2002/02/27

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江田五月の国会レポート 第16号

江田五月 VS 小泉純一郎 参院本会議で代表質問
田中外相更迭・小泉支持急落で政局波乱のスタート

政治 経済 永田町の今
民主党大会で実行委員長をつとめる
デフレ阻止と地域経済活性化
食の安全とNPO税制について
ブッシュ演説と田中・鈴木参考人質疑
岡山トピックス
 2区辞退・県連大会
 東京パーティー・バス旅行

◆江田五月 VS 小泉純一郎 参院本会議で代表質問

第154回通常国会が、1月21日に召集されました。会期は、6月19日まで、150日間です。

参議院では、私が民主党・新緑風会を代表して、小泉首相の施政方針演説に対し、40分間の代表質問をしました。代表質問は20年ぶり、トップバッターは初めてです。当初は、第2次補正予算成立後の2月5日の予定でしたが、予想外の田中真紀子外務大臣の更迭劇があって、2月7日午前10時からとなりました。NHKテレビが実況中継しました。

質問原稿は、全て私自身がパソコンに入力し、何度も手を入れて完成させました。57の質問項目、12000字に及ぶ膨大なものです。党全体を代表する必要もあって、少し欲ばりすぎたかもしれませんが、批判だけでなく、現段階での“江田ビジョン”や多くの積極的な提案も盛り込みました。小泉さんの答弁は非常に物足りないものでしたが、それでも質問直後から、デフレ阻止、対イラン政策、食の安全行政、NPO税制などについて、政府の動きがありました。実行はまだです。

小泉さんは、言葉では国民を信用していると言いますが、国民に役割を与えようとしません。これではダメ。私たちは、NPO、NGOなどに自由な活動を保証し、ワークシェアリングなどで新しい参加型の社会と家庭を追求し、真にラディカルな構造改革を目指します。代表質問では一番言いたかったのは、そのことです。小泉さんの答弁にはがっかりですが、新しい時代を告げる「ときの声」を上げることは出来たと思っています。ご支援下さい。


◆田中外相更迭・小泉支持急落で政局波乱のスタート

1月29目深夜、小泉首相によって、田中外相が更迭されました。同時に野上外務事務次官も更迭され、鈴木宗男氏は衆議院議運委員長を辞任しました。「三方一両損」ということですが、国民はこれに全く納得せず、小泉内閣の支持率は、80%前後から50%前後へと急落しました。

小泉さんは「国会の混乱」を更迭の理由にしましたが、これは口実です。参議院では、予算委員会の開会を決め、野党は質問の準備をしていました。また野党は田中外相の更迭を求めていません。この問題のきっかけは、アフガン復興支援会議に、外務省が特定のNGOの出席を拒否したことですが、この件について、拒否撤回という正しい行動をとった田中外相を更迭することは、理非曲直が正されず、正義に反するやり方です。しかも事実隠蔽。結果的に外務官僚と族議員が勝利して、改革派が敗北する裁定ですから、国民が納得するはずがありません。

この問題に対する民主党や他の野党の追及で、あらためて、鈴木宗男議員と外務省の癒着や、青木幹雄参院自民党幹事長と道路公団・国土交通省の癒着が、明らかになりました。この利権政治を構造改革しなければ、日本の改革はできません。自民党政権のままで改革をするというのが、小泉政治の絶対矛盾です。

小泉支持率の急落で、波乱の政局がスタートしました。早期解散総選挙も視野に入れて、民主党を中心にした、政権交代による構造改革実現の体制づくりを、急がなければなりません。


政治 経済 永田町の今

◆民主党大会で実行委員長をつとめる

1月19日の民主党大会で、私は実行委員長をつとめました。大会冒頭、私は「日本は試練どころか、もう大変な危機的状況です。こういう時に大会を開く民主党は、国民に対して、さらに歴史に対して、負っている責任は重いものがあります。わが党をより強く、よりたくましく、そして政権交代を担い得る政党へと成長させていく。これは我々の共同責任です」とあいさつしました。

この党大会で、小泉内閣へ対決姿勢が明確になりました。鳩山代表も「小泉内閣を打倒しなければ、この国の未来は見出すことはできない。政権交代なくして、この国の未来をつかむことはできない。」と強調しました。

大会では、新たに党員・サポーターの登録制度が発足しました。1000円の参加費で、あなたも民主党の代表選挙に投票できます。第一次締切は5月末です。みなさん、ぜひ参加して下さい。


