2002/07/05 |
江田五月の国会レポート 第18号 |
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政治 経済 永田町の今 防衛庁リスト問題と核武装可能発言で集中審議 緊張感のなかったカナナスキスサミット メディア規制法案と心神喪失者医療観察法案 民主党代表選・県政懇・国会コーラス |
岡山トピックス 五月会新体制と衆議院候補者選考 バス旅行、RSK国会報告、サポーター |
6月19日終了予定だった通常国会は、42日間延長され、7月31日までとなりました。延長国会は参議院での議論が中心です。今国会の4つの重要法案と言われたもののうち、有事法制と個人情報保護法は衆議院で廃案か継続審議の方向となり、郵政関連と健保法が参議院で議論されます。もう一つ、政治倫理関係のあっせん利得処罰法改正が焦点です。
郵政と健保は「小泉改革」法案なので、優先扱いとのことですが、全く改革の名に値しない法案です。郵政改革の本来の目的は、250兆円にのぼる郵便貯金などが、特殊法人などに使われ、ムダが多く不良債権化している状態に、メスを入れて改革することです。今回の法案は、その本来の目的と離れて、郵便事業への民間参入と郵政公社の利害調整が、政府と与党の議論の中心となりました。しかも結論は例によって、小泉首相と族議員の玉虫色の妥協です。一体何が改革されたのか、さっぱりわかりません。民主党にも郵政については意見の対立がありますが、本当の改革法案なら、民主党は議論を早くして改革の結論を出します。
健康保険法改正案は、サラリーマンの自己負担を2割から3割に上げるなどというもの。医療の供給側も含めた抜本改革に手をつけずに、健保会計の赤字の大部分を国民におしつける改悪案です。民主党はじめ野党は大反対で、廃案をめざします。
その他に、あっせん利得処罰法改正案と心神喪失者医療観察法案は、私が民主党の直接の責任者。何とか良い結論を出したいと思います。
6月19目、衆議院本会議で鈴木宗男衆議院議員の逮捕許諾請求が議決され、同日午後、鈴木議員はあっせん収賄容疑で逮捕されました。21日には、鈴木議員に対する辞職勧告決議案が全会一致で可決されました(衆議院では初めて)。
通常国会は、本来は景気回復と構造改革の国会となるはずが、有事法制などの問題法案と政治スキャンダルの国会になりました。とくに政治とカネの問題では、加藤鉱一・辻元清美・井上裕(前参議院議長)議員が議員辞職、鈴木逮捕と田中真紀子議員の党員資格停止と続きましたが、再発防止策は未決着です。
再発防止策で唯一つ国会で審議されているのが、あっせん利得処罰法改正案。私は参議院に提出した野党案の筆頭提案者で、野党チームの座長です。この法律は、国会議員とその公設秘書、地方自治体の長や議員が、請託を受けて公務員に対して、契約と行政処分についてあっせん行為を行って財産上の利益を受けた場合に、処罰するというもの。衆議院で可決された与党の改正案は、対象を国会議員の私設秘書に拡げるというだけのものです。野党案はこの法律を実効性あるものにするために、対象をすべての私設秘書と親族(父母、配偶者、子、兄弟姉妹)に拡げ、適用を難しくする条件(請託、権限、行為など)を削除する内容です。参議院段階で修正し、少しでも強化された法律にするために、力を尽くします。また小泉首相も公約した、公共事業受注企業の政治献金禁止の野党法案の成立を、ぜひ実現したいと思います。
有事法制3法案を審議している衆議院武力攻撃事態対処特別委員会は、6月10日と24日に集中審議を行いました。
10日は福田官房長官と安倍官房副長官が「憲法上核武装は禁止されていない。」と発言したことと、福田長官が「非核三原則も将来は見直されるかもしれない。」と発言したことが、集中審議の対象となりました。政治家の発言は自由ですが、政権中枢の官房長官と副長官が、有事法制の国会審議中に、しかも核武装国家のインドとパキスタンの衝突を、国際社会が全力で回避しようと努力をしている最中に、全く不必要で不見識な発言をしたのです。小泉内閣の中枢の、危険で軽率な本質が現れました。
24日は、防衛庁が情報公開の開示請求者のブラックリストを作っていた問題で、集中審議。防衛庁の違法行為の実態とお粗末な危機管理能力が明らかに。こんな状態では、有事法制は廃案にして出直すしかありません。
