2002/08/10 |
江田五月の国会レポート 第19号 |
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政治 経済 永田町の今 候補者乱立?!9月23日に民主党代表選 小泉経済政策は大失敗 健保法は強行採決、あっせん利得は修正せず 民主党憲法調査会・10月補選・蒲島ゼミ |
岡山トピックス 2区公認候補に津村啓介さん 党員・サポーター集会、メディア規制 |
7月31日、192日間の通常国会が終了しました。「ひどい国会」だったと思います。政治スキャンダルが続出したのに、再発防止のための法改正は、あっせん利得処罰の対象を国会議員の私設秘書に拡大しただけで、その他の改正は与党の反対で実現しませんでした。
小泉改革も、改革になるのか、ならないのかわからない郵政関連法案と、国民の負担増だけを押しつけた健康保険法改悪案が成立しただけ。口先だけで中味なし、が明らかになりました。
通常国会の最終日の参議院本会議で、私は民主党・新緑風会を代表して、野党が提出した「内閣総理大臣小泉純一郎君問責決議案」の賛成討論を行いました。10分間でしたが、精一杯頑張りました。この国会で私は、2月7日の最初の代表質問と最後の討論を、どちらも引き受けたことになります。
賛成の理由は、絞りに絞って五点。第一に小泉首相の経済運営の失敗。第二に、小泉「構造改革」がニセモノであったこと。第三に、自民党政治の政官業癒着構造がますます悪化していること。第四は、瀋陽事件などの外交失敗と外務省不祥事。第五は、健康保険法改悪などの国民生活を圧迫する悪法の強行です。
今回の通常国会の重要法案であった有事法制三法案と個人情報保護法案は継続審議となりました。人権擁護法案と心神喪失者医療観察法案も継続審議。秋の臨時国会は、大変な国会になりそうです。9月の民主党代表選挙後に、私の役割は変わるかもしれませんが、どの立場であっても、全力で頑張ります。
8月5日、小泉内閣は、問題だらけの「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」の開始を強行しました。福島県矢祭町、東京都杉並区・国分寺市などが不参加。横浜市は「市民選択」で、事実上400万人以上が参加しないスタートとなりました。
住基ネットは、すべての国民こ11ケタの番号をつけて、住所・氏名・性別・生年月日の4つの基本情報を、全国の自治体を専用回線でつないだコンピューターネットワークで管理する本人確認のデータベースです。政府はこれを基盤とする電子政府・電子自治体を構想していますが、便利さの陰で行政による国民管理が進み、情報が漏れることで個人の私生活の安全が脅かされます。
住基ネットの強行にあたって、小泉内閣は重大な法律違反と約束違反をしました。3年前に成立した改正住民基本台帳法附則の規定と小渕首相(当時)の国会答弁の約束で、「個人情報の保護に万全を期するための所要の措置」(個人情報保護法の成立)をとらなければならないのに、有効な個人情報保護法の成立なしに住基ネットをスタートさせたのです。
私たち野党4党は住基ネットの凍結法案を国会に提出しました。自民党内にも凍結派がかなりいたのですが、与党が無視して法案は廃案となりました。
住基ネットは、21世紀の日本が、国家統制か市民自治か、中央集権か地方分権か、を決める重要なポイントです。秋の臨時揺会では、個人情報保護法案の審議とともに、住基ネットそのものの議論も深めていかなければなりません。
民主党の代表選挙が、9月9日告示・23日投票の日程で行われることになりました。
選挙はポイント制で、総ポイント数816ポイント(8月7日現在)の過半数をとった候補者が当選です。ポイントの割当は、国会議員366(一人2ポイント)、公認内定候補者83(一人1ポイント)、自治体議員47、党員・サポーター320です。
候補者は8月7日現在で、鳩山代表、菅幹事長、横路前副代表、中野副代表、前原幹事長代理、野田衆院議員、松沢衆院議員、河村衆院議員の8名が名乗りをあげて、にぎやかな代表選となりそうです。私は菅直人選対の本部長をつとめることになります。
今回から、党員だけでなく、サポーターのみなさんにも、1000円の参加費で一票を投じていただけることになりました。サポーターの登録は8月末までできます。ぜひ参加してください。
7月31日の小泉首相問責決議案の賛成討論で、私が理由の第一にあげたのは、小泉経済運営の失敗でした。
