2008年11月23日 |
平成20年11月23日
於 明治神宮会館参議院議長の江田五月でございます。平成20年度農林水産祭式典の開催に当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。
農林水産業を取り巻く環境は厳しさを増しています。地球温暖化や人口の増加などにより、世界的な食料需給が中長期的に逼迫するとの予測が、ますます現実味を帯びて来ました。わが国の食料自給率も約40%と、主要国の中でも最低水準となっています。加えて、食の安全が脅かされる事件が相次ぎ、食品の原材料に疑いの目が向けられることも少なくありません。私は、戦後の食料不足の時代を経験した世代の一人として、まことに憂慮すべき事態だと実感しています。
そうした中、農業生産者の皆さんは、食の提供や国土の保全をはじめ、国民生活のあらゆる側面に深く関わり、その役割はますます重要になっています。近ごろ、若手の方々が新たな発想で農林水産業に取り組んでいるニュースを見かけますが、若手であれベテランであれ、意欲ある生産者を後押しし、創意工夫を生かすような政策を積極的に展開していくことが、これまでにも増して重要になっています。第一次産業こそ、最も知識集約度の高い産業だと言う人もいるくらいです。
秋の実りと収穫に感謝する本日、このように盛大に開催される農林水産祭は、国民の農林水産業と食に対する認識を深める大変よい機会だと思います。関係の皆さんには、この行事をさらに意義あるものとして発展させ、農林水産業に従事する方々の励みとしていただきますようお願いいたします。
結びに、本日栄えある表彰を受けられた皆さんの日ごろのご労苦に心から敬意を表し、農林水産業に携わるすべての皆さんのご健勝とご活躍をお祈りして、お祝いの言葉とします。
2008年11月23日 |