでした。二年前の総選挙、四年前の前回参院選をみても、岡山県下の自民党の得票は五十万票、それに対し、民主党は二十五万〜三十万票。それが、投票箱があくと同時に当選確実が出、びっくりしました。ぶっちぎりの勝利でしたね。

今回参院選の得票は、総選挙の岡山県下の五つの選挙区にあてはめると、民主党がすべての選挙区で自民党を上回り、比例区でも民主党が勝ちました。全国的にも、比例区は民主党が十九人、自民党が十五人。さらに、改選議席数でみると民主党が五十議席、自民党が四十九議席となり、与野党別でも与党の六十に対し野党を全てたすと六十一になり、政治の流れが大きく変わりました。結果を見ると、有権者は政権交代を選んだといえますね。

森本 昨年の参院選は自民党との一騎打ちという大変な選挙でした。『岡山では野党ゼロ、自民党独占のままでいいのか』 という点に焦点をあて戦いましたが、結果は五十万票対三十五万票の大差がつきました。背景には 『今のままの政治ではダメだ。何とか政治の流れを変えよう』 という大きなうねりがあり、これがこうした結果を生んだと思います。

―― 昨年は民主党の躍進の年といえますが、今後の民主党なり、岡山県連の課題は何でしょうか。

江田 参院選の結果を受け、直後に、民主党参議院議員会長に就任しました。参院の民主党議員は現在、八十四人という大所帯になり、これは一九五九年の社会党以来のことです。社会党はその後、長期低落傾向をたどりましたが、民主党は果たしてどうなるのか、議員会長として責任重大です。新年こそは小泉政治を終わらせる年にしたいと思います。

森本 わが国は今、社会も政治も経済も行き詰まっています。特に、社会の行き詰まり状況はひどいですね。われわれの世代では考えられなかった、親が子を殺す、子が親を殺すなど凶悪犯罪が毎日、起きています。最終的には政治の責任が一番、大きいと思います。

さらに、民主党が本物になっていくためには、どういう活動をしていくか、が問われています。例えば、中国残留孤児問題。日本語がしゃべれず就職もできず困っていますが、日本で生活ができるよう、キチンと対応する必要がある。民主党がもっと前に出て政治を引っ張る時だと思います。

民主党は今後三年間が政権交代を目指す勝負の時です。三年先には参院選、その前には、解散・総選挙がいつあってもおかしくない状況で、この時を逃してはならないと思う。岡山県連の取り組みは不十分だが、今こそ有権者の前に、目に見える形でいかに行動を起こしていくか、大きな課題と言えます。

「岡山は難題山積」

―― ところで、江田さん、国政の新年の課題はいかがですか。

江田 経済面では、景気が良くなってきているといわれますが、本当でしょうか。地方はまだまだ悪いですね。小泉政権は勝ち組が引っ張って景気を良くするんだといっていますが、負け組は首を吊って死ねというのではダメ。地方の経済をどうやって良くしていくか、岡山県政の課題でもあり、国全体の課題でもあります。

福祉の面では、民主党が主張するように年金制度は一元化しなければならないと思います。今回改正した年金制度はまさに欠陥商品。今後、議論される介護とか医療問題を含めて安心して暮らせる制度をいかにつくっていくかが重要です。また、橋本元首相の一億円献金問題など政治をきれいにしていく問題もあり、厳しく追及していくつもりです。

―― 一方、岡山県政の課題はどうですか。

森本 最大の課題は県財政の再建です。起債制限比率が全国ワースト1。国の三位一体改革がどっちを向いていくのかわからないが、今のままでは税財源の委譲は不透明で、地方交付税のみがカットされ、地方はお手上げの状態になるのは間違いない。必要なお金は地方に委ね、首長が自分の判断で優先順位をつけてお金を使えるようにする仕組みづくりが必要だ。県議会に出てみて、縦割り行政、ヒモ付き予算などの弊害が目立ち、こんなにムダな仕組みになっているのかと痛感しています。

危機管理の問題も大きいですね。昨年の台風では、高潮被害が問題化しました。地球温暖化が進めば、さらに被害が広がってくる。県には危機管理室はあるが、全く機能していない。

地方行政は今、難題が山積しています。市町村の合併問題をはじめ、地方振興局の統廃合問題も浮上、県民サービスはこれでいいのかといった視点から問い直す必要があります。また、岡山県はIT先進県といわれますが、まだ一般家庭まではつながっていない。合併特例債などを活用して県民が真に利用で出来るよう整備を急ぐべきですね。

「地方選拳で勝利を」

―― 最後になりましたが、新年にかける抱負を。

江田 小泉首相の総裁任期はあと一年九ヵ月。今年の暮れから来年初めにかけて総選挙がありうる。今年は市町村で首長、議員選挙が相次いで行われるが、着実に勝っていかなければならない。岡山県政では、昨年秋の知事選で与党となったが、知事が民主党を本当に与党扱いしているのかどうか。厳しくチェックしていかないと、県民に対して責任を果たせなくなると思う。

森本 四十年近く労働運動に取り組み、政治を変えたいと政治活動にも携わってきました。新年に際し、その集大成がこの一年に凝縮されるぐらいな気持ちでいる。政治を変えなければ、国もよくならないし、地方もよくならない。緊張感ある政治体制をどうつくっていくか、私に課せられた大きな政治課題です。

今年三月には、市町村合併が最終段階を迎え、新しい首長、議員の選挙が行われる。地方議員の数を増やし、根のはえた党活動が出来る組織づくりに全力をあげて取り組みたい。

今年は岡山国体が開催される記念の年。スポーツでも、文化面でも世界に向けて、岡山から情報発信出来るよう、大きな夢を抱いています。

江田 今年は若い人たちに大いに期待しましょう。

森本 新年もお互いに頑張りましょう。(この後、三人でがっちり握手)

森本てつま後援会ニュース(新春特別号)掲載


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