6月25日から27日まで、カナダのカナナスキスで行われたサミットは、何かピントのはずれた空疎なものでした。テロやNGOのデモを警戒して市街地から隔離されて行われましたが、最新の株式市場・為替市場の動向にも反応しない緊張感・危機感のないサミットとなりました。
世界経済はサミット直前に、アメリカの株価急落とドル安が進行し、世界経済のエンジンとなるアメリカの景気回復の見通しが疑問になりました。アメリカの景気回復と円安に依存する日本経済も危険信号です。9月金融危機の可能性もあり要注意です。
小泉首相のノーテンキな自画自賛も、一人だけ盛り上って他は白けるばかりで、見ていて気の毒なくらいです。緊張感と危機感をもって、不良債権処理と構造改革に真剣にとりくまなければなりません。民主党政権なら、緊張感と危機感のある政治ができます。
メディア規制2法と言われる個人情報保護法案と人権擁護法案は、今国会では、廃案か継続審議の方向です。この2法案は、メディア規制以外にも問題の多い法案で、特に個人情報保護法案は、防衛庁リスト問題でも明らかになったように、行政自身の違法行為に甘く、一方的に行政が民間事業者と個人をコントロールする悪法です。民主党岡山県連では7月21日(土)13時より、岡山ロイヤルホテルで、細野豪志、小宮山洋子両議員を迎えて、「メディア規制法の廃案をめざす岡山集会」を開催します。私も出席します。ぜひご参加ください。
人権擁護法案と心神喪失者医療観察法案は、法務ネクスト大臣である私が民主党の責任者です。特に後者は、「再犯のおそれ」のある者を「強制入院」させるもので、人権侵害の恐れがあり、認められません。前者も、人権委員会を法務省と切り離すなど、大修正が必要です。今国会では後者が焦点で、私の責任は重大。全力で頑張ります。
民主党の代表選挙が9月9日告示・23日投票の日程で行うことが正式に決まりました。1000円の参加費で、誰でも投票することができるサポーターの登録の最終締切りは8月末です。私は菅直人グループの座長で、菅幹事長の応援団長です。国会開会中は慎重に行動しますが、サポーター募集の運動は今も続けてやっています。ぜひサポーターになって、代表選挙に参加してください。若手も含めた活気ある代表選にしたいと思います。
6月28日の東京での岡山県政懇談会。石井知事、森県会議長、石垣市長会長、藤本町村会長から県選出10名の国会議員が要望をききました。野党は私一人で責任重大。国会審議の準備で中座しましたが、翌日のRSKテレビの国会報告で、岡山県の経営改善支援制度などの中小企業支援対策を応援すると約束しました。
6月19日は国会コーラス・リサイタルで、司会もつとめました。急ごしらえの練習でしたが、大成功、大好評でした。
7月1日から江田五月会は新体制となりました。2年後の私自身の参議院選挙、来年の統一地方選挙(岡山県議選・岡山市議選など)、2年以内に必ずある衆議院選挙の3大選挙への臨戦体制です。まず事務局長に大亀幸雄さんの再登板をお願いしました。事務局次長には須藤暁子さん(総務担当)と湯川憲比古さん(政務・組織担当)。1区担当に小林孝徳さん(26才・新採用)、2区担当に佐藤忍さん、3区美作担当に木下素典さん、3区東備担当は妹尾勝章さん、4区担当は岩崎瑩太郎さん、5区担当は湯川憲比古さん(兼務)。事務担当は従来通り富田悦子さんと小嶋由美子さん、相談役に元田弘祐さん。
民主党本部の衆議院候補者公募で、岡山県2区・3区・4区を希望する若者が3人とも合格しました。選挙区のみなさんや支援団体のみなさんとよく相談して、公認候補者を決めていきます。
6月1日、江田五月会のバス旅行で高知に行きました。バス10台で総勢450名。日帰り、料金5000円。江田事務所からの持ち出しはゼロ。昨年12月1日の京都・湯豆腐旅行に続いて、第2回目。今回は、カツオのタタキの食べ放題でした。
6月15日と29日に、つづけてRSKテレビの国会報告に出演しました。3分半ですが、貴重な機会です。15日は、政治とカネ、重要法案、民主党の課題につき話しました。29日は、カナナスキス・サミットの見方、延長国会の課題、岡山県内の中小企業支援策などにつき話しました。
5月31日締切りの党員・サポーターの登録へのご協力本当に有難うございました。おかげさまで党員369名、サポーター688名の方々を登録させていただきました。ひきつづき、ご参加ご協力をよろしくお願いいたします。
2002/07/05 |