2009年1月21日 |
戦傷病者特別援護法制定45周年
並びに財団法人日本傷痍軍人会創立55周年記念式典
江田参議院議長祝辞平成21年1月21日
於 日本武道館本日ここに、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦傷病者特別援護法制定45周年並びに財団法人日本傷痍軍人会創立55周年記念式典が盛大に開催されましたことを、心よりお喜び申し上げます。
終戦から60年余りの歳月が過ぎた今日、戦争の惨禍を経験していない世代が多数となり、悲惨な記憶も風化しがちだと言われるようになりました。しかし、改めて振り返れば、戦争中に命を落とされた多くの方々の悲劇のみならず、戦争により傷つき、病に侵された方々やご家族の皆さまも、現在に至るまで長きにわたり大変な苦難を負われてきたのです。そのご労苦はいかばかりかと思います。このすべては政治の責任であることを忘れてはなりません。
私たちは現在、平和と繁栄を享受しているからこそ、戦争で命を落とされた方々の無念、傷を負った方々のご労苦、ご遺族の皆さまの深い悲しみを忘れず、平和の尊さとそのための努力の大切さを、いま一度深く胸に刻み込む必要があるのだと思います。
日本傷痍軍人会は、創立以来一貫して戦傷病者の生活の援護等に力を尽くしてこられました。その間、皆さまが助け合い、さまざまな困難を乗り越えて、このたび、創立55周年の節目を迎えられたことに、深く敬意を表します。
戦争により傷を負われた方々に必要な施策を講じることは、国の責務です。昭和38年には戦傷病者特別援護法が制定され、療養給付などの援護措置が図られてきたところですが、同法も45年を経過しました。現在では、戦傷病者の方々の高齢化も進んでいます。皆さまには、ぜひお体をいたわっていただき、今後ともお元気でお過ごしになられるよう、お祈り申し上げます。
結びに、本日栄えある表彰を受けられる皆さまに対し、心よりお祝い申し上げますとともに、日本傷痍軍人会の今後のご発展と、皆さま方のご健勝、ご多幸を祈念して、祝辞といたします。平成21年1月21日
参議院議長 江田 五月
2009年1月21日 |