2001/12/25

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江田五月の国会レポート 第15号

経済情勢は深刻!!「政権交代」で「構造改革」を
自衛隊派遣で民主党分裂?!PKO法は一致、結束はできる

政治 経済 永田町の今
1000円の登録料で民主党代表選挙に参加
特殊法人改革・医療制度改革は不十分
司法制度改革推進法と商法改正
民主党憲法調査会中間報告について
岡山トピックス
 京都バス旅行・菅さん来岡
 新春パーティー・県連大会

◆経済情勢は深刻!!「政権交代」で「構造改革」を

12月7目に臨時国会が終了した後、年末のご挨拶で、経営者のみなさんとお会いし、デフレが進行する日本経済の深刻な実情を聞いています。みなさんの多くは「改革派」です。既得権の打破を強く望んでいます。民主党が期待に応えなければなりません。

12月20日に平成14年度予算の財務省原案が示されました。総額81兆2300億円。国債枠30兆円を守って(隠れ借金は増加)、前年比1.7%減の緊縮型予算となりました。「ない袖は振れない」ということですが、問題は中味です。公共事業と、道路公団や石油公団など特殊法人への支出が、1兆円ずつ削減されたことは、一定の評価ができますが、あとは従来型とほとんど同じ。かけ声だけが大きくて実態は変わらない、小泉改革の弱さが出ていると思います。

民主党政権なら、まず道路特定財源を2年を限って一般財源とし、国交省と農水省の公共事業予算を削減して、雇用対策費を倍増させます。雇用のセーフティネットをしっかりとはって、不良債権処理を断行するために不可欠な措置です。医療費も、総額管理制度と都道府県の管理制度を導入して、医療の質を高めます。補助金を整理統合して、自治体の一般財源とし、地方財源を強化することも欠かせません。

小泉改革の最大の矛盾は、自民党政権のままで構造改革をしようとすることです。抵抗勢力と妥協して改革はできません。民主党が力をつけて、「政権交代」による「構造改革」を実現しなければなりません。来年はそのために最も大切な年になると思います。

◆自衛隊派遣で民主党分裂?!PKO法は一致、結束はできる

テロ対策法に基づく自衛隊派遣が、11月27日の衆議院、30日の参議院の本会議で承認(事後)されました。民主党は、テロ対策法には国会の事前承認の修正が実現しなかったので反対しましたが、自衛隊派遣については、行動計画が基本的に民主党の主張の枠 内にあったので賛成としました(情報開示と審議時間不足の問題はあった)。しかし、党内での議論が不十分だったこともあって、衆議院で横路副代表をはじめ 21名(反対12名、棄権9名)、参議院では大橋巨泉議員はじめ7名(反対2名、棄権5名)の「造反」がありました。これに対しては、横路副代表と金田厚生労働NC大臣を3ケ月役職停止とするなどの処分がありました。

この大量「造反」に対して、民主党は分裂するのではないか、と大きく報道されました。たしかに安全保障問題や憲法問題で、党内にかなりの意見の相違はありますが、50%以上の支持を得て政権担当をめざす政党としては、当然のことです。あまり報道されてい ませんが、12月7日に成立した国連PKO(平和維持活動)協力法改正案では、横路さんも大橋巨泉さんも賛成しました。国連を中心とした集団的安全保障措置や国連のPKO活動には、積極的に参加協力するという点では、民主党は党内統一ができているのです。もちろん楽観はできませんが、菅さんや私が中心となって、民主党をまとめていかなければならないと思います。


政治 経済 永田町の今

◆1000円の登録料で民主党代表選挙に参加できます

来年1月19日の民主党大会(私が大会実行委員長)で、9月の代表選挙へ向けて、新たに党員・サポーターの登録制度を決定し、準備を始めることになりました。党員(党費・機関紙購読料で年6千円)だけでなく、サポーター(支援者)のみなさんも年間1000円の登録料で、民主党代表選挙の投票権を得ることができます。

民主党の代表選挙はポイント制で、国会議員票、公認候補者票などに加えて、地方に約4割のポイントが割当てられ、都道府県単位で投票の結果、そのポイントが配分されます(岡山県は5ポイント)。毎年5月31日が登録の締め切りですが、代表選挙のある年は、8月末頃まで第二次の登録ができます。岡山県連としても、江田五月会としても、この機会に党員・サポーターの飛躍的拡大に取り組んでいきたいと思います。みなさんの最大限のご協力をよろしくお願いいたします。

