創立６０周年記念 第５３回町村議会議長全国大会
江田参議院議長祝辞

平成２１年１１月１１日
於　ＮＨＫホール

　参議院議長の江田五月でございます。

　全国町村議会議長会が創立６０周年を迎え、本日、多くの議長の皆さんのご参加のもと、第５３回町村議会議長全国大会が盛大に開かれましたことを、心からお喜び申し上げます。

　終戦直後、地方自治の基本を規定した日本国憲法の施行と合わせて、地方自治法が制定されました。それから２年後の昭和２４年、全国町村議会議長会が設立され、以後６０年間の長きにわたって活動が続いてきました。これまで地方議会の発展のため、議長会で力を尽くしてこられた関係の皆さんに、深く敬意を表します。このたび６０周年を記念した特別表彰を受けられた皆さんに、お祝いを申し上げます。

　今年、政治は大きく転換しました。中央政府が業界や団体の要望を汲んで絵を描き、施策を実施するという時代から、地域住民が主体的に政治に参加し、施策にかかわる民主主義へと変わっていこうとしています。これが機能するためには、地方が自らの裁量と工夫で施策を立案できる環境とともに、地域住民の声を行政に的確に届けられる仕組みが必要になります。

　地域の生活に最も近い存在である町村議会は、住民の生の声を吸い上げて集約する一方、行政の施策をチェックするという重要な役割を果たしてきました。今後、その責務はますます高まるでしょう。全国の町村議会でより一層活気ある議論が行われれば、この国の民主主義はさらに成熟していくと思います。町村議会議長の皆さんのご手腕に心から期待する次第です。

　結びに、重ねて全国町村議会議長会の創立６０周年をお祝いし、本日の大会の成功と議長会のますますのご発展、そしてご列席の皆さんの一層のご健勝をお祈りして、祝辞といたします。