2010年6月22日 |
らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日
江田参議院議長メッセージ本年も、「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」を迎えました。あの熊本地裁国賠判決から9年余り、補償金支給法や問題解決促進法が施行されるに至ったとはいえ、国の政策の間違いが、特定の人に限りない苦難を与え、社会に差別と偏見を深く植え付けてきた事実は消えません。現在では、療養所に入所されている方々の年齢は高齢化の一途をたどっており、問題の解決にはなお道半ばです。
われわれにこれからできることは、被害に遭われた方々が穏やかな生活を送られるよう環境を整えるとともに、間違った認識や政策によって同様の悲劇が生じないようにするための啓発を続けていくことです。この式典も、広く報道されることで国民の間に議論を喚起する役目を負っていると思います。この日が、人々の記憶を呼び覚まし、あるいは新たな認識のきっかけとなって、社会に反省を促す機会となることを心から願っています。
参議院は先月、本会議で「国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議」を全会一致で可決しました。私としても、ライフワークとしてこの問題に取り組んできた経験を生かして、引き続き完全解決に向けた努力を続けていくことを誓います。
結びに、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げ、ご挨拶といたします。
平成22年6月22日参議院議長 江田 五月
(欠席につき代読)
2010年6月22日 |