◆デフレ阻止と地域経済活性化

代表質問で取り上げましたが、日本経済、特に地域経済の状況は、大変深刻です。私は、小泉首相の一枚看板である構造改革なくして景気回復なし」は間違いだと指摘し、構造改革は当面はデフレ効果を伴うので、構造改革とは別に、デフレ阻止・景気回復のための経済政策が必要だと強調しました。小泉首相の答弁は、ありきたりのものでしたが、私の質問直後に、にわかにデフレ阻止対策の指示を出し、デフレ阻止が当面の最重要課題になりました。

地域経済も大変です。金融庁は、大銀行を救済して、地域金融機関を破壊しています。私は、民主党が提案している地域金融円滑化法案(金融アセスメント法案)の成立を求め、あわせて地域の赤字企業を黒字にするための地域企業再生法の提案もしました。今後とも地域経済活性化の方策を作っていきたいと思います。


◆食の安全とNPO税制について

代表質問では、BSE(狂牛病)問題で武部農水大臣の更迭を要求しました。消費者を第一に考えない人に、食の安全を託すことはできません。あわせて、JAS(日本農林規格)法と食品衛生法の抜本改正と、農水省と厚生労働省でバラバラになっている食の安全行政を一本化して、内閣府に「食品安全庁」のような包括的行政機関をつくることを提案しました。小泉首相の答弁はあいまいでしたが、その後検討を表明しました。

NGO・NPOの重要性を言いながら、政府のNPO支援税制は全く機能していません。全NPO法人の2〜3割の適用を想定していたはずですが、全国6000のNPO法人のうち、認定されたのはわずかに2つです。私たちの野党案では6〜7割適用となるので、改善を強く求めましたが、小泉首相の反応は鈍く、これでは21世紀型の新しい社会は構想でさません。


◆ブッシュ演説と田中真紀子・鈴木宗男参考人質疑

2月19日、参議院本会議場で、ブッシュ大統領の演説を聞きました。ジェスチャーもユーモアもあり、話術は一流。しかし内容は首肯できません。小泉首相は、大統領のリップサービスに大喜びしていましたが、単純な人物だと思われたことでしょう。私は、CNNのインタビューで、首脳会談の成果は何かと問われ、「アメリカは、日本の協力という成果を得たでしょう。しかし日本は、後で、とんでもない約束をしたと、後悔すると思います。」と答えました。

2月20日の田中真紀子参考人のパフォーマンスは見事でした。小泉首相を抵抗勢力と決めつけて、「政治改革なくして構造改革なし」と宣言。スカートの比喩も秀逸。鈴木宗男参考人と外務省の「ずぶずぶ」関係も浮き彫りになりました。野党質問の連係プレーも効果的でした。この問題は、自民党政治の本質に関わる問題です。さらに追及をすすめます。


岡山トピックス

◆2区辞退・県連大会

2月1日、衆院2区公認内定候補の田淵雅子さんから、党本部の鳩山代表あてに、公認内定辞退と2区総支部代表辞任の書面が届きました。私は驚きましたが、早速翌2日に田淵さんと会って話を聞きました。

「準備不足で時期尚早だった。県連への失望もある。」とのこと。当面離党はせず、DV問題などには参加していきたいとも言われました。私は辞退意志は固いと判断し、これを了承しました。田淵さんに立候補を要請したものとして、また県連代表として、関係者と支持者のみなさんに深くお詫びいたします。

2月3日には、民主党岡山県連の第7回定期大会を開催しました。来年の統一地方選の第一次公認候補(県議選4各・岡山市議選2名)の発表をし、自治体議員の倍増をスローガンにしました。早期解散の可能性もあります。候補者を早く決めて、臨戦体制をつくらなければなりません。


◆新春パーティー・東京パーティー・バス旅行

1月13日の江田五月会新春パーティーは、みなさんのおかげで盛大に開かれました。政治評論家の森田実さんとの「小泉改革」批判の議論も盛り上がり、今年の政治潮流の大変化のさきがけになりました。

3月6日には、東京で全国江田五月会の講演会&交流会(会費2万円・個人特別優待1万円)を開きます。講師は弁護士の中坊公平さんに特にお願いをして、「市民が主役の政治と司法」について語り合います。

6月1日には、江田五月会の第2回日帰りバス旅行(会費5千円)を企画しています。今回は「土佐の高知・カツオのたたき食べ放題」。ぜひご参加ください。

次の参議院選挙まであと2年。この間に、統一地方選と衆院選があります。この三つの選挙に勝ち抜くために、今からスタートです。みなさまのご支援・ご協力を切にお願いいたします。


2002/02/27

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