2010年12月1日

戻るホーム2010目次前へ次へ


ご あ い さ つ(日中友好会館年報)


       




財団法人日中友好会館
会長  江田五月

 平成22年7月に、財団法人日中友好会館の会長に就任致しました。微力ですが、皆さまのご協力とご助言を得て、先人たちのご苦労を忘れることなく、責任を全うする決意です。どうぞよろしくお願いいたします。

 昨年度を振り返りますと、9月の国政選挙で民主党が勝利し、自民党に代わり民主党政権が誕生しました。日中関係では、4月に麻生首相が中国を訪問し、胡錦涛国家主席、温家宝首相と会談しました。その中で、両国は常に大局的観点を忘れず、個々の問題を適切に処理しつつ「戦略的互恵関係」を育てていくことや、さまざまな機会にハイレベルでの意思疎通を継続していくことを確認しています。

 また、年間4,000名規模の青少年交流や3年間で1,500名規模の教育交流等を、今後積極的に推進することが確認され、文化・知的分野での交流等を一層積極的に展開・支援していくこととなりました。私も参議院議長として、11月には楊潔篪・中国外交部長の、12月には習近平副主席の表敬訪問を受けて会談し、さらに上海万博の関係者の皆さんをはじめ多くの中国の皆さんと意見交換を重ねました。

 当財団はこうした状況の中で、従来からの留学生寮や日中学院の運営、文化交流、青少年交流等において、日中両国政府や民間団体並びに多くの方々のご支援をいただき、大きな成果を上げることができました。とりわけ青少年交流事業においては、「21世紀東アジア青少年大交流計画」も3年目に入りましたが、日中両国政府が合意した年間4,000名規模の交流実現のため努力を傾注してまいりました。しかし、新型インフルエンザの感染拡大の影響をうけ、年度前半には事業の延期や日程・交流プログラムの変更等を余儀なくされるという困難な面もありました。

 日中関係は、長い歴史のある「一衣帯水」の関係であり、今後も多くの分野で広範な事業を展開していかなければなりません。昨今の日中関係には、さまざまな懸案が生じていますが、こんな時だからこそ、双方が未来志向の知恵を出していかなければなりません。当財団としては、幅広い国民レベルでの、とりわけ若い世代間の相互理解拡大を通じ、日中両国間の友好関係の恒久的な維持発展を目指し、留学生寮の運営をはじめ教育・文化等さまざまな分野での交流の輪を更に広げてまいります。当面する公益法人への移行という課題にもしっかり対応してまいります。何とぞ、皆さま方の暖かいご支援を切にお願い致します。

   *11月19日楊潔篪・中国外交部長(国会内参議院議長サロン)
   *12月15日習近平・副主席(参議院議長公邸)

財団法人日中友好会館発行「日中友好会館年報」(平成22年度版)掲載


2010年12月1日

戻るホーム2010目次前へ次へ