◆特殊法人改革・医療制度改革は不十分

小泉内閣は、12月18日に「特殊法人等整理合理化計画」を閣議決定しました。163の特殊法人と認可法人のうち、17法人を廃止、45法人を民営化、38法人を独立行政法人にするというのですが、目玉だった道路4公団と政府系金融機関については、抵抗勢力と妥協して先送り。独立行政法人化だけで改革ということにはならないし、廃止・民営化も、本当に改革になるかどうかは、詳細が決まらなければ評価できません。過去の特殊法人改革は全て看板のかけかえでした。民主党の主張する「天下り禁止」には全くふれていません。

医療制度改革も、約2800億円の負担増(予想)の帳尻合わせだけで、診療側も負担する「三方一両損」になるかどうかは、結果を見なければわかりません。民主党の考える医療費の総枠管理制度を導入するしかありません。小泉改革はかけ声だけで、中味は非常に不十分ですが、小泉さんはそのことにも気がついていないのではないか、という批判もあります(榊原英資さん)。頼りない限りです。

◆司法制度改革推進法と商法改正

秋の臨時国会では、民主党法務ネクスト大臣として、司法制度改革推進法案と商法改正案に取り組みました。司法制度改革は賛成法案ですが、法務委員会で詳細な質問をし、改革推進本部の顧問会議・検討会・事務局などの組織のあり方を質し、特に審議の経過をリアルタイムで情報公開するよう求めました。その結果、附帯決議に「政府は、顧問会議、検討会を運営するに当たっては、その経過と内容についてできる限りリアルタイムで公開するよう努め、透明性を確保すること」という画期的な項目を盛り込むことができました。

株主代表訴訟での取締役の賠償責任を軽減する商法改正は、与党提出の議員立法ですが、原案はとても賛成できるものではありません。そこで、与党との厳しい交渉の結果、代表取締役の責任限度を原案の3倍、取締役は2倍とし、株主総会も特別決議とするなどの修正を実現することができました。野党第一党のチェック責任を果たしたと思います。

◆民主党憲法調査会中間報告について

12月18日、民主党憲法調査会は中間報告を発表しました。私は事務局長として、全体のとりまとめと、第三作業部会座長として「人権」を担当しました。中間報告は5つの作業部会の報告からなっています。第一は「総論」で「新しい国のかたちと日本の憲法の姿」、第二は「統治」で「首相主導の議院内閣制度の確立に向けて」、第三は「人権」で「すべての人々の人権を保障するために」、第四は「分権」で「分権型社会の実現をめざして」、第五は「国際・安保」で「PKOの変容と日本の参加について」です。ご承知のように、民主党は、改憲でも護憲でもなく、「論憲」です。「国際・安保」では、国連のPKO活動には全面的に参加協力する方向で、党内をまとめます。「人権」では、環境権、知る権利、外国人の権利などに加えて、安全への権利(人間の安全保障)、発展の権利(自己実現の権利)などの新しい提案をしました。来年夏には最終報告をまとめる予定です。


岡山トピックス

◆京都バス旅行・菅さん来岡

12月1日、江田五月会主催の京都日帰りバス旅行を行いました。バス10台(4台は5区のはたともこ後援会と共催)で、合計420名の楽しい旅でした。会費は5千円の格安(江田事務所の持ち出しはゼロ、利益もなし)で、嵐山での昼食(紅葉もしっかり残っていました)、知恩院・八坂神社の散策などを楽しみました。参加者のみなさんからも好評をいただいたので、これからも毎年春・秋に、日帰りバス旅行を計画したいと思います。

11月23日には、菅直人民主党幹事長が来岡しました。菅さんはこの日は「岡山デー」で、前泊して、朝一番は建部町で亡父の墓参り。午前は建部町で150名、午後は新見で280名、高梁で120名、笠岡で500名の演説会。夜遅くまで矢掛町で懇親会。超過密スケジュールを元気一杯にこなしてくれました。私も建部町集会から全て同行して、充実した一日でした。

◆新春パーティー・県連大会

1月13日(日)午後2時から、岡山プラザホテルで、恒例の江田五月会新春パーティーを開催します(一般会費5千円・賛助会費1万円)。第一部(午後2時〜3時)が、政治評論家森田実さんと私の新春討論。森田さんはテレビでもおなじみの政界のご意見番。辛口トークで2002年の政治・経済を展望します。第二部(午後3時〜4時30分)は、懇親パーティーです。みなさんの積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

2月3日(日)午後2時から、岡山ロイヤルホテルで、民主党岡山県連の第7回定期大会を行います。記念講演は民主党の榛葉賀津也(しんばかづや)参議院議員。榛葉さんは若手のホープで、中東・アラブ問題の専門家。最近パキスタンにも行きました。統一地方選挙へ向け、県連としての政策課題も提案します。新しい党員・サポーター拡大へのご参加・ご協力もお願いいたします。


2001/12/25

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