小泉内閣の誕生から今日まで、景気回復の兆しは全く見られません。株価は1万円の大台を割り込み、秋の金融危機の再燃が心配されます。小泉経済政策に対する市場の反応は、冷たいの一語に尽きます。景気対策といえば、相も変わらぬ効果のないバラマキ公共投資ばかりだからです。その結果、国民生活はどうなっていますか。完全失業者数は368万人、小泉さんになってから30万人以上増えました。企業の倒産件数は激増。事業不振や失業などの「経済・生活問題」での自殺が相次いでいます。それなのに政府の景気判断は甘い。「一部に持ち直しの動き」は大本営発表です。国民の実感は違います。景気回復にもっとも有効なのは、個人消費の回復なのに、医療費の1兆5千億円負担増の強行など、消費を萎縮させる政策を取り続けています。最大の景気対策は、“経済音痴の小泉首相”の退陣です。
延長後の国会は、本当に意味のない「ひどい国会」でした。
7月25日には、参議院厚生労働委員会で、あらかじめ合意された日程を無視して、健康保険法改悪案が、与党3党によって強行採決されました。重要法案では当然行うべき公聴会も行われませんでした。抜本改革を再び先送りして、国民に負担増を押しつけ、景気対策にも逆行する悪法の強行採決に抗議して、私たち野党は参議院本会議を欠席しました。
7月19目には、あっせん利得処罰法改正案が成立しました。国会議員の私設秘書に対象を拡大するだけの不十分なものです。私は野党の責任者として、政治浄化に有効な8項目を加えた対案の筆頭提出者となって答弁にあたり、さらに絞りこんだ3点について、与党とのトップどうしの修正協議に臨みましたが、与党は修正を拒否。鈴木宗男議員逮捕以前の法案のままの成立となりました。小泉首相が自ら指示した公共事業受注企業からの政治献金禁止も無視で、一体何のための延長国会だったのか。自民党は猛省すべきです。
7月29日に民主党憲法調査会の総会が開かれ、2年半余の議論を取りまとめた報告が概ね了承されました。鳩山代表の諮問に基づいて設置された調査会で、私は最初から事務局長として、また第三作業部会(人権)の座長として、議論をまとめ、鳩山代表の任期内に報告をほぼ完了しました。民主党の「論憲」は変わりません。「新しい憲法を創る(創憲)ことも視野に入れて、大いなる憲法論議を進めていく」。これが基本姿勢です。
10月27日に、大阪・神奈川・山形で衆議院、千葉・鳥取で参議院の補欠選挙が行われます。鳥取以外では、民主党の候補も固まりました。大変重要な選挙なので、鳥取を含めて勝利をめざします。新潟も入りました。
8月1日、東京大学法学部の蒲島郁夫教授のゼミ(政治学)に講師として招かれました。私の政治家としての軌跡や参議院での経験など、本音のところを話しました。
8月5日、岡山県庁記者クラブで、民主党岡山県第2区の公認候補に内定した津村啓介さんの出馬記者会見が行われ、私も同席しました。
津村啓介さんは30才。津山市生まれで、東京の麻布中・高から東大法学部卒業。日本銀行に入行して、在職中に英国オックスフォード大学に1年間留学。いわゆるエリートコースを走っていましたが、このままでは日本の改革はできないと、今年民主党の衆議院候補者公募に応募して合格。日本銀行を退職して、7月10日から岡山市内に住み、7月30日に党本部で公認内定が決まりました。8月1日には、岡山市円山に事務所(兼自宅)もオープンしました。お手伝いもよろしく。
電話(086−277−9900)
2区の津村啓介さんと5区のはたともこさんの、若い2枚看板で岡山から政治を変えましょう。若い公募合格者はあと2名います。地元のみなさんの了承を得て、さらに候補者を決めていきます。
7月は民主党岡山県連主催の企画が続きました。7月28日に行った「党員・サポーター集会」は、6月30日の「ご意見をきく会」に引き続き、時間の制限を設けずに、なぜ民主党の支持率は上がらないのか、民主党の問題点を大いに議論していただきました。このような会は今後も定期的に開催します。
7月21日には、小宮山洋子参議院議員と細野豪志衆議院議員と私が報告者となって、「メディア規制法の廃案をめざす岡山集会」を行いました。個人情報保護法案と人権擁護法案と住基ネットの問題点をえぐり、政策集会として充実した内答でした。
7月14日は、「民主党岡山県連家族の集い」として、木下サーカスの一区画貸切りで、約200名のみなさんと一緒にサーカスを楽しみました。新しい総支部が次々にできて、民主党岡山県連の活動はますます充実していきます。これからもいろいろな企画を立てて、皆さんとともに元気に活動していきます。
2002/08/10 |