2010年6月21日

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江田五月の 21世紀ビジョン

 私は、裁判官を経て政治家となり、社民連を率いて細川内閣で科学技術行政に携わり、民主党に参加して岡山から政権交代をめざしてきました。この3年間は参議院議長として国会運営を仕切り、「国民が政権を選択する」新しい民主主義の扉を開きました。
 民主党政権は厳しい試練にさらされ、菅直人さんが新しい首相を引き受けました。必ず「ゆるぎない情熱」で、政党政治を立て直します。今生まれた子どもたちが成人するまでに、私と皆さんの「経験智」と力を合わせて、次のビジョンを実現することを宣言します。

1 生活は…支えあい
男女が協力して差別的待遇や過重労働をなくし、子どもと生活を最優先して、福祉と教育の充実した排除のない支えあいの社会をつくる。

2 経済は…分かちあい
生活の基礎である農林水産業と付加価値の高い産業分野の活力で、あらゆる人に雇用が保障された安心と分かちあいの経済をつくる。

3 公けは…市民と協働
行財政・税制改革でお金の流れを良くし、市民主体の社会的事業との協働で、暮らしに寄り添う透明度の高い行政や自治の公共システムをつくる。

4 世界は…共生と平和
アジアの穏やかな文明観と日本の科学技術力で東アジアをひとつに結び、平和、環境、人権、人間の安全保障が実現した水と緑と共生の世界をつくる。


「21世紀ビジョン」・21の提案


 1 生活は…支えあい 

男女が協力して差別的待遇や過重労働をなくし、子どもと生活を最優先して、福祉と教育の充実した排除のない支えあいの社会をつくる。

  1. 職場からあらゆる差別や過重労働をなくし、人間らしく安心して働ける産業社会をつくる。
  2. 情報公開、相談、教育・啓発により、生活の安全と質の向上につながる消費社会をつくる。
  3. 引きこもりや差別で苦しむ人たちを孤立させず、市民の助け合いによる排除のない福祉社会をつくる。
  4. NPO優遇税制や寄付金控除などを充実させ、豊かな資金を持った新しい公共による市民社会をつくる。
  5. 各地に根づいた市民文化活動の場を豊富にし、人と人とが新しい絆で結ばれた文化社会をつくる。
  6. 日本人が国内でも世界でも活躍できるように、チルドレン・ファーストで子どもの育ちと学びに投資し、人間力を高める。


 2 経済は…分かちあい 

生活の基礎である農林水産業と付加価値の高い産業分野の活力で、あらゆる人に雇用が保障された安心と分かちあいの経済をつくる

  1. 日本が得意とする知識や技術でものづくりやサービスの付加価値を高め、産業分野を元気にする。
  2. 生活の基礎である農林水産業とともに、環境、観光、健康などの新分野を重視して活発にする。
  3. NPOや社会的事業などにも資金が豊かにまわる、賑わいのある新しい経済のしくみをつくる。
  4. 中小企業のもつ技術力、競争力に光をあて、地域産業や市民資本の充実で、障がいや病気のある人も働きがいのある場を豊富にする。
  5. 公共事業に新しい発想を取り入れ、ハブ空港や情報ネットワークなど国の国際競争力を強める。


 3 公けは…市民と協働 

行財政・税制改革でお金の流れを良くし、市民主体の社会的事業との協働で、暮らしに寄り添う透明度の高い行政や自治の公共システムをつくる。

  1. 国会運営や選挙の制度を改革して参議院の独自性を高め、「未来を考える議会」にする。
  2. 政権交代のある政治を定着させ、市民による憲法論議を深め、参加民主主義の政治をつくる。
  3. 行政のムダを徹底的になくした上で税制を改革し、地域や市民の活動に役立つ財政構造にする。
  4. 政治資金の流れを透明にして、市民の金銭感覚にあったすそ野の広い新しいしくみにする。
  5. 市民参加の枠組みを広げて、地域主権と住民生活を最優先する自治体をつくる。


 4 世界は…共生と平和 

アジアの穏やかな文明観と日本の科学技術力で東アジアをひとつに結び、平和、環境、人権、人間の安全保障が実現した水と緑と共生の世界をつくる。

  1. 日本のリーダーシップで、核兵器の廃絶、平和、環境、人権、人間の安全保障を実現する。
  2. 国際援助を常に現地の視点で点検し、世界各地の抱える問題の真の解決に貢献する。
  3. 東アジア共同体構想を進め、自然を愛し大切にするアジア的な文明観を世界に広げ、水と緑の地球を守る。
  4. アメリカとの関係を、平和をめざす新しい世界のしくみにふさわしい同盟関係に発展させる。
  5. 海外での活動経験が大切にされ、外国人も生活しやすい世界に開かれた社会をつくる。

あさのあつこさん(作家)、江橋崇さん(法政大学教授)、ジェラルド・カーチスさん(コロンビア大学教授)、榊原英資さん(青山学院大学教授)、佐々木毅さん(学習院大学教授)、杉田敦さん(法政大学教授)、炭谷茂さん(恩賜財団済生会理事長)、水島広子さん(精神科医)らにご意見をうかがいました。(50音順)


2010年6月21日

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